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第6章 口火

第6章 口火


 「アッキーごめんね・・・、面倒おしつけちゃって」

 裏葉がギタコを預けてから3日が経とうとしていた。

 警察の捜査になんら進展はなく、ステ魔の足取りは全く掴めていない・・・

 そして、世間の人々もついこの間の事件のことを忘れつつある。

 所詮は他人事・・・、だが、明彦達にとって、それはまだ現在進行形で、見えないところからいつ飛び出してくるかも知れないナイフから裏葉を護らなければならない。

 「いいって、理事長様はさぞ忙しいんだろうからな」

 そして、裏葉は二日前から学校に来ていない。

 裏葉が登校していないのにもかかわらず、当たり前のように校門前に止まっている車を見ると彼らは裏葉が学校にでも立てこもってでもいると思っているのだろうか・・・、いやおそらくは能力でも使って振り切ったのだろう。ともすれば、校門から姿を現さない彼女がまだ学校にとどまっていると考えても不自然ではない。

 そして明彦は今、・・・生徒会室にいる。

 いつもなら紅茶の臭いが漂う生徒会室もここ数日は全くで、裏葉がいないだけでこの部屋はまるで違った世界に見えてしまう・・・。

 突然と消えてしまった裏葉は春亜にも何ら事を伝えておらず、生徒会として仕事も殆どがやりかけの状態で書類も机の上に山住になっている。

 それを春亜は一枚一枚丁寧に目を通すと、右下の隅に判を押していき、明彦は山住の書類を仕分けていく・・・。

 「って・・・、たかが一高校だってのにこんなにたくさんの書類ってどういう事だよ?いくら白銀財閥の管下だからってブランド力はこんなにたくさんの書類に現れるのか?」

 「うーん、そういえばそういうことになるね。この学校ってやっぱり他の所と比べると特異でしょ?」

 「まぁ・・・な」

 校則の「則」という字は主に縛り付けるための意味。だがここの学校は校則で規則を取っ払うという粋な校則が第一条で謳われている、その点だけを見ても充分に特異だ。

 「だから、取材やら学校見学やら、はたまたどこぞの企業様が是非ともこの学校の生徒を採用したいとわざわざお目見えしにくるってわけ」

 「それが・・・この山?」

 「そういうこと。だからあたしはとりあえず目を通しましたよって事でここに判を押していくの。まぁ・・・そんな単純な作業?どうするかは全部裏葉が決めるんだけどね・・・。その裏葉は・・・二日も音信不通だしさ・・・」

 「・・・、そんなんちょっと調子悪くしただけだろ?良くあることだよそんなの」

 「違う・・・」

 春亜は判を押そうとする手を止めた。

 「裏葉は・・・39度の熱でも学校にくる馬鹿野郎なんだよ。よっぽどの事がないと無断で欠席なんて・・・しないよ」

 よっぽどのこと・・・当たり前だ。

 自分の親父の仇を・・・一番自分を大切に思ってくれた存在を奪った相手が近くにいるというのに何にもしないであっけらかんとこの生徒会室に座っている裏葉の姿は想像できなかった。

 「そこまで人間できてねーんだな・・・あいつも」

 「えっ?」

 「いや、なんでもない、ちょっとな」

 「・・・そのちょっとが気になるんだよ・・・あたしは」

 春葉はきゅっと唇をかみしめる。

 「アッキーが来てから裏葉は少しおかしくなって、急に怖くなって、・・・この前傷だらけの石神君みつけて・・・裏葉も顔とか怪我してて・・・アッキーは入院してて・・・それでも裏葉は何でもないって言うんだよ」

 「それは・・・その・・・」

 「・・・気づいたら、裏葉はあたしなんかよりもアッキ―といる方がなんか自然体になってて・・・、まだほんの少しの時間しか過ごしてないっていうのに。石神君とだってあんなに良く見知ってるなんて知らなかったし・・・。なんか変な女の子ともよく一緒にいるし・・・」

 「それは・・・ギタコだな。まぁ、確かに変だけど。でも割といいやつだよ。この前だって裏葉が・・・」

 「ほら、それだよ。それ」

 「???」

 「あたしの知らないところで・・・、今まで何年もずっと側にいたのはあたしだっていうのに・・・なんか・・・あたしなんかよりも、アッキー達の方がずーっと裏葉と深く関わってるみたいで・・・なんか・・・いやだ。」

 「ごめん・・・」

 「なんであやまるんだよ。あたしが・・・悪い女みたいじゃん・・・。だから・・・か。あたしが信用されないのは・・・。だから、冷たいんだ裏葉は・・・あたしに」

 今にも泣き出しそうな春亜になんと声をかけてやればいいのか・・・

 明彦はその場に立ちつくし、そっとこらえている春亜を見つめることしかできなかった。

 春亜はそっと顔をそらし、「ごめん、今日は帰って」と必死に声を絞り出すと、明彦は追いやられるように生徒会室を去っていった。

 生徒会室の扉の向こうからは、そっと悲しみの声があふれ出していた。




 「アオジー、ンチョはどこ行ったの?」

 放課後の教室には石神とギタコの二人の姿がぽつんとあった。

 「アッキーは、生徒会の手伝い。ったく面倒見がいいやつだな」

 「もう6時になるよー。ご飯の時間だよー、帰る時間だよー・・・、健全な青少年達は」

 「ったく、子供じみてんのに変なところで大人じみてるよな・・・ギタコはさっ」

 「ん?」

 あどけない表情を見せるギタコの顔を見て、石神は思わず「っぷ」と吹き出した。

 「最近楽しそうだな、なんていうか・・・、青春?感じちゃってるわけ」

 「青春?・・・、思春期の子どもにしか味わうことができない、なんと言えない季節のこと?」

 「まぁ、そんなとこだな」

 「うーん、わかんない。でも、ラボの中にいたときよりも手と足がどこまでも伸ばせそうなあれだよ」

 教室の机をいくつかくっつけるとその上に横たわり、手と足を思い切り伸ばした。

 「くーっ、居心地がいい・・・、机から香ほのかな木のにおい・・・、これが青春のにおい?」

 「青春の臭い?・・・、それは人それぞれだろ?」

 「???じゃーアオジの青春の臭いは?」

 「俺か?俺のは・・・、犬のマーキングの臭いかな」

 「マーキング?犬が方足上げてするあれ?へんなのー」

 「そういうなよ。へんな能力もったおかげで、登下校中いっつも電柱の側を通るたびに、気が付いたら臭ってくるんだよ。普通ありえないだろ・・・そんなの。別にその臭いを嗅ごうとおもってるわけじゃない。でも、自然と・・・な」

 石神は少し悲しそうな表情を浮かべた。

 「まっ、そのおかげで女ちゃんの下着の色も丸わかりってわけなんだけどな」

 「アオジ・・・、そういうのガチで引くって裏葉が言ってたよ」

 「っつ、まぁ、そう変態みたいな捉え方するやつも世の中いるんだよ。でも、割と便利な使い方もできるんだぜ。例えば・・・」

 そういうと石神は目を閉じ、そっと集中した。

 「・・・、今、この教室の方に誰か向かってきてる」

 ギタコはそっと耳を立てたが、

 「何もきこえん、だれも来ん」

 「まぁ、待てって」

 疑いの目を向けるギタコをなだめると、石神はさらに集中する。

 「香水は・・・アーマリン、下着は・・・なるほど。生徒ではないな・・・。こんなのつけるのは割と勝負に焦ってる25歳前後の女ってとこだな。それから・・・、かすかな弾薬の臭い?警察か?」

 「アオジ・・・、なにやらかしたの?」

 「違う、違うって。それに、まだこっちの方向に向かってるってだけでこの教室に来てるわけでは・・・」

 必死に弁解する石神をよそに足音はどんどんと近くなってくる。

 「って・・・、この教室だけ・・・だよな」

 この時間帯にもなると大方残っているのは部活動に明け暮れる者か、職員室に立てこもっている教員のみ。そして、2年生の教室で灯りが灯っているのは石神達がいる教室だけだった。

 「ど、ど、どうすんだって・・・」

 「やましいことでもあるの?」

 「いや・・・たぶんない。たぶん・・・。あっ、でも・・・」

 胸に手を当て、自分の心に問いかける石神はいくつか思い当たる節があるらしく、少し顔をこわばらせていた。

 そして・・・、足音は教室の前で止まり、ドアが開かれる。

 「おっ、随分勉強熱心なやつが・・・ってわけでもなさそうだな」

 そう言うと、面食らったような表情を見せる石神のすぐ側にある席に着いた。

 「あの・・・、どちら様・・・ですか?」

 警察、そんなことはわかっている・・・。だが、思わずそう聞いてしまうほど、警察とは思えないような雰囲気を醸し出していた。

 女はポケットから警察手帳を取り出し、机の上に投げ捨てた。

 「七海 里空、一応刑事だ」

 「いや、それはわかるっていうか・・・」

 「わかる?」

 しまったと言わんばかりに石神は口をおさえた。

 その様子を不審そうに里空は伺った。

 「アオジは犬みたいに鼻がすげーから、女の下着の臭いも嗅ぎ放題なんだよ」

 フォローしたつもりなのだろうが・・・、刑事としてではなく、女としての里空の視線が石神には気になって仕方が無かった。

 「違う、違う、別にそんな趣味があるとかじゃなくて・・・」

 「・・・まぁ、個人的な趣味にとどめてくれれば、あたしは何も言わないさ」

 その割には・・・少し距離が開いた。

 「あと、嬢ちゃん。あんた、もう少し言葉は選んだ方がいい。男ってのは思ってるほど強いわけじゃないさ」

 「ん?でも、裏葉は男ってのは変にもてはやすと調子にのるし、オブラートに包んでもそれが全く溶けなくて意味無いから、ストレートに言えって言ってたよ」

 「裏葉・・・、それは白銀 裏葉のことか?」

 「そうだけど・・・、裏葉の友だち?」

 「知り合いってところかな・・・とりあえずは。そっちはあいつとなかいいのか?」

 「仲が良いって言うか・・・一つ屋根の下でってやつ」

 少し不思議そうな顔をする里空に石神は、

 「なんでも、裏葉の遠い親戚か何かみたいで、一人暮らしさせるのも両親が反対したらしく・・・」

 里空はギタコの顔をじっとみつめた。

 「まぁ。親御さんの気持ちは良くわかる・・・。んでも、あいつが、良く許したな」

 「意外と面倒見が良いとこあるんですよ、あいつ」

 「そうか・・・」

 少し安心したかのように、里空は一息ついた。

 「それで、今日は学校・・・っていうか、この教室にわざわざどのような御用で?」

 「用ってほどの事じゃないんだがな・・・、あいつ、最近調子どうだ?」

 「調子・・・ですか?・・・、特には・・・」

 「そうか・・・、嬢ちゃんはどうだ?」

 「なんか殺されるって言ってた」

 「ばかっ、お前」

 「そうか・・・、そいつはよかった」

 「はっ?」

 少しいらだったように石神は聞き返した。

 「すまん、別にそう言う意味で言ったわけじゃない。ただ、そう言う事をはなせる仲間がいたんだなって思ってな」

 「す、すいません」

 「いや、いいって。それで、君たちはあいつと親しそうだけど、あいつからなんか連絡は?」

 「いえ、特には。みずくさいですよね・・・あいつ」

 「まぁ、そういうなって。君らに何かあったら困るってことだろ。大事に思うヤツほど中途半端に何かはなしたくなるものさ」

 「中途半端に・・・?」

 「そっ、どうでも言いヤツになら何にも言わない。そんなのは当たり前だ。だが、大事に思ってるヤツには何か相談にのってほしいとか、心配して欲しいと思ってしまう反面、その人達を傷つけたくないという思いから全ては話さない・・・」

 「・・・」

 「あいつなんかは特にな・・・」

 「裏葉となんかあった?ななみー随分親しげじゃん」

 「ななみー?」

 「いや、その・・・こいつそういうとこあるんで・・・」

 「ちょっとした縁があってな」

 「腐れ縁?」

 「そんなとこさ・・・、まぁ、向こうはそんな縁なんてこれっぽっちも感じちゃいないがな」

 里空は窓の彼方をそっと眺めた。

 「???」

 「すまん、すまん。ちょっと思い老けてしまったよ」

 里空は腕時計を確認すると、

 「そろそろ、時間か・・・、ここに来たのは他でもない。彼女の行方が気になってな。君たち何か心当たりは?」

 「ここ二日、学校にすら来てないので・・・」

 「・・・、私の部下がこの学校の出入り口を三日前から見合っているのだが、彼女がここから出て行った姿を誰も見てないんだ。まぁ、ほぼあいつが管理してる、言わば家のようなものだったから特には気にしていなかったのだが、三日もとどまるとは思えない。先ほどここの教師に問いかけてみたのだが、そこら辺は教師と言えどノータッチらしい」

 「そうなんですか・・・、俺たちもそこが心配で・・・」

 里空は石神の目をじっと見つめた。

 「・・・そうか。何かあったらここに連絡してくれ」

 そういうと里空は紙切れを一枚、机の上に置いた。

 「110を押しても良いのだが、私につながるまでは色々と時間がかかるだろうからな。それと、どんな些細なことでもいい、何かわかったら必ず連絡してくれ」

 「わかりました・・・」

 「ななみーばいばいー」

 ギタコが手を振ると、少しはにかんで軽く手を振ってくれた。

 里空は教室を出ようと扉に手をかけると、

 「嘘はもう少し上手くつけよ。次はとっちめてやるからな」

 少し笑って見せた美しい顔に、石神はぞっとした。

 「アオジ、あれが素敵女子ってやつ?」

 「・・・、素敵女子はあんな笑顔見せないさ・・・。まぁ。いい女ちゃんだったけどな」




 夕暮れ時、今の時代には物珍しい「公衆電話」が鳴り響いている。

 誰にむけてのものなのか、人々のざわつきでその音はかき消されている。

 そこへ、一人の男がその受話器を取り上げる・・・

 「もしもし」

 受話器を取るやいなや、男は電話ボックスの中にある電話帳をめくりだした。

 すると、男は電話ボックスを飛び出し、人混みの中をキョロキョロと見渡し一人の女に声をかける。

 そして、男は人混みの中に消え、女は電話ボックスの中で中にぶら下がっている受話器をとった・・・

 「どちら様かしら?」

 「はいはーい、お元気、白銀のお嬢さん」

 「私、こう見えても忙しいので・・・、では・・・」

 裏葉は受話器を置こうとするが・・・

 「いいのかなーって、私はかまわないんだけど、私はね・・・」

 「どういう意味?」

 「言葉通り・・・、私は彼女がどうなったってぜんぜーん、かまわないの。むしろ好都合?あんなことや、こんなことを・・・」

 「彼女?・・・」

 その言葉だけで裏葉は全てを悟った。

 「ブラフ・・・なの?」

 「普通そういうの電話とった段階で気づかない?意外と鈍感さん?」

 「ご託はいいわ、時間の無駄。あんた達の今の狙いはあたし何でしょ?」

 「あんた達っていうか・・・、世間一般の意見?世論ってやつ?あんたの周りにいるやつらがみーんなあんたを殺してって言ってるの。ほら・・・人混みの中から視線感じない?」

 裏葉は横目で辺りをさぐるが、あまりの人の多さにどこから監視されているかわからない。

 「見つけようって無駄無駄、だてにステ魔なんていわれてないよーだ」

 「要件さっさと言いなさいよ、ギタコになにかあったらただじゃ・・・」

 「ギタコ?なにそれ?ちょっとはまじめになんなよー」

 「(ギタコを知らない?・・・)あんた達の言う彼女って誰のこと?」

 「何々?そんなの決まってるでしょ?あんた、大事な親友ちゃんだよ」

 「親友」、その言葉を聞かされた瞬間、裏葉の平常心が失われた・・・

 「あんた・・・春亜に何してんのよ」

 「春亜?・・・そう、そうなの、春亜っていうのね、あんたの親友は・・・」

 すると電話の相手はわざとらしく裏葉に聞こえるように、

 「省ちゃん、春亜だって。ご令嬢の大事な大事な親友は」

 そして、電話の向こう側から言い争うような音がしばし鳴り響き、声の主が変わった。

 「ったく、あいつが話してたんじゃ臨場感とかそういうの感じさせないもんな。んで、白銀のお嬢さん、今の状況、なんも見えないほど頭悪くねーよな」

 しまった・・・、そう思ったときには遅すぎた。

 ギタコなら、蒼二や明彦がついているから心配などいらない・・・、例えそうなったとしても、あいつは今一人ではない。

 そして、何よりも、その底知れぬ力。寒凪 流麗を退けたギタコがそう易々と捕まるはずもない・・・。

 それでも、危険を及ばせないと距離を置いたはずだった・・・。

 だが・・・、今、自らの口で、何の力も持たない素面の娘を・・・、一番大切な存在を危険にさらしてしまった・・・。

 こんな簡単な罠、普段の裏葉でひっかかるわけもない。普段の裏葉であれば・・・

 「・・・、くそっ」

 「くくくっ、いいね。プライド高そうな女の仮面がはがされた声は・・・。ぞくぞくするなぁ・・・全く」

 「あんた、あの子になんかしたら」

 「俺達がそんないいやつに見えるか・・・、なーんてな。むやみやたらに人の命奪うような腐った野郎と一緒にするなよ。ただ・・・わかってるだろ?」

 「・・・」

 「まだ、指一本触れちゃいないさ。ただ、野郎と思えばお前の学校に乗り込んで・・・」

 「ふざけないでよ・・・、ふざんけんなよ」

 「お前は、今、自分で自分の大切な人間を危険にさらそうとしてるのさ・・・わかるか?」

  裏葉は拳を握りしめる・・・。

 「・・・、で、あたしは何をすればいいのよ・・・」

 「それでいいんだよ。それで・・・。くくっ、たまんねー、たまんねーわ」

 電話の向こうから聞こえてくる下品な笑い声・・・、そんなものより、自分自身への苛立ちが募っていく・・・

 「いいか、よく聞け。お前の死刑執行日は今日の・・・、と言いたい所だが、こちらにも都合があるんでな・・・。詳細は追って連絡する。それと・・・」

 少しの間を置いた後、

 「鈴鹿 省吾の名において、交流隔絶権を主張する」

 「・・・」

 「わかってると思うが誰にも言うなよ・・・、いや、今のお前の状況じゃ、言えるわけねーか。電話機の下の方に携帯が隠してある、今後はそれで連絡するからまぁ、余生を楽しみな」

 そう言うと、電話は切れた・・・

 「・・・」

 裏葉のどうしようもない怒りは、電話ボックスを震わせた・・・。



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