表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/196

第30話 【星見の塔突入計画と、“創造の軍勢”】

見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。


 夜の帳が村を包む中、レオルたちは緊急会議を開いていた。

 先の戦いで“黒の聖域”を撃破したが、王都からの脅威は未だ消えていない。


 むしろ、あの観測紙、、識別番号【B05】の意味するところは明白だった。


「つまり、王都は“俺”を神核所持者として、正式に“神の敵”と認識したってことだな」


 レオルは机の上に広げられた地図を睨みながら言った。


「次に動くのは王都の本隊……この村が包囲されるのは時間の問題ね」


 ルーナが腕を組みながら、冷静に分析を加える。


「なら、こっちから行くのはどう? 王都が備えを終える前に、“殴り込み”ってわけ」


 ミルが冗談めかして言ったが、場の空気は変わらなかった。

 

 皆、その可能性をすでに考えていたのだ。


「俺たちが今のまま待ち構えても、数では勝てないな…、いずれ数で押し負ける、、」


 そう言ったのはバンザイだった。

 戦士としての勘が、次の戦いの厳しさを理解させていた。


「だが、レオルの“創造”があれば話は別だ。今のレオルなら“軍”すら作れるだろ?」


 その言葉に、場が静まり返る。


 “軍”。

 それは国家が持つべき象徴、力の代名詞。

 だが、レオルはすでにその一歩を踏み出していた。


「……試してみる価値はある…何となく想像はできてるよ」


 レオルはゆっくりと立ち上がり、村の中央へと向かった。



 その夜、月明かりの下で、レオルは神核に手を翳す。


「[神創]スキル•展開。

 対象、、“戦う意志を持つ存在”」


 静かに宣言されたその瞬間、大地が震えた。


 地面から浮かび上がる光の粒子。

 それは形を成し、ひとり、またひとりと、戦士の姿になっていく。


「ま、まさか……人間じゃないわ。これは、“意志と形”だけを与えられた創造体……!」


 エルフィナが驚愕の声を上げる。


「正確には、“存在の模倣体”だ。

 生命じゃない、けれど意志を持つ兵。

 俺の創造によってだけ存在する軍勢」


 そう、これは“神創”によって生まれた概念の産物。

 魂なき兵たちは、レオルの意志でのみ動き、命じられれば消滅する。


「こ、これはもう……軍どころか、“種族”を創ったのと同じじゃない……!」


 ミルが口を押さえる。

 この[創造]の規模は、“神”の領域に足を踏み入れた証だ。


「ふふっ、名前をつけよう。“創造の軍勢【エルディア】”だ」


 レオルの言葉に、兵たちは無言のままひざまずいた。



 翌朝、レオルたちは“星見の塔”突入に向けた準備を進めていた。


「問題はどうやって接近するかだな。王都周辺には結界が張られている。無策では中に入れない」


 ルーナが王都の構造を詳細に描き出す。


 それに対して、エルフィナが口を開いた。


「王都には“地下遺構”があるの。

 私の……かつての秘密の通路。それを使えば、内部に入れる可能性が高い」


「……王女様の脱出用ルートか。いいね、使わせてもらうよ」


 レオルはにやりと笑う。


「でも、私が案内するわ。私のせいで王都が動いたのなら、今度は私の意志で止めなきゃ」


 エルフィナの瞳には、かつての弱さはなかった。

 逃げてきた過去と向き合い、今を守るために戦う決意が宿っていた。



「準備が整い次第、三日後に出発する。創造の軍勢を率いて、星見の塔へ突入する」


 レオルが宣言すると、皆がうなずく。


「俺たちはただの村じゃない。信念を持った意志と、守るべき仲間がいる」


「だからこそ、戦う意味があるのよね」


 セラが優しく微笑みながら氷の羽を広げた。


「オレたちは王都でも通用する……いや、ぶちかます!」


 バンザイが二刀と巨大な中華鍋を背負いながら気合を入れた。


 ミルは小さくつぶやく。


「レオル……あたし、レオルと会えて本当によかった」


 彼らは村で出会った。だが今、心は一つだった。



 夜。


 レオルは再び空を見上げた。

 そこには、“観測紙”がまた一枚、ふわりと舞い降りてきた。


《識別番号B05、観測継続。

 王都観測局 第三眼“神性変動レベル3”確認》


「……神性、か。今さら恐れる気はない」


 レオルは紙を握りしめた。


「ここまできたら…、、

 俺たちが“本当の神”に届くまで、、止まる気はない」



            続


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ