第17話 【遺産の番人】
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拒絶者との戦いから数日後、、、。
ノアの観測装置が、村から北東の地平線に異常反応を捉えた。
「……これは、“旧神の遺産”の座標と一致してるわ」
高台に立つレオルたちの背後で、ノアが地図と記録紙を重ね合わせながら言った。
「ついに来たか。“神の残した本命”ってわけだな」
バンザイが腕を組んでうなる。
戦闘用の黒い胴着の下に、料理道具をしっかりと詰め込んでいる。
「その中に……この世界を創った“設計図”が眠ってるの?」
ミルが不安げに問いかける。
ノアは頷く。
「ええ。ただし、それを“管理する存在”も残されている可能性が高い。いわば、“神の最後の番人”よ」
「……興味湧くわね♡」
ディアボラが小さく笑った。
「破壊してきたものの“総決算”って感じ?
私の趣味にも合うわ♡」
「おいおい、暴れる前に腹ごしらえさせてくれよ。
胃袋ってのは戦力だからな」
バンザイが冗談めかして鍋の蓋をチラリと開ける。 中には、彼の手で完璧に保温されたスープが湯気を立てていた。
「安心しろって!レオルがいれば、たとえ神様が相手でも、俺たちでなんとかなるだろ?」
「……ありがとう、バンザイ。
みんな、準備はできてるか?」
仲間たちは各々の装備を確認し、頷いた。
「じゃあ、行こうか、、神の遺産の“心臓”へ!」
遺構の入り口は、古代神文字で封じられていた。
「[神創造]•《開門》」
レオルが手をかざすと、文字が蒼白く光を放ち、巨大な扉が重厚に開いていく。
中は、まるで“星の内側”のようだった。
壁面はすべて銀と黒で構成され、天井には浮遊する歯車と光の文様。
重力すらも不安定で、空間そのものが常に変容していた。
「ここ……空間が“定まってない”」
ミルが体勢を崩しかけ、バンザイが後ろから軽やかに支える。
「おっとっと。ほらミル、深呼吸な。
未知ってのは、旨い料理と一緒で、まず“香り”から味わうもんだ」
ミルは少し照れたように笑い、バンザイに小さくお礼を言った。
「旧神は、“不安定な創造”を元にして世界を作った。その“最初の混沌”が、ここなんだ」
ノアが解説する。
「ふふっ!来たよ。“番人”が」
ファルが前方を見据える。
遺構の奥。
広大な空間の中央に、ひときわ巨大な“棺”があった。
レオルが一歩近づいたその瞬間、、、
棺がゆっくりと開いた。
中から現れたのは、一対の黄金の翼を背負い、機械の鎧を纏った存在だった。
顔はなく、代わりに空虚な仮面が浮かんでいる。
『確認……創造者、接近。アクセス権、、未認証』
『“世界創造権”の解放を望むならば、試練を越えよ』
「自動判定か。こいつが、“遺産の番人”だな」
レオルが構える。
『試練内容、、、“存在の否定”』
その言葉と共に、空間がグニャリと変化した。
レオルたちは、、“かつての自分”と対面していた。
レオルの前には、炎に焼かれた“モンスターの姿のままの自分”が立っていた。
『なぜ人間を助けた? なぜ生き返ってまで、同じ存在たちを捨てた?』
「……違う。捨てたんじゃない。俺は、過去も未来も 全部、受け止めて前に進むんだ!」
その叫びと共に、レオルの創造スキルが輝き、“偽りの自分”を打ち砕く。
一方、ミルは“知識に囚われ、怯えた過去の自分”と対峙していた。
「怖い……でも、今はレオルや皆がいてくれる。だから、私は前に出る!」
彼女の杖が光り、幻影を吹き飛ばす。
セラは“凍てついた孤独な自分”と向き合い、、
エルフィナは“王女だった頃の、何も守れなかった弱い自分”を超えた。
ルーナは殺伐とした影の中から、“命の重さ”を思い出し、、
そして、ディアボラは微笑んだまま、自らの“破壊衝動だけの魔王”を砕いた。
「ざーんねん♡今の私は、レオルたちと笑いあえる存在だからね♡」
ノアとファルは、“観測しか知らなかった記録体”と、“すべてを拒絶した孤独”をそれぞれ乗り越えていた。
「……君たち、本当に、面白いよね……☆」
ファルが、わずかに笑った。
そしてバンザイもまた、かつての自分と向き合っていた。
かつてはただのパンダ。
料理だけを信じ、誰かのために剣や暴力を振るうことはなかった。
「パンダが二刀流で“料理”なんて笑われたこともあったっけな」
昔の自分がバンザイに言う。
「戦場に“鍋”を持ってくる奴なんていねえよ」と。
だが、バンザイは笑う。
「はははっ!違うなぁ。俺が鍋を振るうのはよ、、
戦う相手も、仲間も、“生きて腹一杯で帰らせたい”からだ!!」
言葉と共に振り下ろした双剣が、影の幻を一閃した。
「それが俺の、、“昔と今”なんだよね…」
番人が静かに佇み、最後の審問を放った。
『全員、存在の再定義を完了。創造者としての“統合”を確認』
『レオル=アーク、、世界創造の“鍵”を授与する』
宙に浮かぶ鍵型の文様が、レオルの胸元に吸い込まれる。
「これが、“神々が設計した世界の鍵”……」
「次に向かうべきは、“秩序の核”が眠る場所」
ノアが告げる。
レオルは仲間たちを見回し、静かに頷いた。
「よし。次は、、“神と世界”の本質に逢いに行くか…」
、、こうして、番人を越えたレオルたちは、次なる階層“核心の座”へと歩を進める。
続




