第18話 【核心の座と、織られる理】
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、、“旧神の遺産”の試練を越え、、
世界創造の“鍵”を手に入れたレオルたち。
その先にあるのは、設計図の“核心”、神々がかつて創り上げた秩序そのものが眠るという階層、、
《核心の座》《ハート・コード》。
重力のない階層を進んだ先に、それはあった。
光の織機のような構造体が浮かび、時に音楽のような機械音を奏でている。
無数の光糸が空間を編み、天井から床まで一本の“巨大な織物”を形成していた。
「……あれが、“世界の理”を織ってるってこと?」
ミルが圧倒されながら、光の糸を見上げる。
「えぇ。世界はこの“根本の構文”によって成り立ってる。ここで織られた情報が、現実として投影されてる」
ノアが神妙な声で応じた。
「すげぇな……世界って、ちゃんと“設計”されてんだな」
バンザイが感嘆の声を漏らしつつ、鍋のフタを押さえて警戒を緩めない。
「でも、誰がこれを動かしてるの? 神はもういないんでしょ?」
セラが疑問を口にした。
「理そのものは自動で“回る”の。だけど、、」
ノアが何かに気付き、そこで言葉を止める。
そのとき。
空気が震え、巨大な光の織物の奥から、“存在しないはずの者”が姿を現した。
それは、白と黒のローブを纏った中性的な存在だった。顔は仮面に覆われ、目は光ではなく“空洞”を宿していた。
『ようこそ、創造者たちよ』
「お前は……?」
『我は“コーダ”、、、かつて神々が編み出した“織り手”の残像。
理そのものにして、あらゆる構造の管理者。
存在の連続性を保障するもの』
機械のような声なのに、どこか人間臭い響きがあった。
『この世界を“壊して創り直す”そんな我儘なことが許されると思っているのか?』
「俺たちは、壊したいわけじゃない!」
レオルが一歩前に出る。
「争いのない未来を目指す。そのために、この“理”と向き合うために来たんだ」
『その理想は、既存の秩序と衝突する。“理”は、混沌を拒む』
コーダの身体に黒い靄がまとわりつく。
『よって、創造者、、、
レオル=アークを《無限差分の迷宮》へと転送する』
「なっ……!」
空間が歪んだ瞬間、レオルの姿が消える。
「レオル!? くっ……何て空間干渉……!」
ノアがすぐに解析を始めるが、残された座標はゼロ。完全な次元隔離だ。
「どうやら“レオル以外”には用がないってことね」
ルーナが短剣を構えながら睨みつける。
「俺たちも動くぞ。レオルがいないなら、俺たちが“こっちの世界”を守る番だ」
バンザイが双剣を抜き、前へ出る。
「ここで私たち負けちゃったらさぁ、、
“レオルたん”に笑われちゃうでしょ♡」
ディアボラが爆裂魔法の陣を展開し、仮面の存在を睨む。
◇ ◇ ◇
その頃、レオルは、、、
無限に連続する鏡の中に囚われていた。
周囲には、“もしも”の自分たちが無限に存在する。
、、もし王女を助けなかったら?
、、もしモンスターのままだったら?
、、もし創造の力を拒絶していたら?
無数の可能性がレオルを包み込み、精神を圧迫してくる。
「くっ……こんなんじゃ、心が潰れる……!」
だが。
ふと、胸元で光が灯る。
それは、、“仲間たちとの想い出”だった。
ミルの笑顔。
ポポの欠伸。
セラの献身。
エルフィナの優しさ。
ルーナの背中。
ディアボラの無邪気な破壊欲。
ノアの言葉。
バンザイの料理の匂い。
ファルの食べっぷり。
「俺は!!あの村に、みんなのところに帰るんだぁぁぁ!!」
その叫びと共に、レオルの神核が脈動する。
無限の鏡を一閃に割り、レオルが現実へと“再創造”される。
その瞬間。
戦いの最中にあった仲間たちの背後に、光が走る。
「みんな!遅れて悪かったな!」
レオルが天から降り立ち、その手に“世界創造の鍵”を構える。
「理よ、、俺たちの世界に、“選択肢”を加えろ!」
『……ふふ。理解を超えた結果か。
では、君たちに一つだけ問おう』
仮面の存在、、コーダが最後の審問を投げかけた。
『では“選べない者”たちは、どうなる?』
レオルは答えた。
「だからこそ、俺たちが“選べる世界”を創る。
どんなに小さくても、“選べる余地”がある限り、人は前に進める」
静寂ののち、コーダは、ふっと肩を落としたように見えた。
『……了解。“理の一端”、譲渡を許可する』
織物の一部が光を放ち、レオルの手に収まる。
、、それは、世界の構造そのものを書き換える権限だった。
「ついに……手に入れたんだな」
レオルが呟く。
『創造者レオル=アーク、そしてその仲間たち、、
今より、君たちの旅は“理を越える”道へと入る』
機械の声がそう言い残し、仮面の存在は霧散した。
だがその背後で、誰にも気づかれぬ影が微かに蠢いていた。
、、世界の“余白”に潜む、“神の敵”が目を覚ましつつあるとも知らずに、、
続




