レッテルと、絆創膏。
「これで満足か?」
立ち上がることすら儘ならない。
痛々しい傷口から鮮血が滲む。
もはや、指一本動かすことすら無理だった。
「はぁはぁ……」
いつも従うだけの日々。
機嫌取り――そう言っても過言ではなくって。
ただ、見逃せなかった。
「お? あいつ……イクか?」
「イッちゃう?」
「いーねぇ」「やっちゃおうYO☆」
それは決定的な苛めの瞬間。
多数で取り囲むという非道な光景。
自分に降りかかる火の粉ではない。
なら、何も問題はない。 見て見ぬふり。
「オラァッ!」
「えいっ、えいっ!」
「ごべんなざいいい……許じでぇ……」
必死に許しを乞う姿を見て、チクリと胸が弾けた。
それは偽善者として、なのだろう。
「もう、やめろよ!!」
逆らった挙げ句、結局大地に這いつくばることになるのは明白だった。
「ありがとう……大丈夫??」
あれから数年。
本当の友達はたったひとりだけ。
絆創膏をくれた、彼。