第19話 【ピンク髪の少女と神の謎】
見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。
「ようこそ、“楽園の入り口”へ。さて……次の問いに、答えられるかしら?」
最下層、神殿のような空間。そこに現れたのは、どこか神秘的な雰囲気を纏うピンクの髪の少女だった。瞳は琥珀のように輝き、歳の割に落ち着いた佇まいが周囲を圧倒する。
「君は……やっぱり、俺たちを見てたんだな」
レオルが一歩前へ出る。
「ええ、ずっと見ていたわ。あなたの“成長”を。神の力を受け継いだ者として、ね」
「“神の力”って……やっぱり関係あるの…」
ミルが小声で呟く。
「ふふ。そう固くならないで。私は試す者。
そして、見届ける者。あなたが本当に“神の加護”を 持つに値するかを見ていたのよ」
「ってことは、お前がダンジョンのボスってわけか?」
バンザイが肩に担いだ太刀を指で叩く。
「……ううん、違うわ。私はこのダンジョンの管理者。主ではないの。もっとずっと昔にこの場所を作った“神々の意志”を伝える役目なの」
少女は歩み寄る。何も警戒していない、、
それが逆に不気味だった。
「問うわ。レオル、あなたは何のために力を求めるの?」
その言葉に、レオルは一瞬黙る。
だが、迷いはなかった。
「守るためだ。俺を信じてくれた仲間たちを。
俺に居場所をくれた村を。俺に、もう一度命をくれ た“この世界”を」
その言葉に、少女の瞳がわずかに細められた。
「……正解ね。やっぱり、あなたは“選ばれし存在”だった」
ピンク髪の少女が手を翳すと、神殿の奥、封印された扉が開く。そこにあったのは、巨大な水晶柱。中に浮かんでいるのは、、、
「これは……!」
半透明の球体の中には、古代の神殿文字で描かれた“創造の神”の紋章と、“加護の源”が収められていた。
【スキル•加護付与が覚醒条件を満たしました】
【覚醒進行中……[個別加護]機能を解放します】
「……これで、仲間それぞれに専用の加護を付けられるってことか」
「そう。あなたの創造はただ“作る”力じゃない。
“導く”力でもあるのよ。あなたが認めた仲間は、あなたの力でさらに伸びていく」
ルーナ、ミル、ポポ、セラ、エルフィナ、バンザイ。それぞれが驚きと希望の入り混じった表情を浮かべていた。
「でも、これって……逆に言えば、今まで以上に危険が増すってことだよな?」
「ええ。“力”は“目立つ”。あなたたちの存在は、いずれ大陸の各地に知られていくことになるでしょう。王国、魔族、古代種……あらゆる勢力が動き出す」
「それでも、やるよ。仲間がいる限り、俺は進む」
レオルの答えに、少女は微笑んだ。
「ならば、最後の加護を授けましょう。
“神の名を継ぐ者”としての、第一歩を」
水晶が砕け、光の粒子がレオルの身体へと流れ込む。
【スキル覚醒完了】
【創造•神格干渉Lv1】
【加護付与•個別加護Lv1】
力が、確かに満ちる。自分の手で“仲間の未来”を切り開けるようになった実感。
「これからも、試練は続く。でも、あなたならきっと超えていけるわ」
ピンク髪の少女は微笑むと、再び光の中へと姿を消した。
「……行っちゃったね」
エルフィナが肩をすくめる。
「でも、分かったよ。このダンジョン……
俺たちの“始まり”であり、“拠点”だ」
レオルは仲間たちを見渡す。
「村に戻って、さっそく加護を与える準備をしよう。戦いは、これからだ」
仲間たちが頷いた。神話のような試練を越え、彼らの絆はさらに強くなっていた。
続