第49話・フラグ
「それじゃ、行ってくるね」
颯太がルーレットを回すと、彼の人形がズズズ……と5マス進んだ。それと同時にピコンッと鳴るスマホ。今回も転移前になにかあるようだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次の異世界は三人で協力してミッションをクリアしてください。
①② 薬師寺 要
③ 水瀬 水音
④ 神楽代 葵
⑤⑥ 雪平 鈴姫
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「え~、またこのパターン?」
「今度は三人なのね。そのうち全員で行く事になったりして?」
「葵さん、フラグ立てないで下さい」
「でもこれ、さっきと数字の割り当てが違うよね」
「僕と葵さんは戻って来たばかりだからじゃない?」
……むしろリストから名前消してくれればいいのに。
「颯太!」
と、名前を呼んで彼をジッと見る葵さん。『④は絶対にだすな』と語るその眼は、僕の時よりもずっと鋭かった。
颯太はルーレットに手を伸ばした。緊張しているのがよくわかる。運まかせのルーレットだからその数字がでるかわからないけど、彼がだしたい数字がいくつなのか、僕らにはバレバレだった。
ルーレットを回してでた数は、颯太が希望する大当たりの⑥、そして③。
つまりは、想い人の鈴姫さんと……帰って来たばかりの僕だった。
「え~、休ませてよぉ~………………」
暗闇に吸い込まれる僕の目には、にこやかに手を振る葵さんの姿が映っていた。
♢
クラクラとめまいのする暗闇を抜けると、目の前には石畳の街道と、通りを挟んで”こじんまりとした“家があった。古いが綺麗に保たれている、白壁の欧風建築だった。
颯太に鈴姫さん、僕、そして今回は猫化していないベルノ。
例によって、バサリ……と音をたてて足元に本が落ちてきた。今回は白や黄色、パステルグリーンで装飾された、ファンタジーな……いやファンシーな本だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プレイヤー:トクガワ ソウタ
:ユキヒラ ベル
:ミナセ ミナト
ルーレットナンバー:5
ギフト:✖✖✖✖
所持金:27030G (+1200)
~ミッション一覧~
①②依頼を一件解決する。
③④依頼を二件解決する。
⑤⑥依頼を三件解決する。
プレイヤー属性(希望の属性をタッチしてください)
探偵:
探偵助手:
裏方:
――――――――――――――――――――――――――――——
⑦冒険をやめて元の世界にもどる。これを選択した場合、全てのプレイヤーは3マス戻る。
※ルーレット使用後は選択不可。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今まで特に気にしてなかったけど、所持金は全員共通らしい。【没落令嬢】スタートの所持金は2600Gくらいだったから、加算されている2万は、葵さんのハグ&チェキの分だろう。
「今回はギフトがないのかしら?」
「どうだろ? わざわざ✖✖✖✖なんて書くくらいだから、伏字のような気もするんだよね」
「雪平さん、不安だったら戻りますか? 探偵とかよくわからないし、伏字も気になるし……」
鈴姫さんを危険な目に合わせたくない。颯太の気持ちはわかりやすいほどによくわかる。だけど今回に限っては、大した危険はなさそうに思えた。
「ちょっと周りを見わたしてみて」
明るいスカイブルーの空に、オレンジの丸い太陽と一筆書きの雲。山や建物は丸味をおびていて、俗に言うメルヘンの世界だ。
「家の形とか色使いとか、なんかほわっと温かみがあると思わない?」
「言われてみれば、そうよね」
「でしょ! 多分ここ、なにかの童話みたいな世界だと思うんだ」
「水瀬くん、それ、なんかフラグな気がするんだけど?」
「大丈夫。子供が読む絵本のような世界で、大した事件は起きないって!」
………………って、あれ?
「ベルノさん、いったいなにを……」
「ふっふっふ。とうとう、このベルノの時代が来たようですニャ!」
「え、いや、時代って……え~、なんで……」
うかつだった。前回もよそ見している間に、葵さんが執事の項目に触っていたんだった。そして今回もまたやって、いや、やられてしまった。
と言うかベルノもプレイヤー扱いなんて聞いてないぞ。
「もう、なんでベルノが探偵なんだよ」
本作はネオページにて契約作品として展開しています。
編集部の意向で、宣伝のために転載していますが、内容は同一です。
その為、ネオページからは15話程度遅れています。
もし興味を持っていただけましたら、サイトの方に来ていただけるとありがたいです。ネオページの登録も是非^^
Xのリンクから飛んでいただくか、検索で【ネオページ 異世界スゴロク】で出てきます。
よろしくお願いします!




