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第2話 【村づくりはじめました!モフモフと人外ヒロインと洞窟探索の話】

見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。


  辺境の森に囲まれた小さな村は、まだ始まったばかりだった。


俺たちが、木の枝と石を使いながら、即席のフェンスを作り終えた頃。辺りは夕暮れのやわらかな光に包まれていた。


「ねぇレオル、この辺り、思ったより魔獣の種類が多いわね。でも、素材集めにはうってつけかもしれないわよ」


ミルは興奮気味に周囲を見回しながら言った。彼女の銀色の獣耳が夕日に透けて光っている。


「だな。でもあんまり近づきすぎると危険だ。

 まずは村の安全を最優先に考えないと」


俺は周囲の森を警戒しながら言った。ポポも小さく尻尾を振りつつ、俺たちの横で警戒態勢を取っている。


「そういえばさ、さっき見つけた洞窟のことなんだけど、、何か不思議な魔力のようなものを感じなかった?」


ミルが声を潜めて尋ねた。


「確かに……何か強い気配を感じたけど、今の俺じゃ攻撃系のスキルがないからなぁ、どう対処すればいいかわからないな…」


俺は自分のスキル欄を思い返しながら言った。

[創造]だけでは戦闘が苦しいのは間違いない。


「罠を作って防衛しつつ、洞窟の探索に必要な道具を作っていこう」


俺はふと思いついた。


「そーだなぁ?罠を設置して安全を確保しながらの探索なら素材も効率よく集められる。ミルの知識を貸してくれ」


「オッケー!罠の配置や種類なら任せてね!」


ミルは目を輝かせた。


俺たちは森の中から適当な素材を拾い集め、木の枝や石、つる植物を組み合わせて罠作りを始めた。

ミルは賢族らしく、過去の知識や情報を活用して、罠の種類や配置の指示を的確に出してくれる。


ポポは周囲の匂いを嗅ぎ分け、小さな魔獣や敵の接近を教えてくれた。


「役に立つな、このモフモフちゃん」


俺はポポをなでながら感謝した。


罠はトラップ状の落とし穴や、紐で動物を捕まえる仕掛け、音を鳴らして敵を威嚇するものなど多様に設置した。


「これで少しは安心できるわね」


ミルは満足そうに頷いた。


その後、俺たちは洞窟の探索用に必要な道具作りに取り掛かった。


簡単なロープや松明、移動の際に支えになる木の杖を作り上げる。


「よっしゃあ!これで暗い洞窟も怖くないはず」


ミルも自信たっぷりに頷いた。


村の入り口にはまだ粗末なフェンスしかないが、徐々に人の住める場所としての形が整いつつあった。


その日の夜、俺たちは松明を手に洞窟の入り口に立った。


冷たい風が頬を撫で、木々のざわめきが遠くで響く。


「ミル、ポポ行くぞ!」


俺が合図すると、ミルとポポも緊張しつつ一緒に中へ入った。


洞窟内部は暗く湿っていて、壁にはかつての文明を思わせる古びた文字や絵が彫られていた。


「ねぇねぇ、レオル…もしかしたらここは……古代の遺跡の一部かもしれない」ミルが興奮気味に言う。


レオルは周囲に警戒しつつ

「かもなぁ、、古代のお宝でもあればいいけどな…」


ふたりはそんな会話をしながら進むにつれて、足元は滑りやすくなり、注意が必要だった。


暗闇の奥からは、かすかなうめき声や物音が聞こえてくる。


俺は緊張しつつも冷静に罠の設置場所を確認しながら慎重に進んだ。


すると突然、岩が落ちる音と共に、何かが捕まったような重い音がズーンと響く。


「ミル、罠、効いたな!」


レオルが言うと、ミルはほっとした表情を見せた。


だが、さらに奥には大きな影がゆっくりとこちらへ近づいて来るのが見えた。


「やばい、何かでかいの来るぞ!」


俺は咄嗟に[創造]スキルを使って木の槍を形作り、手に握った。


攻撃力は頼りないが、時間を稼ぐには十分だ。


モンスター時代の本能が、わずかに体を支配した。


ミルもすぐさま魔法を唱え、光の結界を作り出す。


「この場所で耐えれば罠がまた働くはずだ!」


影は確実に迫ってくる。


「こっちに来い!」


俺は叫びながら槍を構え、隣のポポも威嚇の声を上げた。


そして、影が罠にかかり動きを止めた。


「よし、罠がまた仕事をしてくれた!」


俺とミルは胸を撫で下ろした。


 罠を確認すると、そこには大きな豚の魔獣がかかっていた。


「んー?これ、食える…のか?」


「焼いたら基本食べれるでしょ!」


「あははっ!そうだな!とりあえず拠点に帰って、また後で探検と狩りに来よう」


「うんっ!そうしよう!もー、私お腹ペコペコ!

 さぁ!レオル、帰ろう」


レオルたちは拠点に帰り豚を焼き、焚火の前で俺は星空を見上げた。


まだ小さな村だが、俺たちの手で守り、育てていく。


異世界の辺境で、俺たちの村づくりの日々は、確かに動き出していた。





            続


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