第10話 【空白の書庫と“失われた真理”】
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否定の王を封じた翌朝。
レオルたちは“創世の門”の奥、、静かなる回廊へと足を踏み入れた。
そこは、何もない空間だった。
重力も音も気配もない。
なのに、“誰かに見られている”という錯覚が消えない。
「これは……空間そのものが、“記録されていない”のね」
ノアが警戒しながら、観測紙を広げるが、、何も書き込まれない。
「ここは“空白領域”。神々の記録からも、世界の観測からも“外れた”場所よ。まるで“創造の余白”みたいな」
「つまり、ここには“まだ名前が与えられてない”ってことか……」
レオルが呟くと、バンザイが腕を組んで唸った。
「じゃあ、ここにあるものすべてが……原初のままってことか」
「面白いね! ってことは、私たちで名前をつけて、記録できるってことだよね!?」
ミルが目を輝かせて言うと、ディアボラが面白そうに笑った。
「“無垢のおぼっちゃん”って感じじゃな〜い♡?
あたしたちで汚してあげようかしら♡」
「“汚す”じゃなくて、“彩る”ね」
ルーナが影の中からささやき、皆の頬が緩む。
すると、そのとき、、、
何もなかった空間に、突然“階段”が現れた。
白く、淡く、まるで霧でできたような段差が、ゆっくりと下方へと続いている。
「……見えてきたな」
レオルが静かに言い、全員が頷いた。
「行こう。“空白の真理”を探しに」
階段を降りた先にあったのは、、、
巨大な書庫だった。
だが、そのすべての書架に、本はなかった。
あるのは、無数の“空の背表紙”だけ。
「これは……記録されなかった“歴史”の収蔵庫……?」
ノアが驚愕の表情を浮かべる。
空白の書庫。
それは、神々が“世界の均衡を乱す”と判断した記録をすべて封じた場所。
いわば、“真実の抹消”を司る禁忌の領域だった。
「うわわ、なんか勝手にページが開いたよ……」
ミルが指差した先では、一冊の“白紙の本”が光を放ち始めていた。
ページに、黒いインクが勝手に描き出される。
【記録番号:A000 記録名•最初の神核と、神の裏切り】
「……っ!」
ノアの瞳が大きく揺れる。
「それは、、存在してはいけないはずの記録よ!」
「存在してない記録……? でも、今まさに目の前に“現れてる”ぜ?」
バンザイが言うと、ページがパラパラとめくられ、さらなる言葉が現れた。
【世界創造神“ヴァーミリオン”による禁忌の実験。
記録消去命令対象。
理由•神格の逸脱と、自己進化の危険性】
「神格の……逸脱……?」
「つまり、“創った神”が、自分の意志で世界を創り変えようとした……?」
エルフィナの声が震える。
だが、その瞬間、、、
『閲覧者確認。権限エラー。侵入者を排除します』
無数の光線が、書架の奥から放たれた。
「来るぞッ!」
レオルが叫び、即座に《創造障壁》を展開。
ミルが後方で支援魔法を唱え、ディアボラが前衛に飛び込む。
「んもぉぉ!読むくらい自由にさせなさいよぉぉっ♡読書中はお静かにでしょ♡」
ディアボラの拳が光線を打ち砕き、セラの氷結魔法が敵の機構を凍らせる。
だが、光線の主は“人の姿”をしていた。
白いローブ、表情のない仮面、、“抹消者”。
「彼らは、“存在しないはずの記録”を守る番人……」
ノアが呟く。
「というより、記録の存在そのものを否定するための、“意思なき兵士”……!」
激戦が始まる。だが、彼らは迷わない。
「今の俺たちに必要なのは、隠された真実じゃない。未来のための“視界”だ!」
レオルが叫び、神核が輝く。
否定も、拒絶も、封印も、、
越えた仲間たちは、ただ前を見ていた。
戦いの果て。
抹消者たちは崩れ去り、白紙だった本には、ひとつの記録が浮かび上がっていた。
【観測認定•神核所持者レオル、、
創造系統権限“仮承認”】
「仮承認……つまり、門の向こうの世界が、ようやく“レオルと私たち”を正式な創造者として認め始めたってことかも」
ノアが微笑む。
「これが……俺たちの“創る力”」
レオルは拳を握り、そっと白紙の一冊に触れる。
すると、次のページに文字が現れた。
『次なる試練、、“裁定の都市メギド”』
「裁定……?」
ルーナが静かに呟く。
「たぶん、次は“創造の是非”そのものが問われる。
つまり、“神になる資格があるか”っていう……裁判ね」
「ふふん、いいんじゃない。どーせ叩き潰すだけでしょ♡?」
ディアボラが笑い、爆乳を持ち上げ、ぶるんと揺らした。
他の仲間たちも笑顔で決意の色を宿す。
創造の旅は、今なお続いている。
続




