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途中までは一緒に行き、そこから傭兵・魔術士組合へと行くのに別れた。用事が済んだらお礼に夕食をとのことで傭兵組合で待っていると言われた。即答でいえすと答えました、ええ。お金あるといっても借りているわけで節約できる時はしておかないと。
戻ってきました魔術士組合! あれだよね、発音するとまじゅちゅしって言っちゃいそうだよね。でもとある893な偉い人がまじつしっていう風に言うと言いやすいっていってました。ダレダロネー。
中に入るとさっき来た時と同じように受付の人しかいない状態。……時間合わないだけ? 過疎なの? 鯖とうgげふんげふん。
「あ、ミリアさん! おかえりなさい!」
「ただいま~(でいいのか……?」
受付デスクから元気よく手を振る職員の子。そういえば名前聞いてない気がする……聞いても大丈夫かな?
「はい、薬草ね。十セット分あると思うけど確認お願い。あと、名前聞いてもいい? 職員さんって呼ぶのも他にいた時呼びづらいかなーなんて」
「どちかというと大歓迎です! 魔術士組合エスティナ支部所属イリス・シーユです! ……あ、薬草ですね、お預かりしますっ」
大歓迎なのは素直に喜んでいい……のかな。エスティナ支部。つまりここはエスティナって名前の町ってことか! ……知るのが今更すぎた。むしろなんで先に町名聞かなかったし自分。
「……はい、確かに。では銅貨八十枚です。お受け取りください」
「ありがと。あ、あと、この辺でお勧めの泊まれるとこってある? 料金ほどほどで」
「そうですね……一番のお勧めは『シルレン』ですね。美人の女将さん一人で経営してるので大きくはないんですけど料理がこの辺のではないらしいですけど美味しくて、部屋も鍵ついてますし、共同ですけどお風呂もあって料金も一泊五十銅貨だったはずです。人気で、けど部屋数は少ないので空いてることがあまりないんですけどね……。その次が……」
と、三件教えてもらった。三件目はセティが泊まっている月の園。部屋に風呂もついてるけどその分割高な一泊一銀貨。二件目はシルレンと月の園の中間な感じ。名前なんだっけ……まぁ場所は覚えたからいいかな。
「ありがとうイリス。また来るね~」
「また来てくださいね! 絶対ですよ!」
行かなかったら絶対許早苗が降臨しそうだ。まぁ普通だったら薬草採取一セットのみしか受けれなくて報酬五銅貨じゃ一泊もできないし……むしろ一食分あるかどうか? だから明日からもお世話になって仕事請けないとね。薬草採取以外を。
そんなわけで合流してご馳走になる前に先に宿確保の為にシルレンへ向かってます。空いてないだろうけど行くだけ行ってみないとね。
っと、ここだここだ。木造だけど丈夫そうな感じがする。入り口が西部劇? にでもありそうなウェスタン風? 高級そうな店以外の店は大体ウェスタン風? ドアみたいだけど
キィっと木のドア特有?の音をして開けるとカウンターにいる美人と聞いていた女将さんと目が合い……沈黙した。だって美人とは言ってたけどこれはすごい。ナルシーでは無いけどこの見た目もそこそこいいと思っていたけど完 全 降 伏 って言っちゃえるぐらい綺麗でおらもーびっくらだ。黒髪ロングの黒目で優しそうな目つきと雰囲気、ぱーぺきなプロポーション……そういえば今までみた人間全員黒髪黒目だったけど、もしかして種族で髪と目が決まってたりするのかな?
「……っと、こんにちわ」
「……いらっしゃい(綺麗ね……エルフ……とは違うみたいだけど……?」
「あの、泊まりたいんですけど、部屋、空いてますか?」
「んー、ごめんね、今満室なの」
「そうですか、残念。それj「待って!」はい?」
「あなた見かけない顔だけど、この町は今日が初めて?」
「? はい、そうですけど」
「……私の部屋で一緒でよければ泊まっていかない?」
「え? いいんですか?」
節約した今は高い所には泊まるのは避けたいし、けど風呂には入りたい。シャワーでもいいけど。でもこの綺麗な人と一緒の部屋っていいのだろうか。……そうだ男じゃないんだ、だから大丈夫?
「もちろん! ……ところで、その、生物はなぁに?」
「西の森で拾ったんですけど……女将さん知りません?」
ってしまった! 連れてきちゃったし!(今更)って、それよりもしかして、
「あ……ペット、ダメだったりします?」
「いえ、大丈夫よ」
あーよかった。安心してもふ撫でするとキュイキュイ言ってくる。もっくんも安心したみたいだ
「一泊五十銅貨でしたっけ?」
「いいわよ別に。私の部屋だしね。その代わりに明日部屋空くから泊まっていってもらえると嬉しいかな」
「是非お願いします!」
「はい、それじゃ、ここに名前お願いね」
と、台帳らしきものを出された。字、どうしよう。
「……」
「(一応聞いてみようかな?)日本語でも英語でもいいからね」
!?
「え……日本語で……いいんですか?」
「そっか……日本人なのね」
「女将さんも?」
「ええ、この世界に来て四年ぐらいね。シエラ・リーフィエルって名乗っているわ」
「三日ほど前に来ました。「カキカキ……」ミリア・クロノスです」
自分だけじゃないんだと安心したのはやっぱり同郷の話が通じる・できるのは嬉しいってことなのかな。
――――――
「もっくんお願いします。いい子にしててね」
「任せて。いってらっしゃい」
キュイー
美味しいって話のここの料理食べてみたかったけど明日はもう食べられないってわけじゃないしね。なのでさっきの三人パーティーにたk……ご馳走になりにいくのです。傭兵組合にも日本から来た子がいるって言ってたけど……割とそういう人達いたりするのかな?
シルレンから歩いて二,三分の近距離に傭兵組合はありました。ここもウェスタン風なんだけど建物自体はシルレンと同じような材質。なんだけど入り口だけはやたらと安物で脆そうなのは……?
バキョーン と盛大に入り口が破壊されたと共に男が一人吹っ飛んできた。もう少しはやく着いていたら巻き込まれてたかも。
「く……そ……g!?ひぃっ!」
なにか汚いセリフ吐こうとしたところで中から少年が一人現れその男に笑顔を向けた。その笑顔にやたら怯えているようにみえる。はて?
「はい、僕からの気持ちです。受け取ってくださいね?」
「い、いや、これはあいつにも責任「受け取ってくださいね」はい……」
「解っているとおもいますが、踏み倒した場合指名手配されますのでお気をつけください。期限は二ヶ月ありますから安心してください」
「……これちょとsYれならんしょ……前より増額してるとかこれ書いたの絶対忍者だろ汚いなさすが忍者きたない」
ラブレターかと思ったら請求書だった。あそこで無言で顔赤らめて受け取って去れば薄い本もできただろうに……誰得。
少年が中へ戻る途中こっちを見、笑顔を向けていった。
……あれに騙されるのはいっぱいいそうだなぁ。あの子がその日本人な予感してきたよ、なんかこっちにくると美形になるって特典でもあるのかな?
醜いよりは美形のほうがいいっちゃいいけど、中間はないのか中間はっ
壊れたドアはSATEOITE、中に入るとまぁなんだ、これこそ荒くれ者の溜まり場! ……といったことは無く、飲み食いもできるからか、今日の締め的なノリなのか、騒がしくはあるけれど壁も地面も綺麗でさっき人が飛んでいった建物の中とは思えなかった。というよりはどう見ても居酒屋です。本当にあ……りがたくねぇ……酒の匂いもお断りしたいぐらいなんだけど……
入ると癖なのかなんなのかほぼ全員がこっちを向いた。いきなりな沈黙も華麗にスルーして三人を探す。っと、窓際にいるのを確認しそっちに行こうとした時、
「よぉ姉ちゃんべっぴんだな! ちょいこっちきって飲もうぜぇ」
「待ち合わせあるんで~」
どうよこの軽やかな捌き具合! ……全然だめ? まぁわかってた。
飲んでるからなのか、粘着質なのか、寄って来て絡んでくる。
「いいじゃねぇかよちょっとぐらい、なぁ! おごってやるからよぉ」
酒くさいタバコもあるのかくさいくさい。更に近づいて肩を掴まれた。お腹空いてついイラッ☆ときてその手を打ち払った……ら、ちょっとという感じじゃないボキィみたいな音がし、更にちょうど空いていたテーブルに突っ込んでいった。
「ってぇ……て、な、折れて……ってえええええ!?」
やりすぎた? …………これは正当防衛(キリッ
「っのアマァっ……t……え、あ、あの」
「僕の気持ちです、受け取ってください」
さっきの少年が紙を突きつけていた。あ、あれ? こっちにもくる……かな……テーブルさんェ……
「で、でもですよ! 今のは」
「先にちょっかいかけようとしたのはあなたですよね。ここは傭兵組合なんですから……わかってますよね?」
「は、はい……精一杯がんばり払わせていただきます……」
「お大事に、身体は資本ですからね」
笑顔を絶やさず、けど手当てなんてすることもなく見送る。これは……お手本にするべきか。
「あ、えっと、私も払うんですよね」
「え? そんなことありませんよ?」
支出が無いのはありがたいんだけどそれでいいのかと疑問に思っていると横手から声がかかってきた。
「リアお姉さま! こっち~!」
「リィナ、さっきぶり」
答えて三人のいたテーブル席に着くとまたさっきまでのにぎやかっぷりが戻ってきた。ただし聞こえてくる内容の⑨割は私のことに関してなのは可能な限りスルーすることにした。