3.『堕ちる』
『堕ちる』
就職先が決まらないまま高校を卒業した。
次のレール(就職先)を探す為に面接を受けた。
でも、ダメだった。
何度、受けても良い返事は貰えず、1年、2年…と過ぎて行った。
………堕ちた………
自分は、この世界に必要とされていないと思った。
こんなにも頑張っているのに、誰も認めてはくれない。
なぜ、あんな人が働けているのに、自分は働けないのか?
?どうして??何で??
生きている意味が解らない…
自分が生きていて、何か役に立っているのか?
稼ぎは無く、両親が稼いだ金で、今を生きている。
役に立つどころか、自分がいる事で、両親に迷惑をかけているのでは無いか?
いっそ、自分がいなくなれば良いのでは無いだろうか?
こんな、何の役にも立たたない自分なんか、死んでしまえば良いのに!
その時、涙が流れた。
でも、泣いている意味が解らない。
自分の心は、何も感じていないのに…
別に悲しいとも思わないのに…
役に立たないのだから、この世界にいる意味が無い。
だから、自分の判断は正しい。
なのに?なぜ?涙が出てくるのか?
自分の心とは関係無く、体が勝手に涙を流している。
なら“体”の立場になって考えてみようと思った。