第9話 【否定の王と、真理の審判】
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封印の地、、、
それは、創世の大地の最奥、空と大地が交錯する場所にあった。
光の巫女の導きにより、レオルたちは“否定の王”が眠る聖域へと向かっていた。
神々の創造の名残である光柱が空へと伸び、浮遊する石版が階段のように並ぶ。
その先にあるのは、強固な封印によって守られた“原初の棺”。
「ここが……“否定の王”の封印場所か」
レオルが足を止めると、空間が微かに歪んだ。
「この感じ、前より強い。ファルの比じゃないね」
ディアボラがマントを翻し、全身に魔力を纏う。
「神の敵というより、これは……“世界の敵”かもしれない」
ノアが静かに記録紙を取り出し、解析を始める。
「否定の王……神々がかつて創造した秩序を“全否定”した存在。純粋な破壊の概念が、人の形を得たもの」
「そんな奴が、ここに眠ってるのかよ……」
バンザイが眉をひそめ、腰の刀に手をかけた。
そして、封印の中心、、、
“棺”が震えた。
「どうやら……お目覚めだよ」
エルフィナが弓を構え、周囲を警戒する。
次の瞬間、棺の中心が“音もなく”砕けた。
現れたのは、全身が黒と銀の紋様で覆われた異形の存在だった。
顔は見えない。無数の仮面がゆっくりと顔の周りを回転しており、そのひとつひとつが、異なる表情を浮かべていた。
拒絶。否定。無価値。終焉。
仮面の言葉が、意識に直接侵入してくる。
「……ぐっ!」
ミルが頭を押さえ、膝をつく。
「気をつけて! これは“言葉の呪い”! 聞いただけで、精神を蝕まれる!」
ノアが叫び、即座に結界を展開。ミルを保護した。
否定の王は動かない。
そこに“いる”だけで、空間全体がゆっくりと崩れ始める。
「……神がこいつを封印した理由が、分かった気がするわ」
ルーナが冷や汗を浮かべながら呟く。
レオルは静かに拳を握った。
「行くぞ。こいつが“世界の否定”なら、俺たちは“存在の肯定”をぶつけるまでだ!」
「来たか! よっしゃあ、やるぞおぉぉぉ!!」
バンザイが叫び、レオルとともに突撃する。
コンビネーションは完璧だった。
レオルの創造の剣が、否定の王の周囲に光の檻を創り出し、バンザイの斬撃がその一点を叩く。
「[爆破斬]•《月輪》!」
爆風が起き、仮面が一枚、、砕けた。
だが、その瞬間。
『[存在]•《価値なし》』
否定の王が呟くように放った言葉が、空間そのものを“無”に染めた。
重力が失われ、色彩が崩壊し、音が消える。
「こっちの概念を侵食してきてる!?」
ノアが叫び、必死に観測を続ける。
「……でも、まだ希望はある!」
セラが凍結魔法を放ち、崩壊しかけた空間を一時的に固定した。
「こっちも“概念”で対抗すれば、干渉できるはず!」
そこへディアボラが爆乳を揺らし飛び込んでくる。
「じゃあ、私の出番ね♡」
ディアボラが炎の魔力を爆発させ、全身を赤く輝かせる。
「この力は、“魔王”という存在そのもの、、
“欲望”の化身よ!」
彼女の一撃が否定の王に炸裂し、仮面がさらに三枚、吹き飛んだ。
「“無価値”だなんて、誰にも言わせない。
私たちはここで、生きてるのよ!」
ミルが涙を浮かべながら、皆の後方で癒しの光を放つ。
レオルは、神核に手を添える。
「[原初創造]•《存在肯定式》……発動!」
光が空を突き破り、“否定”と“肯定”がぶつかり合う。
仮面が砕け、異形の本体がぐらりと揺れる。
そのとき、ノアの記録紙が一枚、ふわりと光を放つ。
「これは……!」
その紙には、古代文字でこう書かれていた。
《存在の本質は、互いを肯定しあう記録にある》
レオルは、その言葉を声に出し、、
最後の一撃を放つ。
「はははっ!お前たち、以外と寂しがりやなんだな!、、
だったら、俺たちは何度でも、お前たちを受け止めてやるよ!!」
閃光。
世界が光に包まれ、否定の王が、、
静かに崩れ落ちた。
静寂のあと。
仮面の破片が風に舞い、空へと還っていく。
封印の地は、再び沈黙を取り戻した。
「……終わった、の?」
ミルがそっと呟くと、巫女が頷いた。
「ありがとう。あなたたちは、“否定”を超えた」
レオルは力を抜き、空を仰いだ。
「世界を創るってのは、ただ物を作るだけじゃない。
“心”や“記憶”も含めて、守っていくことなんだな」
ノアが小さく笑った。
「それが、“創造”の本質なのかも」
ルーナが影からふらりと現れて、皆に向かって言う。
「でも……“否定の王”の存在は、どこかに記録されてた。それって、つまり……」
「あぁ、まだ終わってないってことだな」
レオルが静かに言った。
「次は、“否定”ではなく、“忘却”とか来るかも……」
ノアが呟いたその声に、誰もが背筋を伸ばした。
まだまだ、旅は終わらない。
続




