第7話 【ダンジョン調査開始!未知なる地下への第一歩】
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村の広場にぽつんと設置された井戸のそばで、俺は地面に手を当てていた。
「……やっぱり反応してるな」
[創造]スキルの感覚が、足元のさらに奥へと向かって伸びていく。
まるで、地下に広がる何かを探知しているような、、
その時、スキル画面に見慣れぬ通知が表示された。
【創造スキルが新たな概念を取得しました。
ダンジョン構造設計】
「……ダンジョン、だと?」
驚きに声が漏れた。その声に反応するように、エルフィナ、セラ、そしてミルが駆け寄ってくる。
「なになに、どうしたのレオル!」
「村の地下……俺のスキルが“ダンジョン構造”を拾った。つまり、この真下にダンジョンがあるってことだ」
俺は井戸の中を覗き込みながら言った。
「なんですって……それって、単なる空洞じゃなくて、“仕組まれた地下構造”ってことよね」
エルフィナが顔をしかめる。
その声には、ただの知識欲ではない、警戒の色が含まれていた。
ミルが小声で呟いた。
「ねえ、まえさ……レオルと最初に探検した洞窟。
あれと繋がってるんじゃないの?
「……!」
その言葉で、俺たちは顔を見合わせる。
エルフィナが地面に手を当て、風の流れを読むように目を閉じた。
「……間違いないと思うわ。地中の空気の流れ、それに魔力の線。その洞窟と、この井戸の下は繋がってると思う…」
あの時、探検に行って、罠で豚を捕まえたあの場所。
自然の洞窟だと思っていたが、まさか、、、
「最初からこの村の下には、“仕掛けられた大穴”があったってわけか」
「つまり、ここはただの未開の土地じゃなかったってことね」
セラが神妙な表情で言った。
彼女の氷の羽が微かに揺れている。村を襲ってきた外敵のことを思えば、あのダンジョンが関係していた可能性も考えられる…。
「なら、調べるしかねぇな。俺たちの村の足元がどうなってるか、知っとく必要がある」
俺は手をかざしてスキルを発動した。
「[創造:調査用ゴーレム]!」
ボン、と音を立てて、丸みを帯びた小さなゴーレムが地面から現れる。
石と鉄で構成された体に、観察用の目玉がひとつ輝いていた。
「わぁ! かわいい〜!」
ミルがさっそく抱きつこうとするが、ゴーレムは無言で井戸の中へコロコロと降りていった。
「あー逃げられた〜……名前つけたいな〜。
ごろたん、とか?」
「やめとけ。情が移ると壊れたとき辛いぞ」
数時間後、ゴーレムは戻ってきた。背中にある結晶が光を放ち、視界に映像が転送される。
映し出されたのは、人工的に削られた通路、石壁に刻まれた古代のレリーフ、そして、、
「……空中に浮かぶ魔力結晶だと?」
それは明らかに“遺跡”だった。自然の洞窟ではあり得ない構造。
整った道、配置されたトラップ。そして魔物らしき影。
「ここ、絶対ヤバいところだよ……!」
「でも逆に言えば、貴重な魔道素材や、武具、遺物なんかも眠ってるかもしれない」
エルフィナが興奮した様子で言う。ミルの目も輝いていた。
「図書とか資料とか、あるかも……!」
「私は魔力の流れを抑えるために同行するわ。
魔物の結界も、氷の加護なら封じられる」
セラも静かに頷いた。
「よし、じゃあ明日、探索開始だ。俺たちの“地下の世界”を確かめに行こう」
皆が頷く。だが俺の頭の中には、もう一つの可能性が浮かんでいた。
(もしかして、このダンジョン……“俺の創造領域”として成長するんじゃないか?)
確認のため、スキル画面を開く。
【創造スキル:ダンジョン構造設計】
・未解析エリアの地形図を取得
・通路の整備および安全区画の作成
・魔力の流れを調整
・“主の意志”によりダンジョンが拡張進化する
「……やっぱりだ。このダンジョン、“俺の意志”で成長していくタイプか」
つまりこのダンジョンも、村と同じように“作る”ことができる。
ならば、、、
「いずれ、“俺たち専用のダンジョン”ができるかもな」
その言葉に、仲間たちは驚き、やがてにっこりと笑った。
「だったらレオル、がんばってね! 村長で、ダンジョンマスターって、肩書き多すぎじゃない?」
「もはや…創造神って名乗ってもいいんじゃない?」
「……それはまだ早いな」
俺たちは笑いながら、夜の空を見上げた。
こうして、俺たちの“ダンジョン探索編”が幕を開けようとしていたのだった、、
続