表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/196

第42話 【緋骸、最後の咆哮と“創造”の真核】

見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。


 砦の上空が、赤く染まっていた。


 空からは火の粉が舞い、地には砕けた魔石と焼け焦げた魔兵士たちの影が残る。


 その中心に立つのは──半神、レオル。


 剣を構えたまま、彼は静かに睨んでいた。

 全身に破れた鎧の欠片をまといながらも、レオルの瞳は折れていない。


 一方、緋骸ひがいは膝をついていた。


 半身が焦げ、仮面の一部が砕け落ちている。

 その下から覗いた素顔は、驚くほど若く、そして……悲しみに満ちていた。


「なぜだ……なぜ貴様の“創造”は、我が“破壊”を超える……」


 かすれた声で、緋骸は問うた。


「それが“神の力”なのか……!?」


 レオルは、ゆっくりと首を振る。


「違う。これは俺ひとりなんかの力じゃない。

 “みんなの居場所”を守る力だっ!」


 そのとき、レオルの神核が再び輝きを放つ。


 内部で“何か”が回り始めるような感覚。

 浮かび上がった文字列が、彼の視界に流れ込んでくる。



《創造スキル•段階解放を確認》

《神核の断片•連携条件を満たしました》

《新機能•神創真核エデンコード起動可能》



「んっ?……来たか」


 レオルの手の中で、スキルが“進化”した。


「[神創真核・エデンコード展開]!!」


 眩い光がレオルの背後に咲き、空に巨大な魔法陣が浮かび上がる。


 それはただの攻撃術式ではなかった。

 創造スキルの“根源”、すなわち世界を組み替える力 “真核”が開いたのだ。


 地面が震え、傷ついた仲間たちの体に淡い光が宿る。


「癒し……再生……!?」

 セラが驚きの声をあげる。


「創造って、こういう使い方も……!」

 ミルが興奮気味にノートを走らせる。


 砦全体が、光のフィールドに包まれ、破壊された部分が次々と“修復”されていく。


「これは……[概念構築]だ」

 ノアが目を見開く。


「概念構築……?」

 エルフィナが問い返すと、ノアは頷いた。


「世界の“あるべき姿”を一時的に再現する、神に近い創造……本来は、神の支配領域に踏み込む禁術」


 だが、その力を、レオルは今、、使っていた。


「緋骸……お前のように、破壊で支配しようとする奴には絶対に負けられないね!」


 レオルが剣を構える。


「お前が“過去の力”だって証明してやる!!」


「、、くくく、面白い……ならば、この身果てるまで戦おうぞ、“半神”ッ!!」


 緋骸の体から黒き魔力が迸る。

 その体は限界を超え、次元すら歪めてゆく。


「来るぞッ!!」


 ミルがみんなに指示を出し、バンザイが二刀を構え、セラとエルフィナが援護に走る。

 ルーナは影に潜み、ノアは再び観測の術式を広げる。ディアボラは赤黒い魔力を体から吹き出した。

 

 仲間たちが一つになった瞬間、、、


 [神創]•[因果終焉斬エデン・ブレイク]が発動する。


「うおぉぉぉぉぉおおッ!!」


 レオルの一閃が、緋骸の黒き力を打ち砕き、、


 砦には、静寂が戻った。


 戦いは、終わった。


 「ふふっ、、強いな…ディアボラが裏切らなくても負けてたかもな…見事だ!半神!!」


緋骸の亡骸は闇の粒子と化し、風に溶けていった。


「……ふぅ」


 レオルが大きく息を吐くと、仲間たちが次々と駆け寄ってきた。


「おつかれ、村長♡」

 ディアボラがドサッと胸から抱きつく。


「おっとと……こら!戦場の後だぞ!」


 セラも負けじとドサッと胸から抱きつき

「お疲れ、レオル、、」

 と恥ずかしがりながら言うと、、


「あらっ♡そんな恥ずかしがってると、私に取られちゃうわよ〜♡」と、レオルに胸をグイグイ押し付けた。


「でもレオル、ほんとに強くなったね!」

 ミルがにこにこしながら隙をついて抱きついてくる。


「この村、やっぱり“ただの村”じゃ済まなくなってきたわね」

 エルフィナが小さく呟いた。


「うん。、、たぶん次に来るのは、もっと“本気の敵”だ」


 レオルは空を見上げた。


 その瞳には、次の戦いへの覚悟が宿っていた。




            続

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ