第26話 【因果無限域(エンテレケイア)】
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無数の歯車が咆哮を上げる。
機神都市メタファクター、その最奥部。
レオルたちを乗せた回転床がゆっくりと下降し、やがて巨大な“地下空洞”に辿り着いた。
そこは、空も地も存在しない。
ただ、浮遊する金属の球体と、輝く演算式が空間全体を埋め尽くしていた。
「……ここが、“因果無限域エンテレケイア”」
ノアが小さく呟いた。
「なんだ…?これは……やばいな」
バンザイが目を見開き、周囲を見回す。
空間の中には、いくつもの“神格存在”が静止していた。だが、それは生気のない、、、
いや、“感情を持たない”存在たちだった。
かつての神々の模倣体ロゴス・モデル。
かつて創造神たちが、失敗とされ封印した、理性なき神格兵器。
「完全に“演算のみで動く存在”……
理想と効率だけで構築された、魂のない創造主…か」
ファルが眉をひそめる。
そのとき、、、
空間の中央に浮かぶ一体の《モデル》が、ゆっくりと動き出した。
その名は、、《アーカ・ゼロ》
因果記録の全てを掌握する“演算神核”を持つ、制御塔たる存在。
『創造者、レオル。観測者ノア、拒絶者ファル=アヴァロン。および同行者たち』
『“問い•創造”に感情は必要か?』
「もちろん!!……必要だ!」
レオルが真っ直ぐ答える。
「俺たちは、“誰かのために”創る。
そこに心がなきゃ、世界なんて形だけだ!」
『非合理的。感情とは、効率と秩序を崩壊させる』
『問いの“再提出•創造”に、個の意思は必要か?』
「あぁぁぁぁ!うるさぁぁぁぁいっっっ!!」
ディアボラが声を上げた。
「本当アンタたちってさ、ぜんっぜん面白くないのよ!
世界ってのはさ、“ドキドキ〜”っとか“ムカッ〜
”っとか“ギュンギュ〜ン”ってのがあって初めて“生きてるのよ”♡」
「それ説明になってる……?」
ミルが苦笑い。
だが、、その言葉に反応するように、、
《アーカ・ゼロ》が演算を開始した。
『非効率因子、観測完了。創造排除モード、、起動』
周囲の《モデル》たちが同時に目を開けた。
十数体もの神格模倣体が、一斉にレオルたちを睨む。
「ははは、ディアボラ、、ダメみたいよ…
みんなっ!来るぞ!」
ルーナが影から飛び出し、即座に斬撃を放つ。
「[黒閃]•《無影剣》!」
しかし、その一撃は寸前で“停止”させられる。
「また攻撃が因果停止されてる!?」
ノアが歯噛みしながら叫ぶ。
「よっしゃっ!!なら俺がぶち抜く!」
バンザイが突撃し、巨大鍋を構える。
「《二刀流双鍋神烈破•ドカンメテオスマッシュ》!!」
だが、それも演算により“先読み”され、回避される。
、、状況は絶望的に見えた。
だが、ファルが一歩前に出る。
「じゃあ、因果を乱す僕の出番だね☆」
彼の周囲に白と黒の式が回り、空間が歪む。
「この戦域、“未来の可能性”が限定されてるだけ。
だったら、可能性の“外側”に行けばいい」
「ファル……!」
「“選ばれなかった式”よ、、開け、、!
《ナンバリング・ナン》!」
ファルの拒絶式が拡張し、《モデル》たちの演算網に“記録されない動き”を強制的に割り込ませる。
演算神核アーカ・ゼロが、一瞬だけ処理を停止した。
「今だわ!!」
セラが氷魔法を集中。
「《極氷結界•ユグドラズラグ》!」
ミルが支援魔法で全員を加速。
「《叡智加速•フルスペルリンク》!!」
ルーナとディアボラが左右から挟み込む。
「合わせな!爆乳魔王!
《幻影迅刃•クロスイレイズ》!」
「りょ〜かい♡
《爆裂超乳愛撃•ブレストハートクラッシュ》♡」
エルフィナが弓を引き絞り放つ。
「《風神乱射》!!」
そして、、、
「創れ!!」
レオルが神核を解放し、新たな創造の回路を描く。
「[創造因果]•《繋がる未来》!!」
光が閃き、因果を越えた意志が空間を染め上げた。
神格模倣体たちが、ゆっくりと停止していく。
演算では処理しきれなかった、“心ある創造”の力。
『解析不…能……しかし、記録は進行中……』
アーカ・ゼロの声が、やがて消える。
空間が崩れ、回転床が再起動する。
レオルたちは、再び機神都市の地表へと戻った。
「やった……んだよね…?」
ミルが顔を上げ、皆の無事を確認する。
「ああ……勝ったんだ。感情で、な!」
ファルが小さく笑った。
「どうやら、“記録されなかった僕たち”にも、未来はあるらしいね」
「当たり前だろ、ファル!」
レオルがファルの肩を叩く。
「お前は、俺たちの“仲間”なんだから!」
続




