脱出作戦開始
挨拶が遅れました。馬沼ゆづきです。前話からの連日投稿になります。(そのうち諸事情で出す機会が少なくなるので)これからも連続投稿するかもしれないので、その際は是非ご覧下さい。
ここから本当の戦いが始まります。お楽しみください。
「私はユイっていうの。宜しくね。あなたの彼女のことは、本当にごめんなさい。」
ユイは何度も頭をさげた。しかしカイトはこういうのが苦手であった。
「そんなに頭をさげないでください。ユイさん。」
ユイはその言葉を聞いてユイは微笑んだ。
「ふふっ。 なーに?ユイさんって。ふふふっ。」
カイトは顔が赤くなった。
「い、いいじゃないですか! 恥ずかしい… 」
牢獄内をあたたかさが包んだ。ユイとカイトはすぐに仲良くなれた。
「てかなんでユイさんは止まってないの? 」
カイトはユイに聞いた。ユイは当たり前のように話し始めた。
「あなたと同じよ。覚醒したの」
カイトは首をかしげた。
俺覚醒なんかしたっけ…?
「しっ。誰かくるわよ。」
カイトはビクッとなり、声を出さずにこらえる。奥からは、3人の影が近付いてくる。1人はシーク。もう2人は、止まっているはずの2人だった。カイトはすぐに気づく。
「スズノか!? おい! スズノ!? 聞こえてるか!? 」
しかし答えない。変わりにシークが口を開けた。
「こいつは喋らねーよ。この2人はクローンなんだ。話しても無駄さ。」
「ズズのに何をしたんだ! …あと、隣の人も! 」
すると、ユイの顔が青ざめていく。
「あ…アヤ…アヤネ…? 」
しかし、アヤネというクローンも表情を変えない。そこにカイトが質問をする。
「知り合いなのか? 」
「わ… 私の… 妹よ… 」
なんてクズなやつなんだ…
カイトはそう思った。
「まぁせいぜいこいつらを死なせないようにするんだな。」
シークはそう言って、2人のクローンを連れて去っていった。
ユイがカイトに真剣な顔で、
「あの2人、絶対助けるわよ! 」
と言った。ユイの目は、僅かに涙が残っていた。カイトはその涙を拭き取り、
「絶対助けるから、涙はまだとっておけよ。」
と言った。ユイはその言葉を聞きまた泣きそうになったが、涙を拭い、
「うん!」
と言った。
「それじゃあ始めるぞ!」
脱出の手順
1 牢獄にある硬い棒で天井をやぶる
2 通気口を通って監視室の手下を倒す
3 カイトが監視カメラをOFFにしている間にユイが外に通じるドアまたは窓の鍵をさがす
4 気づかれないように逃げる
一見雑な作戦だが、カイトとユイは成功する、と確信していた。なぜなら、お互いを信じあっているから。
「まず、気づかれないように天井を破る! 」
ついに脱出作戦が始まった。