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小心者の僕は神の遊戯の中で俺様として虚勢を張ってイキる!  作者: 安ころもっち


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第五十七話「はははっ!竜の王だか何だか知らねえが、その程度かよ!」


 レイド戦の当日、白い空間に転送された僕たち。


 その場は、重苦しい空気が漂っていた。


 サテルサイヤスと名乗った金髪の男との死闘。


 その後もなお、強くなるまで待つと言った余裕を見せた、三人の強者の存在。


 共有された情報により、誰もが次の戦いを意識し、険しい表情を浮かべている。


 僕はそんな彼らの様子を、鼻で笑いながら眺めた。


「そんな葬式みたいなツラしやがって。びびってんなよクソ虫どもが!」


 わざと大声を張り上げ、周囲を威圧するように悪態をつく。


 周りからの厳しい視線を感じる。


 これでいい。


 恐怖を怒りに変えるか、あるいは僕を憎むことで冷静さを取り戻すか。


 僕自身、今回のレイド戦はおまけに過ぎなかった。


 サテルを倒して得た『一閃』という新スキル。


 実戦で使ってみたが、このスキルの使い勝手は予想以上に良かった。


 相手の防御を無視するように真っ二つに断ち切るその感触は、今までのスキルとは一線を画している。


 今回の報酬には、この『一閃』のスキルレベルを三つは上げる予定だった。


 強化剤と並行し、『狂戦士』を発動させ、多段に加え、一閃を叩き込めば、さすがにあの三人にも刃が届くだろう。


 そんな確信があった。


 能面のような死んだ顔をして隣に立つ藤田さんにも、すでに報酬についての指示は出してある。


 彼女は現在のランキングで三位をキープしており、今回の報酬では防具を選択するように命じた。


 彼女の攻撃力は、二日前に手に入れた『雷切』という小太刀により、さらに向上している。


 もともと持っていた爆炎のダガーと、今回手に入れた雷切。


 爆裂と電撃の属性を併せ持つ二本差しとなり、彼女の一撃必殺による攻撃力は飛躍的に向上されている。


 彼女はさらに、『陽炎』という分身を生み出すスキルを習得していた。


 レイド戦ではあまり効果はないかもしれないが、分身を囮に使う攻撃には、あの男たちには十分な効果を見込めそうだと予想している。


 高い機動力と、どこから攻撃が来るか読めない意外性。


 男たちとの戦いでも、十二分に活躍してくれるだろう。


 さらに、藤田さんが以前まで使っていた『牙突』という短刀は、笹田さんに使ってもらうことにした。


 鋭さだけに全振りしたその短刀は、現在所持する装備品の中でも非常に攻撃力が高く、使い勝手が良い。


 笹田さん自身の隠密スキルもさらに向上しており、彼女が姿を消すと、僕ですら気配を追えなくなる。


 攻撃を仕掛けるその一瞬しか目視できない彼女の奇襲が、奴らにどれだけ通用するかが鍵となるかもしれない。


 盾役の佐々木くんも随分頼もしくなったなと感じていた。


 突進スキルのレベルが上がり、レイドボスに対しても真っ向勝負ができるほどの気概と、攻撃を読み連携を組み立てる機転も利くようになっている。


 彼が正面で耐え、笹田さんが闇に紛れ奇襲をかけ、藤田さんと僕がすべてを断ち切る。


 間もなく始まるレイド戦に、不安などはなく、気持ちはすでにあの三人との戦いに備えていた。




 実際、戦いは僕の予想の通り、危なげなく終了した。


 今回のレイドボスは、『聖炎の光竜』と『怨嗟の闇竜』という、相反する属性を持つ二体の巨大な竜だった。


 空を焼き尽くすような白い炎と、大地を腐食させるような黒い霧が僕たちを襲うという展開。


 僕たちは冷静に動き始めた。


 佐々木くんが咆哮を上げて前に出ると、光竜の突進を大盾で受け止める。


 藤田さんが闇竜の懐へと飛び込み、爆炎と雷光がぶつかり合うように轟音を響かせる。


 気付けば光竜の首筋には大量の爆札が貼り付けられ、酒井くんが放ったギガスラッシュに巻き込まれる形で、大量の炎を立ち上らせていた。


 明らかに動きの鈍くなった二匹の竜に、叫びながらの一閃をたたき込み、正面から竜の首の鱗をそぎ落としていった。


 二度三度、一閃を放つたび、竜の強固な首が破壊され、瞬く間に切り裂かれ首が落ちる。


「はははっ!竜の王だか何だか知らねえが、その程度かよ!」


 僕は笑いながら村雨を振り回し、白い空間に二頭の断末魔が響き、気付けばレイド戦は終わっていた。


 なんの感傷も湧き出ない勝利。


 唯一ひやりとしたのが、後方で援護射撃をしていた氷川さんたち三人が、光竜の尾によりなぎ倒され、宇野くんが慌てて治癒を施していた場面。


 その程度のことだった。


 そして翌日、報酬の授与が行われた。


 僕はここ数日の実戦で使い込み、すでにレベル2になっていた一閃を、一気にレベル5まで引き上げた。


 これで、あの三人の堅い障壁を突破できるだろう。


 藤田さんも指示通り、防具を選択した。


 彼女が手に入れたのは、『逆恨みの籠手』という不気味な装備だった。


 受けた攻撃の衝撃をそのまま相手に反射するという、カウンター性能に特化したものだ。


 神の用意した装備は、なぜどれも禍々しい見た目をしているのだろう?


 そう感じながら、手に握っている呪刀・村雨と、右足に装着した雷脚・嘶夜(セイヤ)を眺めていた。


 酒井くんの方は、迷いながらも肉体強化のスキルを二つ上げたようだ。


 放つ威圧感が増した気がした。


 これだけの準備が整えば、あの三人に対抗できるはずだ。


 心のどこかにある不安を、僕は無理やり押し殺した。


 準備はすべて終わった。


 あとは、奴らを迎え撃つだけだ。


 そう思いながらも、湧き出る不安でダンジョンに入り浸り、スキルレベルが上がった一閃の感触を確かめていた。




 その五日後、月は変わり、六月に突入した。


 僕たちは、最初に奴らと戦った、長屋街の近くにある荒野へと向かった。


 乾いた風が吹き抜け、砂埃が舞う。


 視界の先、陽炎のように揺れる空間から、奴らが現れた。


 緑髪の男が待ちきれない様子で、一番手前で腕を組み立っている。


 その背後には赤髪の男、そして青髪の男がしゃがみ込んでこちらを見ていた。


 かつてないほどの緊張が、荒野に満ちていった。



◆◇◆◇◆



――― No.76 擁護専用掲示板※姉含む その69


264 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:19:01.39 ID:bN2pQ7rE


 なあ、今回は勝てるかな?


 前回の感じだったら正直、今度こそ終わるんじゃって、怖くて見てられんわ。


 胃がキリキリしてくる……。


265 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:20:12.15 ID:mK9fS1vG


 >>264

 わかるわ。

 でも今回は準備万端だからな。信じて待とうぜ。


268 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:21:45.12 ID:IghHEm94


 黒木がなんとかしてくれるだろ?


271 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:23:12.55 ID:jL6hD3uN


 一閃はスキルレベル5だろ?あれやばすぎだろ。


 金剛魔人真っ二つにしてたぞ?


272 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:24:33.41 ID:mK9fS1vG


 金剛魔人の装甲って、見るからに堅そうだもんな。

 それを紙みたいに切るとかwww

 案外一撃で抹殺して終了ー、とかならんかな?


275 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:26:05.88 ID:XaY11vOc


 >>272

 どうだろ。


276 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:27:25.10 ID:eT2vF9kL


 あの三人ってなんなんだろうな。

 エルフっぽいけど、ダークみたいに黒くないし、どちらかと言えば赤っぽい肌してるし。

 長命種ってのは言ってたよな。


282 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:30:10.41 ID:wA4nS7jQ


 幸ちゃんもスキル上げたんだよな?


283 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:31:25.12 ID:PlD66bLw


 肉体強化な。


289 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:32:54.09 ID:mK9fS1vG


 ムキムキになる勇者くん。想像しただけで草。


294 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:34:22.77 ID:RoN55gJk


 >>289

 肉体強化はそういうスキルじゃないからな。見た目は変らんぞ。


302 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:37:10.11 ID:bN2pQ7rE


 美織ちゃんも新しい武器に変えたよな?雷切?


308 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:38:33.42 ID:KuZ88pTz


 あれも爆炎のダガーと同じ魔剣の類いだよな?


 炸裂時の反動受けないんだろ?

 普通はあんなの使ったら、自分の手首が先に吹き飛ぶわ。


310 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:39:55.33 ID:eT2vF9kL


 爆発の反動無効ってチートすぎるだろ。


315 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:40:48.09 ID:ZkL99qMr


 謎の力により守られてます。


318 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:41:35.11 ID:mK9fS1vG


 佐々木も頑張ってるし、なんとかなるんじゃね?


322 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:42:14.65 ID:jL6hD3uN


 あいつ、目立たないけどサポートのタイミング完璧だしな。


323 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:42:49.44 ID:wA4nS7jQ


 >>322

 非凡な連中に囲まれて、必死に食らいついてる姿にいつも勇気もらってるわ。


328 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:43:12.33 ID:KiT78uNn


 そいやぁここ、すっかり擁護だけになってるよな?


335 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:43:45.55 ID:WiS33hJm


 アンチは相手にしないように徹底したからな。


336 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:44:05.10 ID:jL6hD3uN


 手のひら返しした元アンチも結構見かけるわ。


342 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:44:25.88 ID:zX1oG8vP


 おっ、到着したな。


343 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:44:45.66 ID:bN2pQ7rE


 お、始まるんか?


 心臓バクバクしてきた。


347 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:45:01.42 ID:TfV44kUy


 すでにいるな。信号機。


348 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:45:10.11 ID:hY3dX6sF


 信号機きたああああああああ!


352 :神の信徒@ななし:20XX/06/01(土) 08:46:15.98 ID:wA4nS7jQ


 俺らにできるのは祈ることだけだ。


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