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第11話 ついにねんがんの・・・
儂は今、まさに死に瀕しておる。
畳の上で死ぬことは叶わず病院のベッドの上で、じゃがの。
こうして多くの子や孫に囲まれて死ねるのは幸せじゃ。
此度の転生は、再び現代の日本に生を受けた。
所謂「ふつめん」と言うものでの、普通に学校行って、普通に就職して、普通に結婚して・・・
それはそれは普通に幸せな人生じゃった。
一番最初の人生において、子供の頃からのささやかな夢であった
「庭で遊ぶ孫達を眺めながら、婆さんと一緒に縁側でお茶をすする」ことが実現できて本当に幸せじゃ。
以前にも1度だけ女性として生を受けた際は普通の人生を送れたが
男性として普通の人生を送れたのは、此度がはじめてじゃった。
何度、転生を繰り返したかのぅ・・・
もはや覚えとらんわい。
・・・・・・
そろそろ儂にもお迎えが来る。
此度は普通の人生を送れたとは言え、どうやら儂は転生体質のようじゃからの
次の人生どうなるか、はてさて油断はできんわい。