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【異世界スゴロク】止まったマスで転移する呪いの冒険譚 ~ゴールしなければ生き残れない~  作者: 幸運な黒猫
没落令嬢のダンジョン生配信

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第37話・【没落令嬢のダンジョン生配信 その7】

「さてと、どうやってフラグ回避させようかな」


 盛大に死亡フラグを立ててくれたアナキン。心情的には放っておきたいけど、ミッションクリアのためには守らなければならなくなってしまった。


「とりあえず、闇討ちして戦闘不能にしちゃうってのは?」

「ハッピさん、ド直球ストレートでデッドボール狙わないで下さい。マジで怖いです」

「え〜、だってその方が早いじゃん」


 確かにそれが一番手っ取り早い。しかし……


「配信しているパーティーだから、すぐにバレて垢バンですよ」


 まあ、バレなければいいって話でもないけど、リスクは極力負わない方がいい。死亡フラグ回避と同時に、1億G稼がなければならないのだから。


「やあね〜、冗談よ。わかってるってば。(……ちっ)」


 ……もう、なにその残念そうな舌打ち。


 そこまでしなくても、例えば寝かして戦線離脱してもらうとか、どこか違う場所に行ってもらうとかでいい。


 だた、直接アナキンに対してなにかをして、それが配信に映りでもたらその時点でアウトだ。


「とりあえず、彼らの配信を観ながら居場所を確認して動くしかないね」


 今回配信を行うのは、僕らとアナキンの2パーティーだけだった。微笑(ほほえ)みの暴風団や雷光の一撃は、ギルドからの調査依頼で動いているので、配信はしないらしい。


「お嬢様、あれを」


 と、イノリさんが示す先を見ると、休憩所の一角に大きな木箱があった。中にはバカでかいアイスピックみたいな物が大量に入っている。

 

「なにこれ?」

「リレーピックですわ」

「ああ、これがそうなのか」


 リレーピックとは、配信用魔道具のひとつで自律飛行型カメライン・リモートスキャナーの映像データを転送する中継器だ。これを一定間隔に打ち込む事で、ダンジョン内の映像をリアルタイムで配信できるようになる。


 この配信システムは、冒険者ギルドがダンジョン内部の把握と、遭難者の救出のために必要な物でもあるので、エリア拡張のために携帯が義務になっていた。


 ある程度進んだら打ち込み、情報の共有をする。1本だけ遠くに持って行ってもダメで、リレーピック同士の通信をつなげないと意味がない。


 つまり、リレーピックの展開も、開拓の一環って訳だ。


「あ、入る前に注意事項の再確認をお願いします。この辺りを徹底してもらうのも、我々の業務のひとつなので」


 と、安全確認を促してきたのは雷光の一撃リーダーのマックイーンさん。彼らくらいのベテランになると、他パーティーへの注意喚起や保全業務も課せられるらしい。


 今回、雷光の一撃と微笑みの暴風団が冒険者ギルドから受けている内容は、ダンジョンマッピングとリレーピックのエリア拡大、他のパーティーへの注意喚起とサポートと言っていた。


 この業務、簡単なようで実はかなり面倒くさい。最初は一団で進み、分かれ道があったらそれぞれのパーティーごとに分かれて進む。そしてその先でも分かれ道があったら、その時点で一旦戻る。


 合流して打ち合わせをしたあと、二つ目の分かれ道に行って左右に分かれる。……これの繰り返しで、少しづつエリアを広げていく。


 そうやって安全を確保しながら、マッピングするギルドの業務があってこそ、二階層の休憩所までスムーズに来れるルートができ上ったという訳だ。


「みんな、そろそろ行こうか」


 本当ならもう少し休みたいけど、アナキンの死亡フラグ回避のためには、あまり引き離されるわけには行かない。


「イノリさん、インキャの起動よろしく」

「わかりました。全員、一列に並んで下さいね」


 あらためて言われると緊張するな。横を見るとショーンもコネリーもガチガチだ。


「いきます。3…2…1…キュー!」


「ミナミお嬢様のハッピーチャンネル、ダンジョン生配信スタートやで!」


 ナロー執事長の饒舌なタイトルコール。軽快な音楽と相まって、明るく楽しいをイメージしたオープニングが流れる。


「今日は三階層の攻略や。気張りますさかい、応援よろしゅうたのんまっさ!」


 しかしコメント欄には〔ハッピー様~LOVE♡〕とか〔ハッピー様のネコちゃんが萌えかわいい〕とか、中には〔その御御足(おみあし)で踏んでください!〕なんてコメントまでもがあふれていた。


「なんや、ワイの存在意義あらへんなぁ……」


 その気持ち、よくわかる。タイトルコールのあとは、パーティーリーダーである僕が意気込みを語る予定だったけど……ここは視聴者の声に答えた方がよさそうだ。


(葵さん、例のセリフを)

(え〜、本当に言わなきゃダメなの?)

(当たり前でしょ。これもチェキ会の経費のうちです)

(……もう、あとで覚えていなさいよ!)


 葵さんは指ピストルをインキャに向けると、あらかじめ練習しておいたセリフを恥ずかしげもなく言い放った!


「今日も最高のステージで、キミのハートを奪っちゃうゾ!」 


 ――チャリンチャリン!!


「よそ見禁止。ボクだけを観てほしいな!」


 ――チャリチャリチャリン!!


「ねえ、イノリさん、このチャリチャリした音はなに?」

「これは投げ銭が入って来た音ですわ」

「そんなシステムになっているのか」 


 ――チャチャチャチャリン!!


「なんともボロい商売ですね」

「イノリさん、しーーー!」


 ……いや、確かにボロいな。

 


 

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