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大津雄琴温泉 琵琶湖グランドホテル 後段

 新館は、藤村の孫にあたる人の絵や、本家の曾孫にあたる人の木曽八景画も展示されている。旧館に入ると団体客がいたが、間もなく出ていったので、館内は静かになりゆっくりと楽しむ。 夜明け前は読んだが、もうすっかり忘れている。しかし、まだあげ初めしの初恋の文字や、椰子の実の曲が館内のカセットから流れてくるのを聞くと、こんな素晴らしい作品を書いた人と、改めて藤村の偉大さをしる。若き藤村、本当にハンサム。


 晩年を過ごし、最後に息を引き取った部屋も展示され、若き日一所懸命勉学した部屋を見学。この木曽山中に生まれた偉大な作家に畏敬の念。


 今回の旅、移動距離が長いので、高速道路を効果的に使用する。で、馬篭からは中央道の中津川ICから名古屋都市高速に入り、名古屋駅地下駐車場にナビを設定。中津川市内に入ったら、雪、風、雨も、続くかと思ったが、恵那に来たら空も晴れた。恵那峡、トラックでドライブした。助手席に響子ちゃんと哲也を乗せ、狭い道を格好良くハンドルを切りながら。怖いものなし、懐かしいなあ、その哲也がハンドルを握っている。


 小牧ジャクションに、此処です、ここの日通小牧ターミナルに足掛け10年通った、何といっても、昭和53年2月13日、ターミナルで荷を降ろしていたら母から電話、生まれたよ、男の子。


 東名高速から名神一宮、運転手の時一宮インターに入って直ぐトラックの左側後部内側のタイヤがパンク、端に停めタイヤ交換するも、ジャッキが傾いたため危険を感じ、高速道路の緊急電話からJAFに連絡。パンクの原因は過積載。


 ナビは名古屋高速16号に誘導、いやはや風景の変わったこと、北名古屋市、何とも安易な名称、を過ぎ名古屋市へ。


 14時18分名古屋駅地下エスカ駐車場到着、宏は車内に。先ず駅のコンコースの売店へ。私は、目当てのJRセントラルタワーズを見に駅正面へ。いや変わりました、人も多いが警察官や警備員が目立つ。コンコースも綺麗、高島屋があることにも驚いた。駅前の風景の何と変わったことか、大名古屋ビルディング、みずほ銀行、その他、もう21年前の記憶は払拭された。


 少し興奮し戻ると、適当な土産物と愛知の地酒がないと困惑している響子ちゃんと哲也に、高島屋があると告げる、そこに行こうということで、地下2階の酒コーナーに行くと、全国の銘酒が。愛知の地酒が、お一人様3本と。期日指定の配送を依頼しエスカへ、青柳ういろう、も期日指定で、でいよいよ矢場とん、を。宏ちゃんにサンド、串5本買って車の中で食べる。食べたら皆美味い美味いと、宏ちゃん大喜び。また食べたいね、と言っていたことが4日目に奇跡が起きる。


 二日目の宿は琵琶湖グランドホテル。場所は大津雄琴温泉。ナビの設定は伊勢湾岸自動車道、東名阪、新名神を経由し名神京都東ICで下り、西大津バイパスでホテルへ。実はここから彦根城を見る案も計画していたが、都市高速名駅ICに乗ったのが、16時過ぎ、もうこれでは一直線に行かないと夕食に間に合わない、こともなかったのですが、このルートを選択した。


 しかし、名古屋も変わった。駅前にも驚いたが、この伊勢湾岸自動車道、まるで東京の湾岸道路だ、いや広い、片側3車線、伊勢湾が広がる。都市4号線、名港トリトン、日本一豊かな村飛島、長島スパーランド。長島スパーランドには良く行った。最初に行ったのは運送会社に勤めての慰安旅行。千人風呂に入りまるでプールのようだと驚いた。結婚してからも何度も、入園するとき、子供たちは手にスタンプを押して貰う。中でもお気に入りは、100円コインを入れて動く動物ロボット。


 その思い出話も哲也は余り記憶がないとのこと。でも小学生の時給食が不味かったことは良く覚えている。嫌なことは覚えていると言うが、私も子供の頃の記憶はよく寝小便したことと、夜中になると熱をだして、母がおぶって近くの軍医あがりのお医者さんを真夜中叩き起こして診て貰ったこと、今も鮮明に覚えている。


 木曽川を渡ると桑名、高校の頃親父を手伝って清掃のバイトをしたのが桑名の東洋ベアリング工場。駄々広い事務所の途方もない数の椅子を机の上に上げて、埃だらけになって働いたことを思い出す。四日市にも行ったが、その当時は公害の真っただ中、街中異臭がして、バイトとして辛いものがあった。

 

 新名神、交通量の何と多いことかまるで通勤ラッシュ。もう日本国中高速道だらけ、さぞかし田中角栄さんも満足されていることでしょう。いよいよ京都にも近づき、京都東ICからまっしぐら。ホテルには予定通り18時半到着。係の女性に案内され部屋に。


 食事前に一風呂浴びてから夕食へ。で、昨日白川郷で買い、飲み残した酒をペットボトルに入れて持ち込んだ。しかし、食事時間が遅かったのか、私達の家族を含め3組だけ。しかもバイキングではなく係の人が給仕。では、飲むわけにはいかないなと思っていたが、係の人も暇なので目を離した隙に湯呑に酒を注いで飲んだら、これが結構上手い。どうやら昨日の酒は食中酒のようだ。部屋に帰りまた別の酒を。


 真夜中の3時頃眼が醒めてふたつある内の露天風呂付きの浴槽に向かったら、向こうから老人が歩いて来る。この真夜中にと思ったら、それは鏡に写った自分。露天風呂から琵琶湖が、入浴者は私だけ、思う存分手足を伸ばし、鼻歌を歌い、戻ってからまたひと眠り。


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