第6話 【拒絶者の影と、神域の裂け目】
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翌朝、光の朝霧が神域を包んでいた。
宴の余韻が残る中、レオルたちは“創世の地”にて、新たな探索を開始していた。
「昨日の場所から東に、“神核の振動”を感じる座標があるわ」
ノアが記録紙を展開し、空間に投影した座標を指差す。
「そこ、ちょっと気になる地形してたよね。岩が浮いてるみたいな場所」
ミルが地図を覗き込む。
「浮岩地帯か……重力が不安定だな。
滑空装備を持って行った方がいい」
セラが冷静に提案し、既に氷翼の調整を始めていた。
「じゃあ俺は、滑り落ちても受け止める巨大鍋を持っていくぜ!」
バンザイがニカッと笑って鍋の蓋を叩く。
「真面目にやってるのかふざけてるのか分かりづらいわ……」
ルーナが呆れたように影の中から顔を出す。
「……けど、この空気、何か妙だわ」
エルフィナが空を見上げて言った。
その空には、、、
昨日まではなかった、“黒い“亀裂”が浮かんでいた。
「これは……次元裂け目……?」
ノアが顔色を変える。
空間そのものに綻びが生じ、そこから霧のような黒い“拒絶の気配”が漏れ出していた。
そして、、その裂け目から、何かが現れる。
それは、人の形をしていながら、人ではなかった。
白銀の仮面。漆黒の外套。
背からは翼のような“歪み”が広がり、その足元には影が走る。
「誰だ!名乗れっ!」
レオルが前に出て叫ぶと、その影はゆっくりと仮面をこちらへ向けた。
「……僕は《拒絶者》の先触れ、、
《ファル=アヴァロン》」
声は二重に反響し、まるで空間そのものが話しているかのようだった。
「ファル……アヴァロン……?」
「聞いたことない……けど、ヤバい雰囲気しかしないよね…」
ミルが震えながら、レオルの背に隠れる。
ファルは手を掲げ、空間に浮かぶ“創世の門の残滓”を指差した。
「きみたちが“創造”を始めた時点で、僕たちは排斥される運命を得た。
だから、、、僕はこの世界を、拒絶する」
「排斥……? お前たちは、世界に“存在できない”のか?」
「違う。僕らは“存在を認められなかった者たち”。
神々が描いた設計図に、余白はなかった」
ノアの目が大きく開く。
「まさか……“世界外存在”……!?」
「正確には、“設計外存在”だ。きみたちの世界には、僕らの“在り方”は記録されていない。
だから、きみたちが“創造”を続ければ続けるほど……僕らは、世界に居場所を失う」
ディアボラが、まるで火花を孕んだような瞳で前に出た。
「つまりさぁ、“お互いに”排除し合う運命ってことでOK?」
「ふふっ……面白い。だけど、きみたちに世界はやれないな」
そして、ファルの影が伸びる。
「我は観測者を拒絶する。記録も、創造も、因果も。 貴様らの存在意義を、塗り潰す」
「簡単に塗り潰されてたまるかよ……!」
レオルが構える。
「これは俺たちの世界だ。創り始めたばかりの“未来”なんだ!」
「ならば、未来を握るに足る力を、見せてみよ。半神よ」
次の瞬間、、、
空間が裂け、“拒絶の獣”たちが空から降り注いだ。
「くるよ……!!」
ミルが叫び、セラが前に出る。
「[氷結結界]•《全周展開》!」
冷気が渦巻き、空間を覆う。
「[原初創造]•《対拒絶構造》!!」
レオルが即座に創造を発動し、拒絶エネルギーの進行を相殺する光壁を展開した。
「おらぁっ! 鍋と刀はこう使うんだよ!」
バンザイが獣を叩き落とし、ディアボラが続けざまに爆炎を放つ。
「この村の、いや、、俺たちの“存在”は、拒絶なんかじゃ消えない!!」
激戦の幕が開く。
神にさえ記されなかった“拒絶者たち”との戦いは、世界創造の旅において、最初にして最大の壁となる。
だが、、、
レオルたちは怯まない。
何故なら、彼らは“帰る場所”を持ち、共に立つ仲間がいるから。
“創造”と“拒絶”。
どちらが未来を手にするか。
その選別の時が、今、始まった。
続




