第19話 【休息と、織り直される日常】
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、、神の理を織る“核心の座”を越えた翌日。
レオルたちは、拠点として創造した“浮遊の庭”、、 空中に浮かぶ美しい休息地へ戻っていた。
雲より高く、風は穏やかで、空はどこまでも澄んでいる。
重たい戦いの記憶を癒すには、これ以上ない場所だった。
「うわあぁぁぁ……見て! 雲の上に温泉が湧いてるっ!」
ミルがはしゃぎながら、白い湯けむりに包まれた天然の温泉へと駆けていく。
「んー、いい香り……これは、レオルが“癒しの源泉”として創造したものね」
セラが、そっと湯に手を浸す。
「ふふふ……私、空飛ぶお風呂なんて初めて♡♡
さっそく脱いじゃってもいい?」
ディアボラが服の裾をぺろんとつまみ、ぼろんと爆乳を揺らす。
「うん!大きい! いやっ、そうじゃなくて……誰も止めないと思うが、脱ぐ前にタオルは巻いてくれ」
ルーナが呆れつつ、目をそらす。
「へいお待ち! 本日限定、“天空鍋”完成です!」
バンザイが特製の空鍋を抱えて登場する。
湯気の立ちのぼる鍋の中には、天空草と金色の鳥肉、謎の浮遊貝が煮込まれていた。
「おぉ……この香り、これは料理じゃなくて、芸術だ……」
ファルがうっとりと見つめていたが、、
そのお腹がぐぅうううっと鳴った。
「……君、またお腹鳴らしてるのか」
ノアが半笑いでつっこむ。
「いや違うんだ、これは体の反射的な反応であってだな……。パンダ君に胃袋を掴まれたと言うか…、、
も、もう食べていいかな?」
ファルがスプーンを手にしてじわじわと鍋に近づく。
「みんなでいただきますしてからねっ♪」
ミルがにっこり笑って止める。
そして、、
「「「いただきます!!」」」
浮遊の庭に、笑い声と食器の音が響いた。
◇ ◇ ◇
「なあ……」
レオルが空を見上げながら、ぽつりと呟く。
「こういう時間が、こんな幸せがずっと続けばいいのになって……時々思うんだよな」
「そうね。理屈じゃなくて、“心”が満たされる時間って、あると思う」
ノアが記録紙を閉じ、寄り添うように言った。
「争いのない世界……レオルが目指してる場所って、こういうのの延長線なんでしょ?」
セラが微笑む。
「たとえ一日でも、一瞬でも、誰かが“幸せだ”って思える世界を、少しずつ広げていく……それでいいのよ」
エルフィナが静かに言葉を重ねる。
「ん〜……けど、次に何が起こるか分からないのも、面白いんだよね☆」
ディアボラが骨付き肉にかぶりつきながら、破顔する。
「で? 次はどこ行くんだ?」
バンザイが箸を持ったまま尋ねる。
「“核心の座”の奥で、まだ“開かれてない領域”があるの」
ノアが応じる。
「“理が拒絶したものたち”が封印された場所……
《零域ゼロ・テリトリー》、、そこに、次の鍵があるはずよ」
「“拒絶された者たち”か……それ、俺が元モンスターだったのと似てるな」
レオルが呟く。
「……きっと、あそこにも、“居場所を持たなかった存在”がいるのね」
ミルがふと、静かに言った。
その夜。
皆が眠りについたあとのことだった。
レオルは、一人で空の端に立ち、風に吹かれていた。
すると、ふわっとした毛布を肩にかけてくれたのは 、、ファルだった。
「君たちががそうしてると、また“救世主ごっこ”かって思うけど……案外、君のやってること、嫌いじゃないよ」
「……ありがとうな」
「それに、僕みたいな“拒絶された存在”でも、、
こんな風に受け入れてくれるなら……」
ファルは、どこか照れたように口を尖らせる。
「……一緒にいてもいいかな、なんてね☆」
「ふふっ!もちろん!ファルの気が済むまで一緒にいたらいいよ」
レオルが応じると、ファルはふっと笑って背を向けた。
「じゃぁさ!次のヤバいとこは、僕がガイドしてあげるよ、、君たちだけだと、世界に潰されそうだからね♪」
その言葉に、レオルは確信した。
自分の旅は、“ひとり”ではないのだと。
翌朝。雲の隙間から、光が差し込む。
新たな扉が、音もなく開きかけていた。
そこには“拒絶者”たちが待つ、誰も知らない領域が広がっている、、。
続




