第54話 【使徒の目覚めと、世界を超える創造】
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神造の槍が空を裂く。
全身に神核の力を巡らせたレオルが放つ一撃、、
それは、まさに“人の限界”を超えた意思の結晶だった。
槍の穂先が、ミュリエルの胸部に突き刺さる。
高密度の防御結界を貫き、空中に光の衝撃波が爆ぜた。
「……装甲、侵食。神核干渉率、三十六パーセント。継続観測不能。、、想定外の因果成長、確認」
ミュリエルの無機質な声が震えた。
次の瞬間、彼女の体から無数の光があふれ出す。
それは破壊ではなく、、、“覚醒”。
「神核、制限解除。観測権限《上位階層》へ移行、、!
ミュリエルの背後に、六枚の光翼が展開された。
その一枚一枚が、まるで世界の構造そのものを投影するように、数式と記号を編んだ光の文様を描いていた。
「くっ……これは……!」
レオルの槍が軋む。
強大な圧力が逆流し、腕が砕けそうになる。
だが、、そのとき。
「レオル、下がれ!!」
バンザイが真横から飛び込んできた。
「[双牙]•《護剣壁》っ!」
交差した双剣から、二重の防壁が生成される。
さらにその上から、、
「[氷結装甲]•《セラ=ノヴァ》!」
「[狙撃]•《連装紅蓮矢》!」
「[影の帳]•《裏封結界》!」
仲間たちの支援が、一斉にレオルを包んだ。
「……お前ら……!」
「レオル!お前一人で抱えんなっつったでしょ!」
「この村は、みんなの居場所なんだから!」
「泣かせたら許さないわよ!」
レオルの目に、光が戻る。
その瞬間、、
[創造]スキルが、再び進化した。
【スキル進化•[神創造]《超構築・神域書式》】
・存在法則を再定義し、世界に“例外”を構築できる
・信頼、絆、感情エネルギーによって発動域拡大
・対象:空間、物理、魔力、因果律
「……おいおい、またとんでもないモノが見えちまったぜ」
バンザイがぽつりと呟く。
レオルの周囲に広がったのは、“創造された新たな空間構造”。
光と法則の柱が天に向かって伸び、空そのものが“別の階層”に書き換えられた。
「これは……神の使徒すら、範囲外へ弾き出せる……!」
「お前が、神の道具として創られたなら……」
レオルは一歩前に出て、ミュリエルを真っ直ぐ見つめた。
「俺は、“道具じゃない者たち”の力で、神の支配を越えてみせる!」
空間が砕け、ミュリエルの攻撃が直撃する寸前、、
「[神創造]•《因果遮断》っ!!」
世界のルールが一瞬、書き換わった音がした。
光の翼が砕け、ミュリエルの身体が沈黙する。
「……判定、終了……」
彼女の体が静かに空へと浮かび、消滅の光に包まれた。
だが、その最後、、、
彼女は確かに微笑んでいたように見えた。
「、、次は、“私自身”として会いましょう、レオル」
沈黙のあと、村に静寂が訪れる。
だが、それは嵐の前の静けさ。
神が干渉し、世界の歪みが顕在化しつつある今、、
レオルたちはすでに、““「人類」と「神」””の狭間に立っていた。
そして、空に一枚の“観測紙”が舞い降りる。
《観測更新•神の使徒ミュリエル、第一次戦闘終了。次観測ポイント、、“神域層への門”》
「……また来るのか」
レオルが紙を握りしめ、呟いた。
けれどもう、怯えはない。
その背には、仲間たちが並んでいた。
「俺たちは、進むしかないからな、、、
誰かの道具じゃなく、“自分の意思”で!」
続
8…