夢が分からない子供だったけど夢をみつけて私は頑張る!
宜しくお願い致します。
小さな村の小さな出来事。女の子が泣きながら家に帰っていきます。
中にいるお母さんが驚いて、
「まぁ、どうしたの?」
と尋ねました。メアリは泣きながら
「夢をもってないのはお前だけだって友達が言うの。でもあたしわかんないんだもん。
みんな野球選手とか。お嫁さんとかもってるんだもん。」
お母さんは女の子の頭をなでつつ、こう答えました。
「よしよし、じゃあこの村のみんなに夢をきいてきたらどう?」
メアリは泣きやみしゃくりあげながら、
「聞くの?」というとお母さんはニコニコしながら
「ええ、そうね。一生懸命聞いてごらん?きっと教えてくれるわよ!」
メアリは泣きやみもう笑みを浮かべて、行って来ると言って駆け出して行きました。
見送るお母さんは私には
聞かないのかとちょっぴり切なくなりました。
さて、メアリは村の人々に夢を尋ねていきました。宿屋のお上さんは
「家族が元気でいること。元気が一番だよ。」と豪快に笑いました。
商店のおじさんは「たくさん品物が売れること。お金を稼ぐこと。
家族を食べさせにゃならんからなぁ。」
とおじさんはいってメアリの頭をなでました。
道で会ったバーの女性はきょろきょろとあたりを見回し
「内緒だよ。バーにあの人が帰ってくること。二人でバーを続けることかな・・・」
女性は寂しそうな顔をしていました。
たくさんの夢を聞いた後、家に帰り、
「お母さんの夢は何?」
と聞くとお母さんはにっこりと笑い
「メアリが夢をかなえ夢を持ちつづけること。」
「あたしの夢・・・わからない。聞いたけど分からなかった。あたしが夢が何か
分からないのに、あたしが夢を持ち続けることが夢なの?」
お母さんは少し困った顔をして
「そうねぇ。夢ってものは目標だったり、希望や願いだったりするわね。
みんないろんな夢をもってたでしょう?それはいろんな価値観・・・
そうね、考え方があるから。」
「考え方があたしにはないの?」
とメアリは口をとがらせます。
「そうじゃないわよ~。夢は時がくれば自然ともてるものなの。大切なものが何かは人によって違う
でしょう?
だからメアリにもこれが大好きとかこうしたいとか思うときがあるでしょう?
それを大事に育てていけば
それが大きくなっていって夢につながるのよ。お分かりかしら??」
「うん!おわかり!!」
と、メアリは答えました。
その後、お母さんは疫病で息を引き取りますが、
メアリは助かり医者になるという夢を抱きました。
そしてメアリは夢をかなえ医者になりました。
「急患です。そこでどいて!」
「先生お願いです。この子を助けて!!」
「分かりました、最善を尽くします。急いで!手術室へ!!」
看護婦が、子供の母が、メアリが叫びます。子供は手術を受け命をとりとめました。
子供が回復する頃
メアリは医者という職業に生きがいを感じていました。人の命を救える。助けられる。
「私はがんばってるよ。お母さん・・・・・・」
物思いにふけっていると外が騒がしいのです。どうしたのだろうと思っていると。
「助けて、痛い、助けて。」
声が聞こえます。
「先生来て下さい!!患者さんたちが・・・」
診断しておかしいとメアリは思いました。患者の症例がことごとく同じ。
疫病?メアリは青ざめ・・・
「早くみんなを別の場所へ!」
自分の判断の遅さを呪いました。メアリは懸命に治療しました。
しかしすべては遅かったのです。
大多数の人々は既に感染していました。そして死んでいったのです。
人々が苦しむのを見ているだけ。子供の頃「夢をもちつづけて欲しい。」
という母の言葉が蘇ります。
「夢なんかもてないよ。お母さん・・・」
メアリは声を殺して泣きました。誰も助けてはくれません。
患者さんの前では笑顔をみせ心配しないでと言うのです。
心も体も疲れきっていました。
「お母さん!死なないで、ねえ、お母さん!!」
何事かと思うと急患で運び込まれメアリが手術した子供でした。この子の母が感染していたのです。
いそいで引き離して連れて行こうとすると子供が言いました。
「僕を助けたみたいにお母さんを助けて!先生!!」
みんなおびえて、死への恐怖で疲れ果てていました。
自分だけじゃない。家族も患者もつらいんだと思い
メアリは思わず子供を抱きしめました。そして
この村を離れるようにとみんなに告げ疫病と戦う覚悟を決めたのです。一生をかけて。
長い年月をかけてメアリは医療器具の進歩や有能な助手の助けを借り疫病を克服しました。
そして子供たちに絶望しても力強く生きて、希望を捨てないでと思いを込めて言うのです。
「夢をもちつづけて」と・・・・
END
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