第57話 【“神の心臓”と失われた神名】
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神域層の最奥。
扉の先には、言葉では表現できない光の渦が広がっていた。
時間も重力も、あらゆる物理法則が曖昧になり、空間そのものが“鼓動”しているように感じられる。
「ここが……神の心臓……」
ミルが目を丸くする。
それは比喩でも象徴でもなく、まさに世界の中枢。神という存在が、かつて“概念として存在した中心”
、、その名残が宿る場所だった。
中央には、浮かぶ巨大な水晶体。
内部ではいくつもの“記憶の光”が巡っていた。
「……あれ、見覚えがある」
ノアがそっと呟く。
「あれは“神名録”。かつて世界を創造した神々の名前、その記憶の結晶よ。……本来、絶対に誰にも触れられないはずの領域」
だが、、レオルが近づいた瞬間、水晶体が反応した。
【神核認証、、第七神核•レオル】
【創造者認証、、条件を満たす存在、記録外の進化因子】
「まさか、君が“ここまで辿り着く”なんてね……」
静かに現れたのは、神域の守護者。
《記憶の番人》
それはもはや人の姿ではなく、光そのものが具現化したような存在だった。
「あんたが、“神”か?」
レオルが問いかける。
「私は“神ではない”。だが……かつて“神であったものたち”の記憶と名前を守る存在。お前の中にある神核、その正体を語る資格はある」
「なら、教えてくれ」
レオルが一歩前へ出る。
「俺は……何者なんだ?」
光が淡く回り、静かに語り始める。
「“神核”とは、かつてこの世界を創造した神々の“遺産”だ。神々は世界を創り、記録し、管理する存在だった。
だが、やがて世界は“自由”を求め、神の支配から逸脱し始めた」
「神の支配が……崩れた?」
「そう。神々はその逸脱を“観測不能”と呼び、すべてを“帳消し”にしようとした。だが、ひとりの神、、
“創造神”だけは、違う考えを持っていた」
その瞬間、水晶体の奥にひとつの“名”が浮かび上がった。
《アルズ=ガルム》
「……!」
レオルの瞳が揺れる。前世で呼ばれていた名前、、モンスターとして、王女を守り、命を落とした時の名。
「“創造神アルズ=ガルム”。それが、君の本質だ」
ノアが息を呑む。
「転生の際、“記録抹消”されたはずの創造神が、わずかに残した“自我の欠片”。それが君、“レオル”という存在だったのよ」
「じゃあ俺は……神だった?」
「元モンスター、、かつての神。だが今は、“人として生き直している”存在。君はもう“上から見下ろす存在”ではない。仲間と共に在り、世界と共に選び取る存在」
静かに水晶体が割れ、その破片がレオルの神核に吸い込まれていく。
【創造スキルが進化しました•[原初創造]《イマジン•コード》を獲得】
・概念を定義し、存在として構築可能
・神域素材の使用により、一時的に“神造領域”を展開可能
・使用には“信頼の絆”を燃料とする
「……来たね♡」
ディアボラが、艶やかに片目を細めて言った。
「“創造神の帰還”、ね。なんだかワクワクしてきたじゃない?」
だが、その瞬間、神域が揺れた。
「!!」
空間の一角が裂け、漆黒の魔力が溢れ出す。
「これは……“別の神格”が動き出した……!」
ノアが身構える。
そこに現れたのは、“神の代行者”を名乗る新たな存在。
異形の姿で、仮面を被った存在、、
かつて創造神と対を成した“破壊の神核”を継ぐ者だった。
「ようこそ、創造神。……君と再び相まみえるとは、夢にも思わなかった」
その声は、レオルの神核に深く刻まれた記憶を刺激した。
「“……レガルト”……?」
破壊の神、、、
かつて神だった頃のアルズ=ガルムの盟友だった存在。
だが、今は明らかに敵意を持って立ちふさがっている。
「さあ、続きを始めようか。“創る者”と“壊す者”、決着の時だよ」
続
5…




