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 シエラ先生の危険物取り扱い教室!  続かない



――――――



「というわけで今日の特訓はお休み。すぐ戻るからそれまで留守番お願い!」


 なにがというわけかわからないが、それがシエラさんの最後の言葉だった……ということは無い。


「あんなに急いでどうしたんだろ? う~ん……戻ってきたらどうしようかな。組合のほういってお仕事探しがいいか。マイホームを手に入れてニートになるために! ……ニートになってでも遊ぶようなものがこの世界にあるのかな……」


 そんなことをぶつぶつ呟く怪しい人になって留守番しつつ手出しても問題内範囲の掃除をするのだった。




――――――



「さて今日も一振りがんばるかのぉ」


 鍛冶屋ばる・ムンクの朝は、


「バウムさん! 世界のために一仕事お願い~~~っ!」


「……朝からどうしたシエラ嬢。世界のためとかわけわからん説明せい。中で聞こう」


 ……


 …………



「拘束具を作ってください!」


「いやまずは説明しとくれ」


 鍛冶屋のバウムさん。ドワーフ族でもトップクラスの腕前。見た目はお爺ちゃんと言えなくもないがまだそれなりに若いため(2個上)(私は四捨五入しても二十台です。これ大事!)、お爺ちゃん呼ばわりするとぐれて今日一日店を閉めてしまう。


「知り合った子の寝相で世界が危ないんですっ」


「どんな寝相かわからんが大仰すぎやしないかい?」


「バウムさん、私が竜族と戦っていたの見たことありますよね」


「あぁ、戦いというか蹂躙というかいぢめというか……初手で張った障壁一枚で攻撃全て防いだだけじゃなくそれで叩き落としておったのぉ……理由を思い出したらムカムカしてきたな……わしらが楽しみにしていたシエラ嬢特製の昼飯を……!」


「その障壁、寝返りの一撃に刹那も保たずに破られました」


「あのでかいとかげは……は?」


 なんじゃそれはな顔されてもかなり困る。事実なわけだし。


「その寝返りをなんとかするためにこれで詠唱タイプの拘束具をお願いします」


「ほぉ精霊銀か。確かにこれはおまえさんでも加工できんが……これが必要なぐらいの事態と見ろということかの」


「できれば今日から着けて寝てもらいたいので……いけますか?」


「わしを誰だと思ってるんじゃ。余裕で間に合わせたるわい」


「ふふ、やっぱりバウムさんは頼りになります」


「煽ててもなにもでんぞ……それと金はいらんぞ」


「でも」


「精霊銀なんぞ久しぶりじゃからの、腕を揮えるいい機会じゃ。……だから今度ご馳走せいよ?」


「はい、これでもかってぐらい一杯つくりますね」


「楽しみにしとるぞい」


「それじゃ、お願いします。戻りますね」


「おう、またあとでな」



――――――



 シエラさんが戻ってきた後、朝食を済ませ組合のほうへ行くと伝えた。そこで思い出したように、


「そういえば……その服、洗浄はしてるけど替えの服は……無さそうね」


「あー……やっぱ女としてはまずいですよね」


 稼ごう節約しようで服に関してスルーしてた。下着は……シエラさんにもらった。サイズがほぼ同じだから、と。下着に対する抵抗? ナンノコトヤラ


 サイズがほぼ同じと言っても自分にあったものは必要と言われ後日買いにいくことに。これは運命これは運命。大事なことなので二回言いました。


 服もまぁどこぞの⑮禁のとあるエルフが着てたものに似てるなぁとか思ったりはしたけど、もしかするとこっちに来た時に脳内エルフ像にあった服を参照されたのかもしれない。プライバシーとはなんだったのか。


「でもねぇ……その服のような特殊な繊維探すの大変かもしれない」


「え? これ珍しいものなんですか?」


「珍しいというか見たことないわ。それに……」


「それに?」


「……いえ、なんでもないわ。さすがにそこまでは無いと思うから」


 なんかすっごい不安なことを言われた気がする。なにかのフラグ建てられたんじゃ……



――――――



 というわけでが癖ですごめんなさいというわけで酒場兼な傭兵組合にお仕事漁りにきましたよ! 魔術士組合のほうじゃないのかって? なんとなくです別にあの子達の報酬金額に釣られたというわけじゃないよええ。


 なので、


「ランク①ですからそれぐらいです」


 この前気持ちを籠めて紙(請求書)を渡していた少年が受付していました。シエラさんの言っていた同郷者で名前はレイくんだそうですよ? 元の名も玲なんとかというそうで即決したそうで。


 受付から二十秒で登録終わりました。組合証は魔術士組合と共有だそうで、登録すると両方のランクが見えるようになるだけっていう。なんでほんとに分けたし。もうおまえらくっついちゃえYO。


 登録してすぐ良さげな仕事もらおうと思って聞いてみたらまぁ……さすがに入りたてのぺーぺーにはいいお仕事もらえそうには……


「リアお姉さま!」


 安くてもがんばろう数こなそうとか思い始めていたその時、リィナが外から入るなりダッシュで飛びついてきた。うん、可愛いね、年上だけど。


「おはようございますっ」


「おはよー」


 キュイー


「もっくんさんもおはようございます」


 もっくんにさんが付いた。まぁ世の中にはちゃん様とかサンさんとかいるし問題ないね。


「おっすミリア! やらないか?」


「おはようございますミリアさん、朝から崖下がすみません」


「二人ともおはよう、相変わらずの残念っぷりに二人に同情しちゃう」


「もうヴィタさんが兄でいいんじゃないかなと、最近その想いがより強くなりました」


 それでも一緒にいるんだからいい関係なんだろうなぁとは思う。カルマのちょっとはいいとこみて……みたくないや別に。……これヨッパに言う台詞だっけ?


「ミリアさん、仕事探しですか?」


「うん、けど安くて数こなしても黒字になるか微妙でどうしようかなっと」


「最初はそんなもんですよ、3人で3年ほどやってますが初期は食費節制しないと野宿確定でしたから」


「ならお姉さまわたしたちと一緒にお仕事しましょう!」


「それもいいですね。ミリアさんがよければですけど」


「俺はいつでも大歓迎状態。一時的なんていわず永久でも!」


「(スルー)わたしたちこれでもランク④なのでそこまでのお仕事なら請けられますよ」


 リィナのスルースキルlvは高そうだ……じゃなくて、ランク④かぁ……おぉぅ、結構いい金額がずらっと……下が五枚の上が四十七枚まで。って、ランク④?


「あれ、みんな思ったよりランクあったんだ」


「お姉さま……あれですよねあれで判断されたんですよねあれは事故なんですっ悪いのは全部兄なんです!」


「一体なにg」


「あまり受け付け前で長話されても困るんですけど」


 レイくんの怒りがオーラになって見えた。笑顔を維持して。やはり受付といえばスマイルかーすごいなーあこがれちゃうなー。


「ごめーん」

「「「すいまえんでした;;」」」


 私が頭に手をやりあははという感じで言ってる傍で、3りがジャンピング土下座していた。……凄い土下座だ。


「……まぁいいでしょう。はい、ではこれをお願いします」


 そう言ってレイくんはヴィタにお仕事表を渡していた。選択肢さん息してない。


「北の丘向こうの平原の魔物が東の村近辺に流れたのである程度の数減らし、ですか。大丈夫そうですね。まぁ……これはミリアさんがいるからってことでしょうね」


「この前、あのランク⑥の人吹っ飛ばした実力を見てですよね……」


「この前? 吹っ飛ばしたって……なに?」


「え? あ、あぁ! 今なにか言いました?」


「なにってふっと」


「リアお姉さま! ささ、はやくいきましょ! はやく!はやく!はやく!」


「わ、わ、引っ張らないで。ちゃんと行くから、ね?」


「「(成し遂げた・・・)」」




 うーん……あの日絡んできた人は別にテーブルに突っ込んだぐらいで吹っ飛ばしたってほどじゃないし……魔物は吹っ飛ばすどころか爆散したし誰も見てないはずだし……他になにかあったっけ?

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