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第53話 【天より来たる審判、、神の使徒、襲来】

見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。


 光の柱が空を貫いた。


 村の中央広場。その上空に浮かぶのは、まるで神像のような存在だった。


 銀と白で構成された鎧をまとい、無数の羽根のような光の粒子を纏う“それ”は、確かに人の形をしている。

 だが、その瞳には一切の感情もなく、機械的な静寂が支配していた。


「識別コードA零壱、神の使徒ミュリエル

 現界を完了しました」


 女のような声。けれど、人間的な温度はまるでなかった。


「……ついに来やがったか」

 レオルは空を見上げ、拳を握った。


「これが……神の創造物……」

 ノアの顔がわずかに強張る。


「レオル。あれは“完全なる神核”を動力とする存在よ。下手に触れれば、神そのものに触れるようなもの」


「言ったろ、ノア。俺はもう引き下がる気はない!」


 レオルはそう言いながら、地面に手をつく。


「[神創造][神環展開]《村防衛モード、最大出力!》」


 大地が震え、村の周囲に光の環が幾重にも出現する。

 空間そのものに“神域”が展開され、ミュリエルの侵入を一時的に抑え込んだ。


「領域干渉を確認。敵性対象、“神核不完全体”に分類……排除優先度、更新、、Aレベル」


 ミュリエルの背後に浮かぶ羽根が展開し、そこから雷撃と炎の魔力が降り注いだ。


「、、、みんなっ!来るぞッ!」


「もう構えてるっての![双牙・乱舞突きッ!!]」

 バンザイが火花を巻き上げながら突進し、雷撃を打ち払う。


「[氷華陣]《全域凍結!》」

 セラが空を凍てつかせ、雷を遮断する。


「[影結界]•《包囲網発動》」

 ルーナが闇の結界で空間を制限し、ミュリエルの動きを封じた。


 「神よ許してね♡私が貴方を嫌いな事を!!

 [魔核解放]《業焔乱舞》!」

 ディアボラが動きの止まったミュリアルに、業焔を放つ。

 

 だが、それを上回る速度で、ミュリエルの身体が瞬間移動するように滑る。


「加護持ちの連携、解析完了。、、、

 予測ルート、殲滅」


 空中に展開された光の式が一斉に点灯し、矢のような光弾が撃ち出された。


「みんな、下がれっ!!」


 レオルが叫び、[創造]スキルで即座に結界を張る。


「[神創造]•[反転構築]《盾の連壁!!》」


 幾重にも重なった光の盾が前方に展開され、光弾を受け止めた。

一部が砕け、激しい爆発を伴って後方に吹き飛んだ。


「クッ……これが、神の使徒の力……!」


 エルフィナが弓を握る手に力を込める。


「でも、それでも引けない。あの力を前にして、立ってる奴がいる。、、、レオルが!」


「うぉおおおっ!!」


 エルフィナの放った矢が、一条の紅蓮の軌道を描いてミュリエルの右肩を穿つ。

 わずかに軌道が乱れ、初めてその装甲に“傷”が入った。


 その一瞬、空中の時間が止まったように感じられた。


「……面白い」


 ミュリエルの口元が、かすかに動いた。


「“未完成の神核”がここまで成長しているとは。想定を超えた因果干渉」


「想定外?なら、、見せてやるよ、俺たちの“進化”をよ!!」


 レオルの神核が輝きを増す。

 [創造]スキルが限界を超え、光の環が展開を加速する。


「[神創造]•《神造武装•零式》[烈鋼槍]れっこうそう》!」


 手にしたのは、神核の力を纏った純白の槍。

 ミュリエルに向かって、レオルが槍を構える。


「みんなぁぁぁ!最後まで、、俺を支えてくれぇぇ!」


「当然だろ!」


「村長、やってやれッ!」


「いけええええ!!」


「任せるわ、レオル!!」


「私たちは、“君の背中”にいる」


「レオル♡かましちゃって♡」

 


 仲間たちの叫びと共に、レオルが空へと跳んだ。


「これがっ!!俺たちの選んだ未来だぁぁぁあ!!」


 神造の槍が放たれ、光と光がぶつかる。


 

 激突の中心で、何かが“軋む”音がした。


 それは、世界法則の綻びか。

 あるいは“神”の意志が乱される音か。


 いずれにせよ、運命の歯車は再び、大きく回り始めた、、、。



            続

 9…

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