第61話 【ファルとリリムの“スイカ泥棒大作戦”!】
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夏のアルシェリア、平和な午後に忍び寄る影。
青空の下、広がるバンザイ特製スイカ畑。
村人たちは「そろそろスイカ割り大会かな〜?」と楽しみにしていた。
しかし、その平和を破る二人組がいた。
「へへっ!ファル……今回のスイカも美味しそうだね〜!」
「あぁ……リリム。でもさ、普通に食べるんじゃなく、“スリル”を味わってこそなんだよ☆」
目を輝かせる悪友コンビ、ファルとリリム。
ファルとリリムは密かに作戦を立てていた。
「名付けて、、、“スイカ泥棒大作戦”!!」
「目指すは一番大きいスイカ!!」
だがこの作戦、後にアルシェリア村全体を巻き込む騒動へと発展するとは、誰も思っていなかった。
◇◇◇
作戦開始!影のヒーロー、ルーナ参上、、
ファルとリリムは慎重にスイカ畑へと忍び込む。
「リリム、音を立てちゃダメだよ。獲物を狙う獣のように、そう静かに……」
「任せて、あたし忍者修行中だから!」
しかし、背後から忍び寄るもう一つの影、、
「あなたたち……何をしているのかしら?」
「ぎゃーっ!ルーナ!?」
影術師ルーナ。村の秩序を守る“影のヒーロー”は、見逃さない。
「これはその……“スイカ見回りパトロール”で……」
「ふーん?そう。なら、私が“影捜査官”として同行してあげるわ」
“共犯か監視か”の絶妙な立場で、ルーナも巻き込まれてしまう。
◇◇◇
なんとかルーナをやり過ごし、スイカを抱えて逃げるファルとリリム。
だが道端にはもう一人の刺客が。
「リリム、ファル。“スイカ泥棒事件”、記録しますよ~」
手帳を片手にノアが立ち塞がる。
「ノア!?これは違うんだよ!これは“スイカの適正位置調査”なんだから!」
「ふふ……じゃあ、私にも“一口”くれたら記録を“保留”してあげます」
ノア、あっさり買収される。
こうして、ここに“スイカ泥棒トリオ”が誕生した。
◇◇◇
逃走劇も束の間、畑の主•バンザイが気配を察知。
「おーい、そこの連中。俺のスイカ持ってどこ行くつもりだぁ?」
腕組みしたバンザイが仁王立ち。
後光が差している(ように見えた)。
「ひ、ひぃぃ!バンザイ!?違うんだよ!これはその、アレだよ…!新しいスイカ運搬訓練なんだよ!!」
「ほうほう。なら“試食許可”を出してやる。
ただし、割り方が気に入らなかったら問答無用で説教だからな!綺麗にやれよ!」
バンザイの“職人の誇り”が全開になる瞬間である。
まさかの“スイカアートコンテスト”開幕!!
「じゃあ行くよ、ファル」
「リリム、スイカ割りは芸術だよ☆」
ファルは一撃でスイカを真っ二つに切りつつも、、刃の軌道で“綺麗な星模様”を描く。
「どうだい!?“スイカスターカット”だよ!」
「負けないもん!リリムの“スイカ種飛ばしアート”行きまーす!!」
種を口から飛ばして地面に描いたのは、、
「バンザイの似顔絵!」
「おぉぉいっ!……お前ら、どこでそんな技を……」
まさかの“スイカアートコンテスト”に発展し、
村中の人が集まって拍手喝采。
「ふむっ…いい出来だ。よっしゃぁぁぁ!!今日は全員でスイカ祭りだ!」
バンザイの鶴の一声で、スイカ割り大会が急遽開催されることに。
◇◇◇
スイカ祭り開幕、、、
村の広場では、みんなでスイカを囲んで宴が始まった。
「ファル、今日の作戦、大成功だったね!」
「あぁ、まさかスイカを盗むどころか、村のお祭りを起こしてしまうなんて……完璧すぎるね☆」
ノアが記録ノートを開いて呟く。
「“ファルとリリムの作戦•結果的に村の夏行事に貢献”……記録っと」
ルーナは影の中で小さく笑っていた。
「ほんと、賑やかな村ね」
アルシェリアの夏は、今日も愉快で、ちょっぴり騒がしい。
続
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