第1章 全身ドロだらけの霊
雨の日に必ず◯◯交差点の角に立っているドロだらけの女子高生の霊がだいぶ前から理沙は気になっていた。何か言いたそうだったから理沙は車を停めて女子高生の霊の前に立った。「雨の日、いつも立っているけど、どうしたの?いつもドロだらけだけど?」理沙は話かけた。「はい。河口さんですか?はじめまして、私、与田由美と申します。鈴木真理子ちゃんから話の出来る女の人がいるからこの交差点に立っていると話かけてもらえると聞いたもので。」由美が理沙の顔を見て言った。「あなたの瞳ワインレッドなんだね。」理沙は聞いた。「はい。生きたまま埋められて死んだ人はみんなワインレッドの瞳なんですって!三途の川の船頭のおばあちゃんが言ってました。ドロだらけなのは私まだ土の中に埋まっているからなんです。そこのラーメン屋の裏の雑木林に埋まってます。ほりおこしていただけませんか?お父さん、お母さんの所へ帰していただけませんか?」由美は理沙の目を見つめワインレッドの涙を流して懇願して来た。手を合わせていた。「あなた、その制服◯◯女子学園、私の後輩だわ。わかったから涙をおふき。」理沙は由美の手にハンカチを渡した。手に触れたが氷のように冷たかった。「わたしの先輩でしたか?私、雨の日はここで立っているのはドロを落とそうとして立っていますがいっこうにドロか洗い流せなくて、早くドロの中から抜け出せたら綺麗になるのかな?」由美は、ワインレッドの涙を流し泣き崩れた。「私、5年前、下校途中に知らないおじさんに拉致されて乱暴されて殺されて埋められたんです。まだ、17歳でした。」由美の泣き声が理沙の胸を打った。「犯人覚えているの?」理沙は尋ねた。「覚えてます。忘れるものですか?」由美のワインレッドの瞳がキラリ光った。「鈴木真理子ちゃんのお母さんがこの交差点にいれば必ずみつかるから復讐しなさいと背中を押されここに毎日たっています。」由美は理沙の目を見つめた。