産んでくれて、ありがとう。
初めまして、作者の774(ななし)と申します。
この物語は半ノンフィクションになります。
霊というものは出てきますが、害をもたらすような者やシーンはありません。
ご了承ください。
ーープロローグ。
「…いちゃん。ゆういちゃん」
私には、母親のお腹の中にいた頃からの記憶がある。
ただ、これはそう珍しいことでもないらしい。
幼少期の子には、むしろよくあることだとか何とか。
「ゆういちゃん、もうすぐ予定日だね。6月中に生まれるかな?もしそうなったら、将来はジューンブライド!…素敵だねぇ」
毎日のように私がいるであろう部分を撫で、毎日のように話しかける。
この人が私の、所謂「母親」という存在。
活発で気が強い癖に、おっちょこちょいで何処か抜けてるお母さん。
そんなお母さんが心配で、私はいつも貴方のお腹の中でひやひやしてた。
でも、大丈夫。
私が生まれたら、私がお母さんを守ってあげる。
だからそれまでは、私のことを守ってあげてね。お母さん。
「あーあー。またソファーで寝て。全く、困ったお母さんじゃねぇ?あんたも苦労するよ」
私を見つめ、優しそうな顔をくしゃくしゃにして笑う人。
常に私の味方でいてくれる、世界で一番大好きなお婆ちゃんだ。
古き良き時代の人間だからか、人とずれていると感じる部分もあるけれど。
そんなところも全部引っ括めて、大切な家族。
「早く会いたいねぇ」
あぁ、私も早く会いたかったよ。
もうすぐ生まれるから、待っててね。