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#3 連絡


翌朝。




結局昨日のうちには少年にメールも電話もしなかったな・・・



なんか、するタイミングがつかめなかったというか・・・



まぁ少年も他にメールする友達の1人や2人今時の中学生ならいるだろう。



「・・・・メールなんていつでも良いか・・・」



今日から休日は終わりだ。



(・・・・・学校行かなきゃ・・・)




重い頭と身体を動かして、制服に着替えた。




携帯は一応持って行ったけど、少年にメールする気はその時も無かった。






「優、彼氏と上手くやってる?」



愛が悪気なく笑顔で聞いてくる。



「・・・・別れた。」



「えっ?マジで?ゴメンッ」



愛はすぐに申し訳なさそうにあたしに謝る。



「別に・・・あいつと元からなんか合わなかったし・・・会うたびに他の女の匂いプンプンだったし・・・」


「あちゃー。だから振っちゃったのかぁ。」


「ううん。振られた。」


「・・・・え。何でそんな男と振られるまで付き合ってたわけぇ?」


愛が呆れたように問いかける。


「顔。」


「あぁ・・・」


なるほど、とでも言うように愛は頷く。


でも、


ホントのあたしは心のどこかで「この人はあたしを一番大切に思っててくれる。」って馬鹿なことを期待してたんだ。


そんな期待があったから、ずっと振らないで我慢してたんだ。


(・・・・・馬鹿だなぁ・・・)


自分で自分に呆れちゃうよ。


よくあんな男と付き合ってたもんだ・・・・


「ま、優ならすぐに良い男また見つかるって!」


励ますように愛は笑顔で言うけれど、しばらく彼氏はいらない・・・とあたしは思ってる。


・・・・いらないわけではないか。


そこまで欲しくない、っていうくらいかな。


「愛が紹介してくれるならね。」


「何それー。自分で見つけなさいよぉ。」


「分かってるってぇ・・・」


・・・・・少年がもう少しあたしと年が近ければなぁ・・・


と思ったりもしてみるけど。


12歳の子を狙うのは流石に犯罪か。


(ていうか、好みじゃないしなぁ・・・)


ああいう純情そうな子はあたしの好みじゃない。


ちょっと女の子に慣れてるくらいの人が付き合いやすくて良いんだ。


って言っても、付き合ったことある人なんて数が知れてるけど。


「愛は気になってる人いるの?」


「んー・・・今はいないかなぁ・・・」


「んなこと言って。隠すのはダメだぞぉ。」


「ホントだってぇ。あ、でも最近自分の好み自覚したよ。」


「どんな?」


「あたしね、年下が好きみたい♪」


「へー。あたしは断然年上だなぁ。」


「生意気な子も良いもんよ?」


「年下と付き合ったこともないくせによく言うわ。」


「アハハッ」



・・・・・・・今度少年でも紹介してあげようかな。


生意気かどうかは別として、顔は悪くないし、頭も悪くないし、むしろ良いし。



「あ。」



「何?」


「ううん。何でもない。」


・・・・・考えてみると、少年はメチャクチャ良い条件がそろっているじゃないか。


だとしたら、付き合ってる子がいてもおかしくないんじゃない?


・・・ていうことは、下手に紹介して、もし「僕、実は付き合ってるんだぁ」ってことになったら大変じゃない?


(あぁ・・・取り返しつかないことになりそう・・・)


・・・簡単に少年は紹介出来ないか・・・


(あとで聞いておこう。いや、・・・・・どうやって?)


メールか電話しかないじゃないか。


・・・・結局少年にメールしなくちゃ、何にも少年のことを知れない・・・


昨日色々と聞いておくべきだったのかも・・・


今更悔やんでも仕方のないことだけど。


今日あたりにでも連絡してみるかな。




・・・・・そうしよう。




そうあたしが心に決めたときに、丁度よく授業が始まるチャイムが鳴った。



愛は自分の席に戻り、皆一斉に机の上に教科書を出し始めた。





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