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第9話 【加護の力と、新たな来訪者】

見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。


  ダンジョン最下層での試練を終え、レオルたちは村へと戻ってきた。


 ダンジョンから持ち帰った素材は豊富で、特に魔力を帯びた鉱石や、幻想種の木材は、村の整備と強化に大きく貢献できそうだった。


「ふふ〜ん♪ 今日からわたし、武器職人見習いに転職する〜!」


 ミルは興奮した様子で、拾ってきた素材を机の上に広げている。


「これとこれを組み合わせたら……おぉ、すごい反応!」


「危ないからちょっと落ち着け、爆発フラグはやめてくれ……」


 レオルは苦笑しながらも、内心は静かに燃えていた。


(加護付与のスキル、、

 “感情”と“関係性”によって、力を宿す……)


 初めて使うスキルだったが、創造スキルと連動しているせいか、直感的に理解できる。


「そうだな…!まずは……エルフィナに試してみるか?」


 レオルはエルフィナのために、新しい弓を創造した。

ダンジョンで手に入れた精霊木と魔鉱石を使ったそれは、美しい白銀の光を放っていた。


「これを、私に?」


「おう。“守りたい”って気持ちを込めて創った。試してみてくれよ!」


 エルフィナが手にした瞬間、弓は淡い蒼い光を放つ。


【加護発動•風精の導き】

・使用者の集中力と風の流れを一致させ、命中精度と反応速度が上昇


「ねぇ……レオル、これ…すごいわ。まるで弓と心が繋がってるみたい」


 彼女の頬が、少し紅潮した。


「ありがとう、レオル!大事に使うね」


 その言葉に、レオルは少し照れながら、次はセラ用の杖を創造した。


 氷晶石を軸に、ダンジョンで見つけた“霊花”を先端にあしらったもの。


「これは……?」


「お前の魔力制御を助けるように作った。氷の精霊が宿ってるらしい」


 セラが触れると、杖から涼やかな氷風が舞い、周囲の空気が冴え渡る。


【加護発動:氷華の結界】

・魔力制御を安定させ、暴発や疲労を軽減する

・一定時間、氷属性の防御結界を張ることが可能


「っ……すごい、魔力が優しく流れてくる。これが……“加護”」


 その瞳には、ほんのりと光が宿っていた。


「ありがと、レオル。……わたし、もっと強くなる」


「おう、期待してるぜ」


 こうして村の仲間に次々と“加護付き装備”を作るレオル。


 だが、彼の創造はそれだけでは終わらなかった。


 木材と鉱石を使い、村の中央に新たな施設を創造する。


「おぉおお!? これって、宿屋と風呂!? すごい!!」


「うむ、名付けて“癒しの湯宿・レオレオ館”だ!」


「「ぐぅぅ…名前だけはダサい……っ」」


 ミルとセラがツッコミを入れたが、村に初めての宿泊・休息施設ができたことで、皆の疲労も大幅に回復した。


 そして夜。


 村の外れから、微かに“誰かの気配”が届いた。


「んっ?……何か来たか?」


 レオルが村の門へ向かうと、そこにはひとりの男が立っていた。


 漆黒のローブに身を包み、顔には仮面。手には杖と、調査用の巻物。


「この地に……文明の痕跡があるとの報告を受けてな。まさか、本当に村があるとは思わなかった」


「お前……どこの者だ?」


「ふむ、名乗るなら“調停者”とでも。だが、私の後ろには“王国”がある」


 その言葉に、レオルの背筋がわずかに緊張する。


 王国。かつて自分を殺した世界、、、


 男は村の様子を一通り観察しながら、こう告げる。


「この未開の地に、何者かが文明を築き、魔力施設を稼働させている。……このまま放置はできんな。

だが、面白い」


「……何が面白いってんだ」


「我々は君たちを“敵”と見るか、“興味深い実験対象”と見るか、、、その判断を上に持ち帰る」


 男はそう言い残し、背を向ける。


「……いずれまた会おう。創造の半神よ」


 レオルはその背中を見送ったあと、ぎゅっと拳を握りしめた。


(敵か、味方か。いずれにせよ、、

 来るぞ、次の波が)


 村に、そして彼自身に、次なる運命の影が忍び寄っていた。



            続

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