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小心者の僕は神の遊戯の中で俺様として虚勢を張ってイキる!  作者: 安ころもっち


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5/56

第五話「はは、これは良いトレーニングになるぜ!」


 僕が思い描く俺様を意識し、好奇の目を向けているであろう相手に向け、指を差し叫ぶ。


「ランキング一位とやらになって、お前らのようなクズを残さず〇す!そう、神に願ってや――」


 最後まで言い切ることができず、視界は戻り一人森の中で立ち尽くしていた。


 言い逃げすることができた……、いや、今この時も見られているのだろう。


 掲示板は荒れてるだろう。


 ざまーみろだ。


 そして僕はもう一度中指を立てて叫んだ。



◆◇◆◇◆



――― No.76 専用掲示板 その142


698 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:16:32.05 ID:eFg78hIj


 ログアウト強制終了www

 最後のセリフ最後まで言えてないの草。


705 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:16:48.99 ID:KlM90nOp


 最弱の俺様、期待してるぜ!


712 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:17:05.11 ID:qRs12tUv


 森に帰ってまた中指立ててるのウケルw


719 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:17:22.50 ID:wXy34zAq


 >>712

 うぉぉぉーーー!って叫んでたなw


726 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:17:35.88 ID:bCd56eFg


 隠キャがイキって挑発している。


 見てて痛いwww


735 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:17:51.01 ID:hIj78kLm


 マジで〇ね! なんでお前だけ生き残ってんだよクソニートが!


742 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:18:04.99 ID:nOp90qRs


 俺様キャラの完成度、10点満点中2点な。棒立ちチワワ。


750 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:18:20.22 ID:tUv12wXy


 クソニートイキってんな! 早く魔物に食われて肉〇になれ。


761 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:18:35.55 ID:zAq34bCd


 総合からきたw なんだこの最高のコンテンツはw


770 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:18:50.11 ID:eFg56hIj


 >>761

 ようこそw


778 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:19:05.34 ID:KlM78nOp


 この森で餓死か魔物死か、どっちだろな。予想大会。


787 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:19:20.77 ID:qRs90tUv


 ログアウトは逃げ場じゃねえって理解しろよ、逃げカス。


802 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:19:36.01 ID:wXy12zAq


 黒木のあの部屋入れないらしいしな。


 外部から一切干渉できないって噂マジ?


815 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:19:51.44 ID:bCd34eFg


 >>802

 多分あの家燃やしたらあの部屋だけ残るんじゃね? 一種の聖域だろw


828 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:20:07.88 ID:hIj56kLm


 >>815 通報したw


839 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:20:23.12 ID:bCd34eFg


 >>828

 燃やすって言ってないだろw


851 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:20:38.55 ID:tUv90wXy


 黒木のお姉さんは僕が守ります。聖女を弟のゴミから解放せよ!


864 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:20:54.07 ID:zAq12bCd


 >>851

 お前ら勘違いすんなよ。あの姉ちゃん地元でも有名なヤンキーらしいで?弟絶対守るって専用ページで宣言してた。


877 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:21:09.18 ID:eFg34hIj


 >>864

 え、ヤンキー!? でも弟に優しかったじゃん。


889 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:21:24.41 ID:KlM56nOp


 姉の親衛隊と言う名のファンクラブ出来てた。親衛隊長は俺がなるぞ!


915 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:21:55.12 ID:wXy90zAq


 俺様、早く〇ぬか、早く強くなるか、どっちかにしろ!

 だらだらするな!


927 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:22:10.55 ID:bCd12eFg


 >>915

 あのゴミが強くなるわけねーだろ。諦めろ。


977 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:23:11.55 ID:zAq90bCd


 >>915 腹減らんらしい。ちな睡魔もない。


 あ、スレ立て乙。次スレはよ。


999 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:23:27.01 ID:eFg12hIj


 >>977

 運営(神)が勝手に立ててるから待て。




――― No.76 専用掲示板 その143


1 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:24:01.07 ID:qRs56tUv


 次スレ乙。


14 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:24:16.44 ID:wXy78zAq


 強制ログアウトから強制ログイン。奴に自由はない。


26 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:24:32.01 ID:bCd90eFg


 〇ね! 〇ね! 〇ね! 〇ね! 〇ね! 〇ね! 〇ね!


38 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:24:47.33 ID:hIj12kLm


 >>14 ログアウトは任意


51 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:25:02.88 ID:nOp34qRs


 クソニートイキってんな! お前の人生はもう終わりだ。


70 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:25:18.22 ID:tUv56wXy


 >>51

 ゲームオーバーは認めない。楽しませろ。


92 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:25:33.66 ID:zAq78bCd


 総合からきたw 話題になってたから見に来たけど、本当にゴミじゃん。


138 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:26:04.44 ID:KlM12nOp


 姉ちゃんのファンクラブのページ教えろください。あっちで癒やされたい。


160 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:26:19.88 ID:qRs34tUv


 黒木、森でさまようのか? それとも隠れるのか?


183 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:26:35.22 ID:wXy56zAq


 今からあの部屋の前で花火でも上げてやろうぜ。


207 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:26:50.66 ID:bCd78eFg


 >>183

 通報した。これ以上、あの姉ちゃんを悲しませるな。


230 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:27:06.01 ID:hIj90kLm


 >>207

 お前も親衛隊かよw 熱いな。


254 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:27:21.44 ID:nOp12qRs


 黒木の配信見てたら、今日の仕事のイライラが全部吹き飛んだわ。感謝。


278 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:27:36.88 ID:tUv34wXy


 マジレスすると、武器なしは無理ゲーだろ。運営は何か手違いがあったんじゃないか?


303 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:27:52.22 ID:zAq56bCd


 >>278

 運営なんていない。これが神々の遊戯だ。


329 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:28:07.55 ID:eFg78hIj


 俺様、早く〇ぬとこ見せてくれ。その方が姉ちゃんも報われるだろ。


443 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:29:09.11 ID:bCd56eFg


 隠キャがイキって挑発しているのマジで恥ずかしいからやめw


474 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:29:24.55 ID:hIj78kLm


 黒木のお姉さんは僕が守ります!



625 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:31:03.55 ID:qRs34tUv


 〇ね!


644 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:31:18.91 ID:wXy56zAq


 ログアウトは任意らしいな。次また逃げるのか? チキン野郎が。


652 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:31:49.55 ID:hIj90kLm


 マジレス、武器なしで森の中→歩も動けないだろ。どうすんだ?


666 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:32:04.91 ID:nOp12qRs


 クソニートイキってんな! 早く魔物に食われろ!


668 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:32:51.01 ID:eFg90hIj


 〇ね!〇ね!〇ね!


681 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:33:06.44 ID:KlM12nOp


 「一日一回」しかログアウトできないってマジか? 誰か検証しろ。


702 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:33:21.88 ID:qRs34tUv


 >>681

 もしそうなら、次は今日中には逃げられないってことか。最高に面白い。


712 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:34:23.66 ID:nOp12qRs


 総合からきたw この流れ見てると気分がいい。


729 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:34:39.11 ID:tUv34wXy


 最弱の俺様、森でさまようのか? それとも隠れるのか?


735 :神の信徒@ななし:20XX/10/26(木) 09:34:54.55 ID:zAq56bCd


 姉の親衛隊と言う名のファンクラブ出来てた。俺は影ながら応援するわ。



◆◇◆◇◆



 全身を刺すような冷たい風を浴びながら、目を閉じ思考を繰り返す。


 湿った土と腐敗した木の葉の臭いが鼻腔を突き、耳は周囲の音に敏感に反応する。


 わずかな風の音、木の枝が擦れる音、そして遠くから聞こえる獣の唸り声。


 それらすべてが、僕が「神々の遊戯」という名のデスゲームの中にいることを嫌というほど突きつけてくる。


 僕が言い放った「俺様」という虚勢は、この森の冷たさの前ではなんの役にも立たないのだと実感する。


 体は震え続けている。


 それは恐怖から?それともこの森の冷気からだろうか?


 僕には区別がつかなかった。


 今の僕は裸同然で武器も持たない存在。


 魔物にとってはただの獲物だ。


 掲示板の中に存在した悪意は僕の心を深く抉ったが、同時にそれは僕の「盾」そして「武器」となった。


 彼らの憎悪は今、僕だけに集中しているだろう。


 姉ちゃんへの好奇の目が完全に消えることはないだろうが、「イキリクソニートな弟」という属性によって、多少なりともこの狂った舞台の中心から遠ざけることができたはずだ。


 そんな希望的観測を感がている。


 彼らが望む「最弱の悪役ヒール」のロールを演じきる。それが僕にできる唯一の防御であり、姉ちゃんを守る唯一の手段だ。


 そして、絶対に生き抜いてその憎悪を受け続ける覚悟が、僕を奮い立たせてくれる……、ハズなんだ。


 ロールプレイだけでこの世界は生き残れない。


 俺様が相手だ!と魔物相手に叫んだところで、物理的な武器がなければ僕は一分と持たずに死ぬだろう。


 それは彼らにとって最高のコンテンツとなるだろう。


 ログアウトは僕がこの世界から逃げ出せる唯一の方法だが、その使用には一日一回の制限がある。つまり、次に危機が訪れても、今日中にはログアウトで逃げることはできないのだ。


 さらに言うと、一〇分後には元の場所に戻ってしまう。


 その時に危機が去って居なければただの時間稼ぎになるだろう。


 この事実は僕の足元を凍らせる。


 僕は震える足を一歩踏み出し、周囲を警戒しながら歩き始めた。


 まずは最低限、身を守るための道具が必要だ。


 僕は足元を這いずるように目を凝らした。


 五分ほどかけ、僕は二つの道具を手に入れた。


 一つは、僕の腕よりもわずかに太く、長さは一メートルほどの堅く乾燥した木の枝で、湿度の高いこの森では貴重な物だと思われた。


 重さもあり、振り回せば鈍器としても機能するだろう。


 もう一つは握りこぶし大の石だ。


 砕けて鋭利に尖っている部分であり、枝を加工するにはちょうど良いだろう。


 僕は警戒を続けながら、巨大な根が絡み合った大木の陰へと移動した。


 少なくともここなら背後からの不意打ちを恐れずに済むし、視線も多少は遮られるだろう。


 僕は石を何度も木の枝に打ち付ける。


 斜めに打ち付けた鋭利な石は、太く固い木の枝の先端を尖らせ始めた。非力な僕の力ではなかなかの重労働となってしまったが、一心不乱に木を削っていく。


「はは、これは良いトレーニングになるぜ!」


 奴らは聞いているのだろう。そう思って口にした言葉に反応はなく、恥ずかしさが込み上げてきた。


 深呼吸をした僕は、魔物から警戒していることを思い出す。


 反省しつつ口を閉じ、黙々と作業を繰り返す。


 削りカスが湿った土の上に落ちていく。


 三〇分ほど繰り返したその作業により、僕の手のひらの皮が擦り切れ、熱を持っていた。


 その熱と痛みを感じるたびに、「負けるもんか」と心の中で自分に言い聞かせていた。


 さらに一〇分後、僕の手には先端が鋭利になった歪な木の棒が握られていた。


 槍と呼ぶにはあまりにも短く、剣とは言えない程の代物であったが、少なくとも丸腰ではない安心感がある。


 僕は木の棒を握りしめ胸に抱いた。


 これで最弱から「武器を持った最弱」へと進化したのだと、わずかながらステータスも向上したと、そう信じてその棒を胸に抱く。


 僕の全身を包む冷気は変わらないが、心の中の炎は弱々しくも燃え続けている。


 次の一歩を踏み出す。


 僕は出来上がった棒、「鬼竜一号」を握りしめた僕の心の中には、決意の炎が大きく燃えていた。


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