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【異世界スゴロク】止まったマスで転移する呪いの冒険譚 ~ゴールしなければ生き残れない~  作者: 幸運な黒猫
【童話全修】

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第57話・【童話全修 その6】

 ――数日前の事。


 メイジーはブランシェットとペローを連れて、大好きなおばあちゃんの家に向かっていた。ぽかぽかと暖かな日差しに、少し冷たい風が緑の香りを運ぶ。


 三人の手の中にはそれぞれが用意した誕生日プレゼントがあった。


 料理の腕を磨いて、お婆ちゃんの大好きなコーニッシュパイを作ったメイジー。ブランシェットはアルバイトを掛け持ちし、若草色のブランケットを用意した。


 ペローに至っては、自分と同じくらいの大きさのぬいぐるみを、優しく胸に抱きしめていた。家の手伝いをし、お小遣いを貯めて買ったプレゼントだ。


「なあ、なんかおかしくねえか?」


 最初に気がついたのはブランシェットだった。普段なら家庭菜園が見える場所で、ロッキングチェアに揺られているはずのお婆ちゃんが見えなかったからだ。


 三姉妹が慌てて家の中に駆け込むと、そこには誰もいない静かな空間があるだけだった。荒らされた形跡もなく、ただ、忽然と消えていた。



「警察には届けたよ。だけど……無駄だった」


 誘拐の目的はさまざまあるが、主なものは人身売買と身代金要求だ。しかし、人身売買なら主に子供や若い女性が対象になるし、身代金目当てなら要求があるはずだが、それもなかった。


 だから年寄りが誘拐される理由がない。……警察は『失踪』と判断した。


「でも、(ばば)ぁは生きてる。オレ様たちにはわかるんだ」

「あのね、ばぁばの家にね、これが落ちていやがったの」


 と、ペローがハンカチを広げると、黒い獣の毛が数本でてきた。メイジーはつまみ取り、僕らの目の前で光にかざして見せた。


「これは?」

「オオカミの毛なんだよね……黒色の」

「え、黒色!?」

「うん。どうかした?」

「いや、街での聞き込みもチビヤギの証言も灰色オオカミだったから、黒色ってちょっと意外だったんだ」


 ――つまり、【赤猫ずきん】と【七匹のチビヤギ】は、別々の犯人(オオカミ)と言う事。


 このタイミングで、新たな犯人像がでてくるなんて考えもしなかった。灰色を捕まえればマルっと解決すると思っていたけど、現実はそんな簡単じゃない。


 それでも、『灰色オオカミがすべての犯人』と思い込んでいたから、黒色の存在がわかったのはむしろラッキーと言える。

 

「じゃ、メイジーさんたちにも手伝ってもらって、三カ所同時に捜索しましょうか」


 と、鈴姫さんがメモ帳を取りだした時、彼女の肘の辺りをつまんでクイッと引っ張る小さい影があった。


「あの……ボクも行きたい」

「チビヤギちゃんが?」

「うん。にいちゃんとねえちゃんを助けるんだ」


 なんとも健気(けなげ)だけど、鈴姫さんも簡単に了承はしないだろう。待ち受けているのはずる賢いオオカミ。どんな危険が待ち受けているのかわからないのだから。


 ……だけどここで、イケメンが登場した。


「まあ、いいんじゃねぇの?」

「ブランシェットさん……」

「チビにはオレ様がついて行ってやるよ。守りは任せな」


 ブランシェットは、黒い革グローブをギリギリと鳴らしながら手に馴染ませた。すでに気合乗り十分と言ったところ。これにはルドウィンも『なんとも男前ですな』ともらしていたくらいだ。


「姉貴、ペローは任せたぜ」

「え……ペローちゃんまでいくの?」

「ボクもばぁばを助けてさしあげてしまうのでっす!」


 両手に握りこぶしをつくり、力説するペロー。()い。猫耳フードで可愛さマシマシだ。ベルノ、チビヤギと三人並ぶと、それだけでそこが幸せ空間になる。


「頼りにしていますわ、おチビちゃんたち!」


 そして、それぞれのパワーバランスを考えて、最終的に捜索チーム分けはこうなった。


①ドイルの迷宮(ラビリンス)チーム:鈴姫・ブランシェット・母ヤギ&チビヤギ

②川岸の水車小屋チーム:颯太・ベルノ

③郊外の穀物農園チーム:水音・メイジー・ペロー


 チビヤギとペローは、それぞれ保護者とセットとして、戦闘力の高いブランシェットを本命のドイルの迷宮(ラビリンス)チームに入れた。


 作戦は、担当の場所を捜索し、異変が無ければ他のチームに合流するというもの。もしドイルの迷宮(ラビリンス)が外れだったら彼らは川岸の水車小屋に移動する。水車小屋チームは穀物農園へ。農園チームはドイルの迷宮(ラビリンス)へといった具合だ。


 これなら早い段階で2チームが合流できるから、犯人を獲り逃す事もないだろう。


 まあ、一番外れを引いたチームは、三カ所移動しなければならないから大変だけど、効率と結果予測を踏まえたらベストな作戦だと思う。


 ……とりあえず、水車小屋が当たりじゃありませんように。




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