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「はじめまして。セティアスの姉のティリス・アネイトよ。弟になにかされなかった?」
改めて姉弟と言われると、なるほど、と言えるぐらいには似ている部分はある気がする。物腰柔らかい感。セティにはきつそうだけど愛の鞭ですねわかります。
「えっと、お世話になります、ミリア・クロノスです。されたと言えばされたのかな……? 町で会った時、町のこと聞こうとして告白紛いのこと言われたりとか……あと、さっき胸揉まれました」
「ちょ……あ」
「^^##」
「^^;」
らうんど つー ふぁいっ(ひとごと
「滅殺です。ごめんね、不快だったでしょう?」
「大丈夫です、気にしてませんし」
力の差は圧倒的にさすがって感じかな?現在セティは地面に垂直にめり込み中。選択肢にこの剣を抜きますか? とか出てきそうな雰囲気さえする。
しかしエルフの聖域って、来た時に居た所と差異が無い気がする。他の聖域もそうなのかな? まぁ話しが本当ならそもそも見比べができる種なんていないってことだった訳で……どういうことなんだろうね?
時折こちらを見ては少し震えたりしているように見える。う~ん……極悪な人相はしていないと思ってたけど……泉に映る自分を再度見るがあれから顔面変形していたりとかはしていない。
そうか、きっと謙虚なオーラが足りてないからだ! ……それってどうすればいいんだろうか。
「と、ところで姉上」
「なにかしら?」
「何も疑問は無いのか?」
「何が言いたいかさくさく言いなさい」
「……ミリアはエルフじゃないんだが」
「それが?」
「ここには入れないと思うんだが……」
「……細かいことはいいじゃない。ミリアちゃん可愛いんだし」
可愛いとか言われた、そんな幼く見えたりはしないと思うんだけど。エルフ視点で言うとそうなるものってことなのかな?
――――――
そんなこんなでまた聖域で三日間ほど過ごしましたよ。なんかそのうち聖域に家建てて住んでそうな気さえするよ! ……という妄想をすることで今日までベッドで過ごしていた間、ここにゆっくりしに来た複数の無関係なエルフさんの好奇というか奇異の視線に晒されてたという現実を華麗にスルー! ……ベッド持ち込んで寝泊りしている変なやつですいまえんでした;;
ここまで見たエルフ全員それなりの見た目、これが種族格差……!
この期間、ティリスはここで一緒に寝泊りしてくれて、セティは毎日3回食事を運搬してくれました。どこからどれくらいの距離運んできたのかはわからないがありがたやありがたや。
その間、もう少し砕けて的なことを言われ、とりあえず呼び捨てで呼ぶことに。セティアスをセティって呼んでるんだからいいじゃない、と。
朝、もうだるい感じがなくなってこれからどうしようかなーとぼーっとしていたら、
「もう大丈夫そうね、安心したわ……(シエラさん、いくら聖域のほうがいいからってあの魔力は怖すぎですよ!?」
本当に物凄く安堵しているティリス。そんなに心配するような状態だったんだろうか……?
「ありがとうございましたっ」
ちゃんとお礼を言う事で充実した異世界ライフが認可される!
「一度村へ来ないか?」
セティがそんなことを言ってきた。そんなに! エルフの美形自慢をしたいのか!?
と、そんな被害妄想をしていた時期があってすいまえんでした!
歩くこと何時間ぐらいだろうか、疲れる気配が無いからなんともいえない。セティがあそこだ、と指した先を見れば……物凄く普通な村にしか見えなかった。エルフの……里って言うから……森の……住居と言ったら……自然と一体感な感じで家もでっかい木の中とかそういう風な……いや、それは別に割とどうでもいい。
だって、あれよ? 今まで目にしてきたエルフが例外だっただけでした! ってぐらいに。エルフの種族特徴が金髪碧眼と長い耳ってぐらいしか判断するところ無いってぐらいに!人間と大差ないって……っ
井戸端会議しているちょっとふくよか目なおばちゃん達。走り回っている子供達。それは別にいい。が、でっぷり脂ぎっしゅでスキンヘッドなおっちゃん……返せ! ファンタジーなエルフ像を返せ!! むしろ謝罪汁!!!
「どうしたの? なんか怖い顔して」
「……ぁ、すみません……ちょっと現実を受け入れられなくてつい」
ティリスに首を傾げられた。そうだよね、ここにいる人達にとってこれは通常の、当たり前の光景なんだよね……
精神的に多大なダメージを勝手に受けながら二人に付いていき、ちょっと大きめの家の前で止まった。
「ここが私たちの家よ。ただいま~」
「戻りました、父上」
「……お邪魔しま~す」
「…………戻ったか」
遅れて奥の部屋から返事があり、出てきたのは……かなりセティに似てる人。知らない人なら普通に兄弟に見えなくも無い気がする、が、父と呼んでいたのだから親なんだろう。まだファンタジー息してた!
「えっと、お邪魔してます、ミリア・クロノスです」
「む……随分綺麗なお客さんを連れてきたな。わしはこの里の長をしておる、ニックマイウー・アネイトだ。…………です…………少々、お待ちください!!」
まいうー……ニックさんは何故か急に震えだしちょっと待ったされて奥の部屋へと駆けて行った。持病かな?
――――――
「たしか……あいつが種族代表に選ばれて祝いに飲んで自慢してた時に……代表だけの口伝をべらべら喋って説教……それはどうでもいい……そうだ、エルフのような耳に……銀髪……緑眼、と」
当てはまる。この世界で髪の色は変えられない。眼は……知らん。が、あれは間違いないだろう。
「種族名はわからんが……存在が、誰にも、なにものにも止められない、歩く天災……っ」
聞けた範囲までなら、ちょっとした、本当にちょっとした感情の揺れで辺り一帯が消し飛ぶだったか。事実かはわからんが早急に、どこかに押し付けなければ……!
……あいつのところでいいか、代表になって自慢うぜぇし。ちょっとは震え上がってもらおうそうしよう。
紹介状という名の煽り文と、すぐ行ってもらうことに頷いてもらう為の支度金っと……
――――――
「お待たせした」
さっきの妙な慌てぶりはないがそれでもちょっと震えが見える。私のせいならなにが問題なのか教えてよぅ……
「頼みたいことがある。この手紙をエルフの首都シーレイにいるティーチキノコール・サマンサに届けて欲しい。できれば今すぐ。可及的速やかに。支度金も用意させていただきました!」
なにかやたら強引にずずいっっと来られた。嫌われてるのかな? そうだよね……誰にだって一目見たその時からかみ合わない相手っていたりするよね……べ、別にぎっしり皮袋に詰まった支度金に興味あるってわけじゃないんだからね! ……私の顔、いや、セティの顔ぐらいの大きさはあるな……
てかニックさんの口調が安定してない。固有口調未実装なのかな?
「よくわからないけどわかりました、お届けします」
ツラレクマー
釣られたけどはやく!はやく!はやく!と言われたことだし急いだ方がいいんだろうと、初見の猪豚さんの時の一割増しで駆けようとし、
「ミリアちゃん! 待ちなさい!」
止められた。ちゃんはやっぱりそのままなんだ……
「場所、知らないでしょ?」
「あ」
そうだった。てかそんな当たり前のことが抜けてるとか……まるで自分天然さんみたいじゃまいか……
「父さんも別にそこまで急いで欲しいって訳じゃないから。そうでしょ?」
「あ、あぁ。すぐ向かっては欲しいがゆっくりでいいんだ、ゆっくりで」
(父さん! 何考えてんの! 自重してよ!)
(す、すまん。まさかあそこまでとは……)
(うん? なにか知ってるの? あの子のこと)
(知ってるというか聞いた話に似てるだな……それにしても……魔力に鈍感なセティアスがうらやましい限りだ)
(まったく、ね……)
なにやらひそひそ話しをされている。急がなくてもいいみたいではあるが……またさっきのおっさん見たくないから長居はしたくないな。
「セティアス、ミリアちゃんを案内なさい」
「そうだな、それがいい。行って来いセティアス」
「……構わない、むしろ大歓迎だが。どうしたのだ二人とも」
「別にどうもしてないから。……手出したらどうなるか?(まずセティアスはミンチね」
「もう一度シエラさんに教育を頼むことになるのぉ(生きて帰れればだが」
「我を一体なんだと思っているんだ……?」
「見境無しのセクハラ野郎」
「エルフ族の恥さらし」
「…………そろそろ忘れてくれてもいいんじゃないかな?まぁ一般論でね?」
「「……」」
「……すいまえんでした;;」
セティは一体前になにやらかしたのか……うん、自分も昔あーだったこうだった言われないよう気をつけよう。




