表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

森の妖精、こっちゃん。


「ゆい、どこを見てるの?」

「う、こっちゃん?」


ーこっちゃん。

私が2歳頃から見え始めた、自称森の妖精だ。


40cmほどの身長で、性別は不明。

そもそも妖精という存在に性別があるのかどうか…定かではない。

外見としては、目がボタンのような形状をしており、葉っぱや布切れのようなもので体をまとっている。


まさに"人形"と形容するのにふさわしい感じ。

そんなこっちゃんは私と1つ上の従姉妹にしか見えず、母親を含めた大人たちには一切見えなかったようだ。


自分たちには何も見えない空間を指差し、何かと会話でもするようにキャッキャと笑う私たち。

私の母親と従姉妹の母親は私たちを心配し、病院へ連れて行ったこともあったらしい。



「ちっちゃい子にはたまにあるけぇねぇ。美香子もそうじゃったし、心配せんでもええよ。そういえば、雪子は違ったかね」


病院で"問題なし"と診断された私たちを連れ、お婆ちゃんに顔を見せに行った時のこと。

蛙の子は蛙ということなんだろうか?

私の顔もどちらかといえばお婆ちゃんや母親の姉に似ていることもあり、隔世遺伝というものなんだと思う。


ただ、そんな従姉妹も物心がつき、小学校に入学する頃には"こっちゃん"と会話することは愚か…存在すら覚えていなかった。







ーこの頃からだろう、私が存在意義について考えるようになったのは。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ