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「さて、と。どっち行けば合流できるかな? むしろどっちから来たのかわからない……」
とりあえずは謎の半透明で薄青い子供大のなにかはあやすことに成功した! ……嘘ですさーせん。全部もっくんのおかげです。幽霊っぽいなにかとも意思疎通できるもっくんまじ尊敬。もうもっくん旦那でいいんじゃないかな? ♂♀あるのかわからないけど。
必死? の説得? あって悲鳴は止まってくれたけどまだがくぶるはしていた。
幽霊かはわからないけど半透明ってことは存在が物理より精神に寄ってる、つまり虫除けの魔力放出に反応しているんじゃという(久しぶりに頭使った気がする)予想は見事ひっと! 放出止めたら震えがぴたっと止まったよ!
というわけで近寄って頭? をなでなでとしてみた。触れることに疑問は持たない。魔力ある世界に見えるのに触れられないなんて存在なんて許さない(キリッ
どうせだからと抱き上げてみた、軽い、なにかあるかなーぐらいに軽い。さすが幽霊もどき。
それよりも、だ。
放出止めたらちょっと寒くなったから早く合流したいでござる。もし、立ち回らないといけないようこと、を考えてカオスさんドレスから着替えちゃったから外套あっても足からの冷えがちょっときつい。
冷え性なのか……この森が寒いのか……時期的にそんなもんなのか……
「うーん……もっくん、どっち進めばみんなと会えるか、わかる?」
キュイッキュイー!
一鳴きして浮かびあがり、こっちだぁ! ○前! と言わんばかりのオーラが漂っている。気がする。
ならば乗ろう! この紅の波に!
「せっかくだから! 私はこの黄色いもふもふについて行くよ!」
あれだよね、寒ければ暖めればいい。暖める物が無いなら走ればいい! ……とはいかないよなぁ……この体になってから物理的に動いて疲れるようなことになったことが無いから走れば暖まるとか暗示レベルな気がする。
それ以前に暖まるぐらい気合入れて走ったらちょっと自然破壊で済まないことになりそうな気がしないでもない。
歩くこと二分。否、二時間。たぶん。
ここの聖域みたいに泉でもあるのかなーとか思ってたけどずーっと森が続いてる。寄り道しようとか思ってるわけじゃないけど道とも言えないとこをかきわけて進むのも中々めんどくさくなってくる。
…………よし、
「もっくん、進行方向はこのまままっすぐでいい?」
キュイー!!
「いいっぽいね。ちょっとこっち来て後ろに居といてね。……すーーーー……はーーーー……」
前面に縦横十㍍の壁作成! そしてちょっと力入れて叩いて道作る! ローラー作戦?
「しょーげきの~~~~…………あれ?」
拳を振りかぶり始めたところで大気中の魔力がうにょうにょと動き始め……モーゼの十戒? の如く道らしきものが出来上がったよ? 森に意思があるのか意思あるなにかが森に干渉したのかはわからないけど、
「最初からやってくれればいいのに……」
何様発言な気はするがそれはそれなのだ。そんなことよりも今ので抱きかかえてた子がちょっとがくぶるしてしがみついてる。反省反省。てへぺろ☆
……
………………
大分歩いたようなそうでもないような状態ではあるけど、とりあえず、
「あの辺が境目、かな。気にして見ると多少魔力の流れが違うやな」
普段気にしない癖に、もっくんが先導しているのに、なんで今は気にして見てるのかって?
あれですよ、気にせず歩いてみんなと合流して上半身半脱ぎ状態で、とか。恥ずかしさの余り野郎共を血の海に沈ませる作業に入らないといけないしね?
まぁ恥ずかしいと言うよりは見せるなんてとんでもない! 的な。シエラさんとリィナには、あれだ、露出狂とか思われたくないし?
半脱ぎ理由はあれですよ、なりゆきというか流されやすい日本人体質というか、気づいたら脱がされて吸い付かれていただけですよええ。吸い付かれるまで気づかないとか鈍い気がしないでもないけど、子供大とは思ってたけど六十㌢ぐらいだとまだそんな時期な年齢かなぁとか考えると引き剥がすのも……それにこうしていれば落ち着いててくれるなら別にいいかなぁとか。ネトゲ廃人はみんなM気質(キリリッ
でもまぁ、
「ついここまで連れてきちゃったけどたぶんこの森に保護者的ななにかい……た?」
きょろきょろっと辺りを見回していると大人サイズの炎っぽくゆらめいてるなにかがでてきたよ? 保護者でいいのかな? いいよね? 答えは聞いてない!
一応受け取ってくれたし、特に嫌がるそぶり? も無かったし、たぶんいいはず。とりあえず、
「お邪魔しました?」
なんか疑問系になった。
「下位のもの、が、お手数おおか、け、しまし、た」
かい? ……まぁいいや、よくわからん。途切れ途切れではあるけど普通に喋れる人(人?)でよかったよかった。
おっし、ちゃちゃっとみんなと合流だ! いやほんと迷惑かけまくりだ。
――――――
「よ、お疲れさん」
「ノームダー」
「こら、ノーム様でしょ!」
「様なんていらねぇって。おめぇらみたいに上下関係あるわけじゃないんだしな」
「ですが精霊王様が自分の同格の精霊と。それに森へのあの干渉力はさすがとしか」
「同格だからって分類違うんだから。あれは干渉しなかったらやばいだろ。……まぁそれはいいや。それよりびびりすぎだろさすがに」
「あれはっ! その……無理です!」
「開き直ったな……人型維持できないぐらいびびらなくてもなぁ。一応上位精霊だろ。て、あぁ、おまいら名前は?」
「クアー」
「メルグです」
「あれだ、クアー」
「ナンダー」
「……よくやった! おかげでいいもん見れた! これでしばらくやっていける!」
「『保存しますた』」
「ちょ、メルグおま」
「妙なこと言ったらこれで記録しておけと言われまして」
「誰にだよ……」
「シャドウ様とルナ様です」
「な……あいつら……来てるなら教えろよ……ったく」
「ノームヘンナカオシテルー」
「しっ、クアーいけませんよ。元々ああいう顔なんですからそれを変だなんて」
「おま……何気に酷いな……」
――――――
森を抜けたら森でした。……一応道はあるし馬車も……馬車?
「おかえり、間に合ってよかったわ」
後ろ戸を開けてシエラさんがこんにちわ。さすがシエラさん気配察知もお手の物。
「リアお姉さま! 無事でよかったですよ!」
続きリィナも出てきて飛びついてきた。迷子でごめんね。
「ギリギリでしたね、六日もどうしてたんですか?」
「え?」
ヴィタになにか変なこと言われたし。むいか? 六日?
「六日って六日だよね。はぐれて数時間の間違いじゃ……?」
「……ミリア、森に入って十数えて戻ってみて」
「? はい」
なうろーでぃんぐ…………
「……そこの森、時間経過が違うみたいね」
「そうなんですか?」
「ええ。まぁいいわ、置いていかずに済む範囲だったしね」
「置いて……あ、闘技祭」
あれ? 馬車で一週間とか言ってなかったっけ……おわた?
「まだ間に合うから心配しないで大丈夫よ。言ったでしょ、馬車で、ゆっくりペースで一週間って」
「え~と……」
「言ったの。それでも遅くても前日には着いておきたいから……ミリア、手伝ってね」
「はーい」
私が手伝えること、なんだろ?
「それじゃみんな馬車内入ってね。馬も一緒に乗せちゃって」
六人と馬一頭。入りはするけどさすがに狭……くは、無い、な。でかい馬車やでぇ……
「ミリア、結界張るから引き継いで」
「はい……おっけーです」
「慣性制御してるから大丈夫だとは思うけど、一応どこかに掴まっておいてね」
どこか……掴まるところ……
「リアお姉さまに掴まってますですよ!」
うん、後ろからがっしりと両腕毎掴まるというか抱きしめられた。もう掴まるの選択肢が存在しなかった!
「シエラさん、どうするんですか?」
「この前ベッドを飛ばしたのと同じことするだけよ」
空飛ぶベッド改、空飛ぶ馬車!
「よし! リィナ、外眺めよ」
「はいですよ!」
話しているうちに既に空を高速で移動していた。なるほど、今までの移動速度からしたら圧倒的な時間短縮だ。それでもこれをしないでゆっくり行こうとしたのはやはり旅の醍醐味ってやつやな。
「現地に早めに着いて観光か悩んだけど、ミリアに色々と道中の景色見せたかったのよ」
「ほんとありがとうございます。迷子してごめんなさい……」
「いいからいいから。それであの森はなんだったかなにかわかった?」
「えと、幽霊っぽい子はいました」
「幽霊、ねぇ……どんなの?」
「半透明で、人の形してて、子供ぐらいの大きさのや大人ぐらいの大きさのがいて、色は青っぽかったり赤っぽかったりで炎みたいにゆらゆらしてて……あと……普通に会話もできました」
「…………それって精霊じゃ……」
精霊! その選択肢があったか! 言われてみればそんな気がしないもないかも!
「いや、全然気づかなかったみたいな顔されても」
さーせん。
「精霊の森、ね。聖域より範囲が広いと思ったらそういう……」
「広いんですか?」
「これ見て」
どこからともなくたぶんこの大陸の地図がでてきた。
「聖域はこれくらい。で、あの森が……これくらい」
倍、もうちょいあるかもしれない。てか、
「どうやってこれ計測したんですか?」
「前になんとなくで。勢いで作ったわ。反省はしていない」
シエラさんのお手製らしい。むしろ納得した。こんな大雑把な世界で正確な地図を作ろうと思う人が!? と。
「そういえば、シエラさん達は待ってくれてた間どうしてたんですか?」
六日間もあんなとこで寝泊りさせちゃったってことだよね……
「食事と近くの小川で水浴びする以外はずっと馬車の中に引きこもりね」
「え…………え?」
「一緒に水浴びしたかった?」
「いあ、そっちじゃなくてその、なんで馬車に」
「あの辺りの魔物はランク⑦以上しかいないのよ。だからもしが無いように出歩かせずにずっと結界張って、ね」
なるほど、シエラさん以外はきついってか死んじゃいそうだ。……あれ?
「維持系魔術って疲れるとか聞いた気がするんですけど」
「これぐらいの消費なら私たち、は大丈夫よ。でもさすがに睡眠は普通に必要だからその間だけ頑張ってもらったけどね」
私「たち」か。たぶん私が含まれているんじゃなくて、シエラさんに近い力を持ってるorシエラさんと同じく転生? してきた知り合いを引き合いにだしてるってこと、かな。たぶん。
「ミリア、この結界寝てても維持はできる?」
「ライン繋げてれば勝手に必要分供給されるんで大丈夫です」
「それ大丈夫なの? 疲れたりは?」
「特になんとも。魔力が流れている感覚はちゃんとあるんですけど減ってる感覚が全然しないんで」
「そ、そう……それじゃちょっと仮眠させてね。この速度の慣性だけで着けるはずだから」
「はい、よければここに乗せてください」
「借りるわ、ありがとね」
「私にも片側ください!」
「どーぞ」
「俺にも膝枕を!!」
「もう両方埋まってるけど」
「時既に時間切れ俺はこのまま骨ぬなる」
「カルマまで横になったら場所に困るんでもっと端でorzしててください」
「orz」
「こういうのもいいもの、か……?」
――――――
「ふえ?」
なんか跳ねたような気がした。ぼふんっと。今のは着地したってことかな?
…………着いたみたい。結界を意識してみるとなんか外の景色が流れ込んでくるし。シエラさん結界一つに色々仕込んでるなぁ。
「シエラさん、リィナ、起きてー。着いたよー」
「はふ……ぁ……おはようございます……おねえさまぁ……」
「おはよ」
「んっ…………あら、ごめんなさい寝過ごしちゃったわね」
「おはようございます、私も寝ちゃってたみたいです」
「おはようミリア。(……寝てた……ここ、死後の世界じゃない……わね。まだ、生きてる。寝返りミンチにならずに済んだのね。油断しすぎたわ……)……さ、町の入り口近くまで来てるはずだから馬外に出して行きましょう」
おはようの後になにか表情がぴくぴくしてたけどどうしたんだろ?
「シエラさん、大丈夫ですか? 枕があわなかったとか」
「大丈夫よ。気持ちよく眠れたわ」
ほむ、気のせい、かな?
――――――
「泊まるとこは任せてゆっくり見て回ってらっしゃい」
「「「「はーい」」」」
「シエラ、我もゆくぞ」
「うん? あぁ荷物持ちね」
「……あぁ」
馬車は町の入り口に置いてきている。いやだっていっぱい人来てるしね? 町の外にそういうとこ無かったら馬車・馬だらけになっちゃうしこんなに人いると町中で乗り回したら危ないしね。
てかリィナもヴィタもカルマも、それぞれ別方向に視線がいってる。視線の先に何があるのかはともかく気になるようなものがあるらしい。ならば!
「んじゃとりあえず別行動で! 夕飯までには合流ね!」
「「「待った!!」」」
「ふぇ?」
揃って止められた。なにゆえェ……
「ちゃんといつ、どこに、待ち合わるか言ってからにしてください」
「お姉さま一人でふらつくとか悪い虫がいっぱい寄ってきちゃいます!」
「よろしい! ならばボディーガードだ!」
「待ち合わせってかシエラさんのとこに着けるように昨日……じゃない六日ちょっと前か。実験した結果シエラさんとはいつでも連絡とれるから大丈夫! で、リィナ、悪い虫ならそこに」
「そうですね、兄さんが一番危険ですね」
「くっ……これが人種差別か……!」
「変態って人種ってことですね、わかります」
「……昔の兄さんに戻ればいいのに」
「……あの頃のカルマは帰ってこないんですかね」
「ん? どうした?」
「「なんでもないです」」
リィナとヴィタが遠い目をして昔を懐かしんでるぽい。なにかあったんだろうけど……まぁ今する話じゃないやな。そのうち機会があればその辺のこと語ったりするかもだしね。
さて、と。闘技場目指しつつ見て回ろうかな?
――――――
おぉぅ……ここが闘技祭のメイン会場の闘技場……近くで見るとでかいのぉでかいのぉ。
きっと東○ドーム二、三個分。きっとそう。
受付と本選のための何かは今日やるみたいだが、まぁ観戦一級の私にそんなのk
「そこのお嬢さん! 俺のハーレムの一員に招待しよう!」
……関係ぬぇ。どこからともなく聞こえた声はたぶん私に対してでは無いだろう。だといいけど。
――――――――――――
ふっふふふふ……
「ふーははははhげほっごほっ……」
ふぅ、いかんいかん。つい余りの浮かれ具合に咽てしまったよHAHAHA。
ついにこの日が来た! ランク⑩になって一気に知名度アップ! そしてこのイケメンでハーレムを築き上げる!! ファンタジー世界に生まれ変わって十七年、特典らしきチート能力で地元のランク⑨や元⑩の偉そうにしていた連中も余裕でぶっ飛ばした。ランク⑨になるのも速攻だった。ありがたいことに、前世のフツメンさよならこんにちわイケメン。まじ感謝>>両親
ここまでお膳立てがあったらこれはもう俺にハーレム王になれという運命! そう! 英語で言うとデスティニー! この世界での魔術+俺のチート能力で障害なんて無いも同然!
さぁゆこう、我が栄光の道へ!
……というわけでカカッっと闘技祭の受付しにきたんだぜ。しかしうようよと有象無象がいるな……めんどくせぇから全員予選落ちしてくんねぇかな? ……む? 俺の嫁レーダーに反応あり!?
……ぱねぇ、まじぱねぇ! 流れるような銀髪、先細りな長い耳……エルフ? 宝石のようなグリーンの瞳、外套の色センスはさておき、緑色の服上下、下は見えそうで見えない鉄壁スカート、上はボタンが留められないのか? 谷間が見える。突っ込みたいぜ。なにを? ナニかをだな。見事な巨乳! 引き締まったウエスト! ほどよい感じのヒップ! 俺のチートその一、スカ○ターの出番か! 上から……きゅ……くっ、故障だと!? いや、それほどの戦闘力ということか!
ならば誘うべきだろう、俺のハーレム第一号に!!
「そこのお嬢さん! 俺のハーレムの一員に招待しよう!」
エルフっ娘はこちらを見、きょろきょろと周囲を見渡し……見なかったことにされたっぽい。って!
「ちょ、待てって……!」
俺はこっちに振り向かせようと肩を掴み軽く引っ張ろうとした。
――――――――――――
道端で、妙な宗教勧誘に出会ったらどうすればいいか。あんさー、全力でスルー。
なので無かったことにして観光に戻ろうとしたらなーんか待てとか言われて肩掴まれちゃいましたよ? 面倒とは思いつつもしつこそうだからとりあえず相手をしようと掴まれた方とは逆から向いたら、うん、なんかタイミングが悪かったのか、掴んだ肩を引っ張って振り向かせようとしたのか、それに私が微動だにせず、更にそこで逆から向いたからこっちが引っ張ったようになって……なんか顔から突っ込んできましたよ? 胸に。ま た か!
「ふぐっ…………」
どうしようか、みんなとは別行動で闘技場見に来たけど、こういう時の対応法聞く相手がいないでござるよ。でもこれ放っとくのも嫌だしなぁ、とか思っていたら離れてくれた。よかったよかった。ミンチ案しか思い浮かばなかったからね!
「これが……もうすぐ俺のものに……」
だめだこいつはやくなんとかしないと。起きたまま寝言を言うとか器用な……
「さぁ! 俺のはー「却下」れ、何故だ!?」
「むしろなんで大丈夫と思ったのか」
「ほら俺をよく見て!」
じぃ~っと見るがただのうざいイケメンにしか見えない。他になにを見ればいいんだろうか?
「……明日だ」
「へ?」
「明日、俺はランク⑩になる。その時改めて迎えにこよう! 俺の力をよく見ておくといい!」
つまりあれか、自分は強い、いざとなったら実力行使にでるよ! ってことか。うざいうえに我が侭ぼーいだ。
さて、どうするか。今の変人が勝ち抜くだけの力はもしかしたらあるのかもしれない。なら、シエラさんに頼んで最後の最後で阻止してもらうのも……さすがにそれは……最終手段にしよう、うん。となれば……
私も出て阻止すればいい! かな?
面倒とは思いつつも粘着されるよりはいいかと受付に行くのであった。まる。
―――これがまさかあんな悲劇のはじまりだったなんて……原因さっきのうざい人のせいだけど。
――――――
というわけで登録しちゃうよ! ただいま順番待ち。割とランク⑨っているもんだ……
が、流れがはやすぎてあっという間に順番がきた。て、あれ?
「レイくん、ここでも受付やってるんだ」
「をや、ミリアさん。ランク⑩への挑戦登録ですか?」
「え、うん。ちょっとあってね」
「そうですか。では登録します、いいですね?」
「うん、よろしく」
「……登録完了です。その通路の奥へ行ってください。突き当たりを右に行けば予選会場です」
「はーい、いってきま~す」
受付姿が似合うレイくんである。ただ、なんだろ? 笑顔をいつもより黒く見えたような……
「……行きました、ね。これは嬉しい誤算です。まさかミリアさんが来るとは……かもねg。スタッフさんこっちに! 緊急業務連絡です。明日の予定を大幅に変えるので関係者に…………」
――――――
はぁ……ため息すると幸せが逃げる? どん底まで来たと思うからもう減りようがないと思うんだ。……はあ。
それもこれもあのうっざい男のせいで……最初からシエラさんに頼ればよかったかな。てかなにあの予選!? 無理げー過ぎるんだけど! 威圧が使えてれば大丈夫だったんだろうけど。普通のランク⑨なら使えて当然だから適切な予選なのかもしれないけど……なんちゃってランク⑨大量だったみたいだし。
はぁ………………
「おや、ミリアさんどうしたんですか? 大分沈んでるみたいですが」
「ヴィタ……ちょっと、ね」
「宿へ行きましょう。いい時間ですしね。……いつでも相談にのりますよ」
「……ありがと」
でもあまり話せる内容じゃないし……むしろ知られないようにしたい。切実に。
宿に着いたら……
……
…………
「しえらさああああああああんっ」
「どうしたの? 落ち着いて、なにがあったのか話してみて」
「その………………」
「……登録しちゃったのね。で、予選の罠にかかっちゃったと。まぁそっちのほうは罰ゲームと思ってがんばって。それには口出しできないからね……。で、そのハーレム云々言ってた子の名前は?」
「何も、言ってませんでした」
「そう……まぁそこまでうざいと思えるぐらいなら見ればわかりそうね。それはなんとかするわ。性格難ありそうだし」
しかしシエラさんに頼りきりである。なんてだめ人間。
「気にしないでいいのよ? 言ってくれた方が助かるんだから。ランク⑩に昇格してから難あり、で降格させるのは結構手間かかるの」
ほむ、そうなのか……
「シエラさん」
「うん?」
「お願いします」
「お願いされました」
少し楽になったけど、けど! 罰ゲームの内容が……あのユニフォームという名の……そうだ、
「あの、シエラさん。申し訳ないんですけど、白の下着、ありませんか……?」
黒よりは目立たないはず。一応駄目元でもっかい服変更聞いてみよう……




