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「我等エルフは金髪碧眼以外いないのさ」


 町を金髪いけめんエルフに案内されなう。イケメン爆ぜていいとおもう。


「えっと……それじゃぁ、私は……なんなんでしょ?」


「いや、それを聞いているんだが……」


 聞かれても知らないものは知らない。……あ、自分の種族がエルフじゃない云々どころか名前考えてない。


「ふむ、まぁいいか。それより自己紹介していなかったな。我はセティアス・アネイト。セティでいい」


「(いいのか!)私は……」


 名前。これはきつい。なんかアニメでもゲームでもいいから……


「……ミリア・クロノス。ミリアでもリアでも呼びやすいほうでどうぞ」


 今この世界にいるのが偶然の積み重ねなら、妥当な感じはする。たぶん


「ミリア、か。いい名だ、k……よろしく、ミリア」


「よろしくセティ(今なにを言おうとしたのか……?)」



 歩き回り店や組合のことを教えてもらった


 武器や防具・旅に必要な道具類を取り扱う店が点在してること。武器・防具・道具で店が分かれていたりしないのはあくまで売る場所であるということでわざわざ分ける理由がないからという。そんな店が複数あるのはいつどこにでも発生しやすい独占販売防止とのこと。


 組合は傭兵や魔術士の仕事・研究・情報収集等必要に駆られてつくられたもの。町や首都?、場所によっては村にもあるそうな。必要に、とは、まぁ大人の事情やら頭の良い悪い学生の手ごろな就職先等々。


「その組合って、私が行ってもお仕事もらえたりする?」


「ん? あぁ、それは大丈夫だが。傭兵組合は荒事だらけ。魔術士組合は研究材料集め、と称した荒事だらけなんだが。何故?」


 どっちも荒事しかないのか!


「何故って……お金無いから」


 そう言うと両手でガシッとこっちの両手を掴んで詰め寄ってくる。


「君を一生養わせてくれ」


「いいです、大丈夫です、お断りします」


 即座に却下するとズーンと落ち込まれた。そのイケメンなら(性格もよければ)いい人見つかるだろうに。なんでこんな男女を選ぼうとしたし。釣れる見た目? それで寄ってこられてもなぁ……


「き、気が変わるまでいつまでも待ち続けよう!」


 マエムキダナー セティの気がはやく変わってくれることを祈りますよ。


 組合はあれか、冒険者ギルドを分割した感じか。たぶん。でも両方荒事なら受付だけでも一緒にしてもいいような?


「そうだ、全く無いのも困るだろう。少しばかりだが受け取ってくれ」


 そう言って二十枚程の銀貨と三枚の金貨……を、袋に入れて渡された。無一文だしもらえるのは嬉しいけど告白みたいなものを断ってすぐにもらうのってどうなの?


「ありがたいんですけどさすがにもらうわけには……」


「なら貸しということでどうかな? いずれ返すということなら問題あるまい」


 それならまぁ……問題ない。の、かな……? まだもうひとつ問題が……


「あの……硬貨の価値が……さっぱり」


「……」


 さすがに全く知らないって不自然……だよねぇ。


「君は……どこから来たのかな?」


「あー……えっと、あそこに見える丘の」


 あ、この場合海の向こうとかのほうがよかったのかな?もう遅いけど。嘘はよくないよね! ……名前? あれはのーかうんと。


「あの丘か。あそこにはなにもなかったはずだが」


「森の泉近くに居て……三日前より前の記憶はありません」


 記憶喪失設定でどうなのって思うけどこっちの世界での記憶はそれ以前なんてないわけだし、まぁ間違ってはいない、はず。


「記憶がない? いや、あの丘に森? 泉? ……聖域か!」


 へ? は? せいいき? ……聖域? 確かに虫一匹見かけないとか変わった場所とは思ったけど。それでもなにかいるような気配はあったけど。なんで気配なんてもんがわかるのかわからないけど!


「あの……聖域って?」


「聖域はこの世界にいる種族の数だけ、ただし種族毎にひとつだけ存在する精霊が守護する領域だ。他種族の聖域には入ることはおろか見ることも不可能だ。我等エルフ族の聖域はここから大分離れた場所にある……」


 ほへ~っと感心する。……つまり完全にエルフじゃないってことが判明しちゃったわけだ。


「……」


 なにやら考えてらっしゃる。なにかわかったのかな? それともわかる手段でもあるのかな?


「あの~……?」


「あ、あぁ、すまん。……我は一週間ほどこの町に滞在する。『月の園』という所にいるから用があれば来てくれ。用がなくても大歓迎だが。それと」


「それと……?」


「よければだが、町を出るとき我がエルフの里に来てみないか? 自分の素性を調べたいと思ったら、だが。族長ならなにか知っていることがあるかもしれん」


 エルフじゃなければなにか……か。確かに知ってみたくはある。けれど、


「ん~、今はやめておきます。知りたくはあるけどまずは……ちゃんと生きていけるようにしたいですから」


「……わかった。気が変わったら言ってくれ」


「色々ありがとうございました」


 別れる前に硬貨の相場を教えてもらった。危ない危ない。



「まだ日は高いし、組合いってみるかなー」


 どっちから行ってみようか悩んでるうちに魔術士組合の近くまで着てるのに気づいて入ってみた。


「……へ~」


 外はシンプルに四角い……長方形な石作りの建物。中は質素……じゃなくシック? まぁ落ち着いた感じが中々。こういう雰囲気の喫茶店とかいいなぁ。とか、喫茶店やるのもいいなぁけど客側がいいから無いなぁとか思いながら中を見渡す。


「? あの~」


「あ、あぁ! すみません。えっと、ここなにかお仕事もらえるんですか?」


「え、あぁ、はい(綺麗な人……そっちに目覚めちゃいそう)」


 職員さんの見る目がなにか怖い。なにかやっちゃった?


「え~、当魔術士組合で販売しているポーションの材料になる薬草等の採取はどなたでもいつでも受付しています。が、その他研究材料等は主に魔物の部位が必要になったりするので危険がともなうため組合証の発行が必要になります。組合証にはランクがあり現在ランクより一つ上までのものしかお任せすることはありません。ランクは成否により上下します。……一応決まりなのでいいますが、傭兵組合もランク制で、あちらも魔物を狩りますが武具の素材集めや討伐すること自体がメインになることもあります。あとは護衛ですね。護衛と魔物狩りはこの町では半々ですが場所によりかなり偏ったりはします。ランクは特定の魔物を一人で倒せば上がる。といったところですね(その肌に傷つけるような存在はこの私が排除しますが!」


「わ、わかりました(仕事熱心なのかな?すごい張り切りよう……しかし長い! そんな一気に言われても!」


 さて、どうしよう。とりあえず受ける?


「えっと、薬草採取でも。あと一応登録もできますか?」


「はいっ登録ですね。では……よいしょっ……こちらの水晶に手を置いてください」


 この水晶がなにか読み取ってくれる……のかな ポンッ と


「…………はい、いいですよー。あとは、お名前をどうぞ」


 やった! 書かなくていい! よかった……ここに来るまで周囲見ても読めない字ばっかだったし。


「ミリア・クロノス。です」


「みりあ……くろのす……はい……あれ?」


 あれ? ってなに!?


「なにかおかしいことでも……?」


「うーん……魔力量表示がされないんですよ。あ、魔力量といっても細かくというわけじゃなく一から三十まで大雑把にランクみたいに分けられてるんですけどね」


 表示されないって……ありすぎるのか全くないのか……?いや無いってことはないか。身体にも大気中にも魔力たぶんを見えるし感じられるし。


「まぁ登録に問題はありませんし魔力量のランクはあくまで個々人の為の情報なので、それを仕事の請負等に影響されたりはしません……はい、お受け取りください!」


 そう言って出されたのはぺらんぺらんなカードサイズの紙。……簡単に破けそうなんだけど。


「破けやすくはありますけど水は弾きますし破けたからといって使えなくなるというわけでもないので安心してください。再発行もすぐできます。……銀貨十枚かかりますが指輪タイプにすることもできますが……どうします?」


 っと、たしか銀貨一枚で一万円ぐらいの価値だったような……金貨はあるけどいきなり手持ち銀貨半分になるのもまずい、か。


「いいです、余裕ができたらお願いするかも?」


「わかりました。後、薬草採取でしたね。薬草は西の森にあります。……これですね。葉の部分だけで大丈夫です。特に期限はありませんし成否も問いませんので気楽にしてください。ただ」


「ただ?」


「最近南の魔物が西の森にうろついているのを見たという話があるので、危険だと思ったら逃げてくださいっ。それとその魔物の話で今これを受ける人が少ないので普段銅貨五枚の一日一セットまでのところを八枚十セットまで受けます! 是非私が受付しているときに持ってきてください!」


「う、うん。ところで、その魔物って、強いの?」


「あ、っと、そうですね……この周辺のでしたら十歳くらいの子でも勝てるものから傭兵見習いぐらいじゃ勝てないものまで……ですね」


 すっごいわかんない! てか傭兵見習いが勝てない……のはともかく、子供が勝てる魔物って……なに?

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