第15話 【村への帰還と、再出発の朝】
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、、ファルとの激戦から一夜が明けた。
裁定の都市メギドでの戦いのあと、レオルたちは創世の門を通じて、一度村へと帰還することを決めていた。
「戻る場所があるって、やっぱり大事だよねっ」とミルが言い、
「補給も準備も、一回村で整えてからじゃねぇとな」とバンザイがうなずいた。
今やレオルたちの村は、創世の冒険と共に進化を遂げつつある。
最初に創られた温泉や畑に加え、氷精の冷却庫、魔王ディアボラの訓練場、ノアの観測室まで、、
すべてが今や“創造された世界のひな型”になっていた。
そして今日。
朝日が木々の合間から差し込み、ポポのあくびの声と鳥のさえずりが心地よく響く中で、村の広場には賑わいがあった。
「よーし、久々に“本気の料理”ってやつを振る舞ってやるか!」
バンザイが鼻息を荒くし、レオルの前に立つ。
「レオル、頼む! この広場の隅に……俺専用の最強厨房を“再創造”してくれ!!」
その言葉に、仲間たちがどっと笑った。
「厨房って……また、変な設備つけないでよね?」
ルーナが呆れ顔で言えば、
「私も! 今回はスイーツ部門担当でお願いしますっ」
と、ミルが元気よく挙手する。
レオルは笑いながら手をかざす。
「あははっ!よしっ、いくぞ!!
[神創造]《移動式厨房設備•バンザイ特化型》!」
地面が光り、そこから立ち上がったのは鍛冶場のような頑丈な鉄のキッチン台と、魔法炉、冷蔵保管庫まで兼ね備えた本格的な厨房。
「おおおおっっっ! やっぱりお前の[創造]は最高だぁぁぁぁ!!」
バンザイが両腕を上げて叫ぶ。
「ふふっ。じゃあ、宴の準備ね☆」
セラは氷魔法で氷の器を作り出し、料理の冷却保存を手伝い始めた。
「私、何か手伝えることあるかしら?」
エルフィナが弓を背負ったまま、料理の下ごしらえに加わる。
「お肉の味見なら私にお任せ〜♡」
ディアボラが豪快に肉をかぶりつき、頬をふくらませて笑う。
「うわぁ……味見どころじゃない量食べてるし!」
ミルがツッコミを入れつつも、微笑ましく見守っている。
「観測記録のために、料理手順も記録しておくわね」
ノアは魔法紙にペンを走らせながら、味の変化まで記録していた。
そんな和やかな空気に、レオルも自然と笑みを浮かべた。
「みんなが笑ってる。それだけで、この村は“価値のある世界”だと思えるよ」
焚き火が燃え、テーブルに料理が並び、村の仲間たちは一斉に輪になって座る。
久しぶりの帰還、、
そして、これからの再出発に向けた、静かで力強い“祝宴”だった。
その宴の最中、、、
そっと、誰かがテーブルの隅に腰掛けた。
「ん……あれ? 何このいい匂い……」
寝ぼけまなこのまま、腹の虫を鳴らしていたのは、 ファル=アヴァロンだった。
「……って、なんで僕ここに座ってるのさ? やだ、また寝てた!? ご飯ある!?」
「あるよ!食べてくんだろ?」
レオルが微笑んで差し出したのは、温かいスープと焼きたてのパンだった。
「……君たち、ホント変わってるね。
昨日までの敵に、またご飯出すなんてさ……」
ファルはぶつぶつ言いながらも、スープを口にする。
「……うまっ…やっぱうまっ!」
目を細めながら、彼はしばらく黙っていたが、、
「んー☆ひとりぼっちでいるより、レオルたちといた方が楽しいかもね!」
そしてにやりと笑った。
「あははっ!だから……一緒に戦ってあげるよ☆
皆殺しだよ♡ ……うそうそ、ちょっとだけね!」
全員があっけに取られ、次の瞬間、ディアボラが爆笑する。
「あははっ!気が合いそうじゃん♡
そのノリ、嫌いじゃないよ♡」
「はぁ……またちゃんと変なのが増えたよ」
ルーナが額に手を当てる。
「でも、仲間が増えるってことは、強くなれるってことです!」
ミルが笑顔でフォローを入れた。
新たな旅、新たな仲間、そして新たな創造へ、、
村は、再び動き出す。
宴が終わり、静けさが戻るころ。
レオルは夜空を見上げていた。
星の光の先に、“創世の門”の残響がうっすらと輝いている。
「……次は、“神の敵”だな。
けど、俺たちは、誰もが帰れる場所を守りながら、進んでいく」
そっと握った拳の中に、“世界の未来”が宿る。
そして、次なる試練はすぐそこに迫っていた。
続




