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突撃取材、咲夜編

咲夜さんはスレンダーボディ

「それでは、今日は何を取材しましょうか?」

 文は楽しそうに俺に笑いかける。

「それよりも、文は天狗とか言ったがここはどこなんだ?」

「ここですか? ここは幻想郷、外の世界から忘れられた世界ですね」

 俺は考え込む、幻想郷か……だから妖怪とかいるのか

「ま、それよりも取材ですよ」

「うーん、俺はこの世界に来たばかりだからな……ま、記憶が戻るまでは付き合うって言ったしな」

 俺は苦笑いしながら文に問いかける。

 文は過去の文文。新聞を見ながら何を探そうか決めている。

 時々、あのとき人里から感情が失われた異変もいい、とか、妖精が魔理沙を倒した、とかぶつぶつと、つぶやいている。

 俺は一つ思って

「ところで、移動手段はどうするんだ?」

「もちろん、飛んでいきますよ」

 振り向かずに、さも当然のことのように言ってのける文

「うーん、俺は飛べないんだがな……あ、そうだ」

 俺は自分の能力を思い出して、文文。新聞を読んでいる背中を軽く触った。

「ひゃぁ! な、何するんですか、リクさん!」

「す、すまん、そこまで驚かれるとは」

 文は肩をいからせ

「当然ですよ、女の子にいきなり触れるなんて、デリカシーがないですよ」

「ま、まあ、これで大丈夫」

 そう言い終えると、俺の背中から黒い翼が生えてきた。

「あや? あなた、人間じゃありませんでしたっけ?」

 不思議がる文

「これが俺の能力なんだ、触れた相手の能力を盗める。だから、これで俺も空を飛べるし、ほかにもいろいろできるようになる」

 文は文文。新聞を読むのをやめて、俺の羽を触りだした。

「すごいですね、私の羽とそっくりです。てことは、スペルカードや弾幕も打てるのかしら」

「それが何かは知らんが、できるはずだ」

「ほぉ、便利な能力ですね」

 文は羨ましそうにしていた。

「で、文? 取材対象は決まったのか?」

 文はドヤ顔で

「紅魔館の十六夜咲夜さんにしようと思います」

「ふーん、名前から察するに人らしいが、それは、どんな人なんだ?」

「それはですね、紅魔館という、幻想郷では珍しい全体が紅い洋風の館に住んでいるメイドさんですね、完全で瀟洒なメイドと言われているメイドですね」

 俺は完璧なメイドを想像してみる……うん、分からない、瀟洒という言葉からさわやかなメイドさん何だろう。

「で、その人の何を取材するんだ?」

「いろいろと聞こうと思いますが、一番はやはり、PAD疑惑でしょう」

「PAD?」

「はい、鬼が人を騒がせた異変のときと、幻想郷とあの世の境にある異変のときはとでは胸の大きさが明らかに違っていたのを私は見逃していませんよ」

 文は自信満々に答える

「だから、それを確かめに行くと、というわけですよ、わかりましたか、リクさん!」

 俺の中で瀟洒がちょっと崩れていた。

「でも、それ、俺の記憶の手掛かりにちょっとでもなるかな?」

「……ま、まあ、それは置いておこうじゃありませんか」

 文はお茶を濁した。

「では、行きましょう!」

「あ、ああ」

 俺は文に手を引かれ空を飛んでいくのだった。


 背中の羽で風を掴み空を駆ける。

そうして、俺は文の隣を物凄いスピードで飛んでいた。

 地上がはるか下に見える。

「気持ちいいな、空を飛ぶってこんな気持ちがいいもんだったんだな」

 俺が感傷に浸っていると。

「私は天狗ですから最初から空を飛んでましたから分かりませんが、人間がいきなり空を飛べるようになったら気持ちいいでしょうね」

 文は何気ないように言う

 しばらくすると、濃い霧が出てきて、しかも、少し肌寒い。

「おい、文、なんか寒いぞ、大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ、紅魔館の前には霧の湖があるんですよ、そこには氷の妖精が住んでるから寒いのですよ」

「妖精もいるって……幻想郷はすごいな」

 俺は期待に胸が膨らんでいた

「そうですか? 私たちはこれが当たり前ですので」

 そんなことを話していると、全体が紅い洋風の建物が見えてきた。

「さて、今日は門番起きてるかな?」

「門番もいるのか」

 俺はちょっと不安だったがそれ以上に期待が大きかった。

 紅魔館の門の前に来ると、壁に緑のチャイナドレスを着た女性が壁に寄りかかって寝ていた。

「やっぱし寝てる……ちょっといたずらしていきましょうか?」

「えっ……」

 俺はその女性を見た。

 緑色の帽子を被り、赤いロングテールに緑のチャイナドレスを着ている。

 その女性のはち切れそうな胸や、チャイナドレスから見えている綺麗な艶やかな足を見て、俺は喉がごくりとなった。

「……どこ見てるんですか?」

 文がいつのまにか前に回り込んできて、俺を睨んでいた。

 俺はバツが悪くなり。

「こんなかわいい女性にいたずらするのは……ちょっと」

「いいんですよ、どうせ、このあと、居眠りが見つかって咲夜さんに怒られるんですから」

 俺は考え込む、こんな無防備な女性にいたずらしていいものなのかを

「ま、私はするんですけどね」

 と、どこからか、取り出したマジックで額に肉と書いた。

 文のセンスはどこか古かった。

「さ、リクの番ですよ」

「え、えーと」

 俺は寝ている女性のほっぺをぷにっと押した。

 肌触りはマシュマロのようで、餅のように柔らかかった。

「……何してるんですか?」

「いや、いたずらしろって言うから」

「はぁ、もういいですよ、行きますよ」

「あ、待てよ、文」

 俺は飛んでいく文を追いかけるのだった。


 紅魔館の内部は広かった、壁は白く、下には紅い絨毯が敷かれている。

「さて、咲夜さんはどこかな?」

 文が呟いていると、俺は後ろに人の気配がして振り返った。

「さて、招かれざる客が来たと思って来たと思ったらあなたですか、そちらの方は新しい天狗?」

 そこには頭にはメイドカチューシャ、銀髪で、髪を編んで耳の前におろしており、青と白を基調としたメイド服を着た。女性が立っていた。

「あ、どうも、俺、リクって言います」

「私は十六夜咲夜、この紅魔館でメイド長をしているわ」

 咲夜は俺の顔をじっと見つめて挨拶をした

「何の用かしら?」

 咲夜は淡々と答える。

「あ、咲夜さん、今日はあなたの取材に来たのですよ」

 文がテンションを上げてしゃべる

「私に? 残念ながらお断りしております」

 咲夜は面倒くさそうだ。

「あやや、お嬢様から認められた、完全で瀟洒なメイドさんの話が聞けると思ってたんですがね」

「あなたの口車には乗りませんわ」

 咲夜の答えは相変わらず冷たい物だった。

「あの、俺からもお願いできないでしょうか、せっかくここまで来たんですし、あなたほどの方が忙しいと言うのもよく、分かります。なので、手身近に済ませますので」

 俺は頭を下げた。

「……分かりました、今回だけですよ」

 咲夜は溜息をつきながら了承した。

「あのそれでは、あなたはP……」

「おい、馬鹿!」

 俺は慌てて、文の口を塞いだ。

「何するんですか! リクさん!」

「こういうのは順序があるんだよ」

 俺は咲夜の前に出た。

「あのでは一つずつ質問していきますね」

「はい」

「あなたはこの仕事に誇りを持っていますか?」

「ええ、お嬢様に使えることに誇りを持っているわ」

「趣味は?」

「うーん、紅茶を飲むことでしょうか?」

「その髪の色は地毛ですか?」

「ええ、地毛よ」

「じゃあ、好きな人は?」

「えっ、それは、おじょう……って何を言わせるんですか!」

 咲夜は顔を真っ赤にして叫んだ。

「それでは、最後の質問、あなたはPADですか?」

 俺はいけるか? と思った。

 しかし、次の瞬間空気が凍った。

「ほぉ……それは文の差し金かしら?」

 目が笑っていない。怖い

 俺はぶんぶんと頷き、文を指差した。

「その情報は記憶から消してもらわないといけませんね……」

「あやや~ 否定しないってことは、真実なんですかね~」

「黙りなさい、勝負よ」

「いいですね、やりますか?」

 文もやる気満々の様だ。

 俺は慌てて

「ちょちょ、勝負なんて……」

「大丈夫、弾幕ごっこだから」

「弾幕ごっこ?」

 俺は頭を捻る

「まあ、妖怪と人間が対等に争えるようにしたルールのことですよ」

 文がそう説明する。

「話は終わりかしら、行くわよ」

 咲夜は懐からナイフをたくさん取り出して空中に浮かべるのだった。


いかがだったでしょうか?

咲夜というよりも美鈴の(本編では名前はでてきてませんが)の話になってますね。

次回は弾幕ごっこになります。感想、評価お待ちしております。

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