第5話 【宴の調べと、ひとときの陽だまり】
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《ロゴス》との戦いを終え、煌めく光の階段を越えた先、、、
そこは、神々がかつて歩んだと言われる空白の世界。
ただし、目の前に広がる大地は、意外にも穏やかで、心をほぐす柔らかな光に満ちていた。
風は静かに吹き、空には幾何学模様の雲が浮かび、緩やかに旋回している。
「……なんというか、肩透かしってやつだな〜」
バンザイが大鍋を肩に担ぎながら、広がる大地を見渡した。
レオルの背に、ひときわ大きな声が響いた。
「よしっ!!レオル、ここに厨房を創造してくれよ!戦った後は、やっぱり、、宴だろ?」
その一言に、場の空気が一気に明るくなる。
「「……異議なし!♡」」
ミル、ディアボラが笑顔で手を上げた。
「うふふ、どうせなら食卓もセットで創ろうかしら。風景に合わせて、光るクリスタルの食卓なんてどう?」
セラが提案する。氷の羽がキラリと光を反射した。
「あはは!了解。なら、俺の創造で、、、」
レオルが大地に掌をつけると、淡い光が地面を走り、即席のキッチンと食卓が広がっていく。
湯気の立つ炉台、清水の出る水源、小さな果樹棚まで備えられた“宴の舞台”が完成した。
「おぉぉ……さすがレオルの創造力、相変わらずチートだな!」
バンザイが拍手しながら、すぐさま鍋を置いて火を起こし始める。
「材料は任せて! 不思議な果実、いっぱい持ってきたよ〜」
ミルが袋いっぱいの果物を抱えて戻ってくる。
「……毒検査、私に任せておいて」
エルフィナが弓を背に、鋭い視線で果実を一瞥した。
「料理が準備できるまでは、、お酒でもどうかしら♡?」
ディアボラが魔王らしからぬ優雅な手つきで酒瓶を持ち歩く。
「んなっ!?どこから出したのそれ!?」
ミルがつっこむが、ディアボラは、
「うふふっ♡魔界産よ〜♡」と爆乳を指差し、得意げだ。
「ルーナ。預けといた食器の準備、できる?」
レオルが問いかけると、影から音もなく現れた彼女が頷いた。
「えぇ、影の収集庫にいくつかあるわ。ついでに……魔界の塩でも持ってくるか…」
「ノアは……そっちの記録、大丈夫?」
レオルが最後に声をかけると、ノアは記録紙をぱたぱたと閉じて笑った。
「うん。今夜は記録より、思い出を作る側に回るつもり」
こうして、宴が始まった。
煌めくテーブルの上には、神域の食材を使った豪華な料理が並ぶ。
甘く炙った果実と肉の串焼き、バンザイ特製の“蒸し鍋料理”、セラが冷気で仕上げた氷菓などが所狭しと彩りを添える。
「う、うま……っ!胃袋つかまれてりゅゅゅう!」
ミルが涙目になってバンザイの料理に感動している。
「本当料理って、火加減と塩加減だけじゃないのね……空気の流れまで読んでるなんて」
セラも舌鼓を打ちながら、ふわりと笑う。
「まあ当然だな。この宴のために我は命を燃やしてるからな!」
バンザイは誇らしげにフライパンを掲げる。
「それにしても、こうして皆で笑ってる時間……久しぶりだね… べっ、別にこの時間が好きってわけじゃないんだからね……本当は好きだけど…」
ルーナが、ほんの少しだけ頬を緩める。
「ふふふ……こんな時間が、ずっと続けばいいのにね」
エルフィナが静かに呟くと、、
レオルは「あぁ、そのために、俺たちは戦ってる」と力強く言った。
「ふふ。……じゃあさ、次はこの世界で“酒場”でも創ってみちゃう♡?全種族がみんな飲めるようなさ♡」
ディアボラが提案すると、ミルが飛び跳ねる。
「やるやるーっ☆カウンターもつけようよ!」
「なら、わたしは……記録だけじゃなくて、メニュー表も作るね」
ノアも自然と輪に加わる。
それは、まるで本当に“新しい世界”を創っていくかのような、温かな時間だった。
宴が終わり、ふと空を見上げると、、
そこには、小さな“ひび割れ”が見えていた。
誰もが気づかぬその裂け目の奥に、“何か”が目を覚まそうとしている。
ノアだけがそれに気づき、目を細める。
(……来るのね、“拒絶者”)
その言葉は、まだ誰にも伝えられない。
しかし、確実に、、、
レオルたちに次の試練が迫っていた。
続




