第6話 【共同生活!村に笑顔が満ちる日】
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朝日が差し込む丘の上。
俺、レオルは、村のはずれに建てた見晴らし小屋の前で目を覚ました。
「んー……今日もいい天気だな〜!」
空はどこまでも澄んでいて、風は心地よく、草の香りが鼻をくすぐる。
だが、、、
「レオル〜! 朝ごはんできたよ〜っ!」
声の主はミル。いつのまにかすっかり“村の生活係”みたいになっている。
彼女の後ろからは、鍋を抱えたセラと、火を調整しているエルフィナの姿が見えた。
「……なんか、俺が一番のんびりしてないか?」
そう思いながら、小屋の前のテーブルに座る。
「ほら、今日はセラがスープを冷やしてくれたのよ。しゃっきりしてておいしいわよ〜」とエルフィナが微笑む。
「さぁレオル! まずは栄養をとって、今日も元気に村長するのです!」
「はいはい……って俺、ほんとに村長でいいのか?」
盛り上がる女子三人に押されつつ、朝の食卓が始まった。
朝食をみんなで食べながら
「この小屋の奥にね、ちょっと倉庫スペースがほしいのよ」とエルフィナ。
「わたしは本棚! このへんに知識の棚を置きたい!」とミル。
「じゃあ私は……地下にワイン貯蔵庫を作りましょうか」とセラ。
「贅沢な村になりそうだな……」
結局、3人のリクエストをまとめて、俺は[創造]スキルを起動する。
【創造:増築設計/依頼内容適用中……】
ガガガ……と木材が組まれ、簡易な倉庫と図書棚が出現。
そしてなぜか、セラのワイン貯蔵庫だけやたら立派に仕上がった。
「んっ?……おい、なんか俺の意志とは違う精度なんだが?」
「レオルのスキルは“信頼と居場所”で成長するんでしょ? たぶん……セラさん、めっちゃ信頼してるんだよ」
「むっ……それは私も同じくらい……!」
「わたしも信じてるよぉ〜!」
「うるせー!信じられすぎてスキルが暴走してくるわ!」
笑い声が響く。気づけば、どこか遠くに感じていた
“温かさ”が、すぐ隣にあった。
「おい、今日はなんだこれ? なんで料理に全員集合してるんだ?」
昼下がり。俺が作業していると、ミル・セラ・エルフィナの三人がキッチンの前に並んでいた。
「じゃーん! 本日はエルフィナ先生による“異世界の家庭料理講座”!」
「いや、勝手に講座にすな!」
けれどその手際は見事だった。素材を切り分け、火加減を見極め、香辛料を加えると、芳ばしい香りが広がった。
「セラ、仕上げ頼むわよ!」
「ええ、任せて……氷結の羽で、ふわっと冷やすわ」
「それじゃあ最後に、わたしが盛り付ける〜!」
三人の連携に、俺はただ見守るしかなかった。
「はい、できあがりっ! その名も[冷やしエルフィナスペシャル・三姉妹風]!」
「……なんかすごい名前になってるな」
それでも味は絶品だった。三人が作ったデザートと冷製スープに、舌鼓を打つ。
「レオル、どう? 美味しい?」
「うん。すっごいうまい!正直、感動してる」
「ふふっ。なら良かった〜!」
「やっぱりレオルってさ、ちょっと照れ屋なんだ〜☆」
「う、うるせぇ! 慣れてねぇんだよ、こういうの!」
笑い合う声が、木々に吸い込まれていった。
夕暮れ。
村の井戸の周辺でセラが何かに気づいた。
「ねえ……この井戸、地下から変な風を感じるの。冷たくて……でも、動いてる」
「え? 井戸の中に風通ってるの?」
「もしかして……地中に空洞があるのかも?」とミル。
「なんか面白そうだな!試してみるか……。[創造]地形検知!」
俺が手を地面に当てると、地表に青白い紋様が浮かび上がり、地脈を描いた。
【新スキル派生•地形検知 → 地下空間•未解析エリア“存在”検出】
「こ、これ……なんだ?」
「な、なんか、地中にめっちゃ広い空間あるよ!? 洞窟とかじゃない……これは――」
【創造スキルが新たな概念を取得しました】
【ダンジョン構造設計】
一同、言葉を失う。
「レオル……もしかしてこの村の下、ダンジョンになってるってこと?」
「ははは、、まさか、村の地下に“ダンジョン”が眠ってるとはな……」
風が静かに吹き抜けた。
それはまるで、この“ほのぼのスローライフ”の裏に、新たな冒険の気配が立ち上ってきたようだった、、
続