第18話 【進化するダンジョンと“神の居場所”】
見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。
ダンジョン──それは、かつて神が創りし“試練と進化”の聖域。
レオルたちが挑むこの迷宮は、ただの魔物の巣窟ではなかった。
「よし、ここから本格的に拠点化を進めるぞ」
最上階の安全区画。レオルは“創造”スキルを発動し、床に手を触れた。
【スキル:創造が反応しました】
【構造解析中……連結領域:可能】
【構造干渉を許可──改装モード起動】
「地形の操作まで……。まるで、このダンジョンそのものが“生きてる”みたいだな」
「ほんとに改装していいの? これって神聖な場所だったり……」
心配そうに尋ねるミルに、レオルは頷いた。
「……逆に聞くけど、ここって俺のスキルに反応してくれるんだ。ってことは、ここに“神の力”の一部が宿ってる。つまり、“俺たちの居場所”にもなれるってことだろ?」
そう言って、レオルは魔力を流し込む。
地面が震え、階段が整備され、壁に簡易照明が灯る。
ダンジョン最上階が、まるで“要塞兼拠点”のように生まれ変わっていく。
「すっげー! 本当にダンジョンを村にしちまうのかよ!」
バンザイが目を輝かせる。彼の背には二本の太刀と、リュックに詰め込まれた食材。
「この最上階は食堂と休息所に改造しておいた。
バンザイ、腕の見せどころだぞ」
「任せとけ! 地下飯、作ってやんよ!」
一方その頃、、、
「……敵が、来てる」
セラの羽が震える。冷気が周囲に漂い始める。
「この先の階層、何かが“意図的に”配置されてる……」
ルーナが天井の影を見上げながら、囁いた。
彼女の暗殺者としての勘が告げる、、
これは、“待ち伏せ”だ。
階層を降りるたびに増える異常な罠、配置の整った魔物たち。
それはまるで、攻略者を“導く”かのような設計。
「ここ……本当に天然の迷宮なの?」
「いや……これは試練だ。“神の選別”か、“観測”……あるいは、何かを目覚めさせるための」
レオルの脳裏に、あのピンク髪の少女がよぎる。
「ほぉ……ここまで来たか」
柔らかな声と共に、少女の幻影が一瞬だけ現れた。
「今の……?」
「姿が見えただけ。けど、あれは明らかに……“俺たちの動きを見ている”存在だ」
仲間たちは頷く。彼らはこの“神の居場所”とも言うべきダンジョンで、新たな真実に迫ろうとしていた。
そして、次の階層へと降りた先。
「、、これは、まるで神殿……?」
巨大な石柱、緻密に刻まれた神話文、中央には光の封印。
その奥で、スキルの反応が弾ける。
【スキル[創造]が進化条件を満たしました】
【新スキル解放:加護付与】
「これが……俺の新しい力……」
レオルの右手が神光に包まれる。
仲間に“加護”を与える新たな能力。
「レオル……」
セラがそっと呟く。
「君の力……優しいね。壊すんじゃなく、護るためのものだ」
「そう思えるのは……お前たちが、いてくれたからだ」
再び戦いが始まる。
階層を進み、罠を越え、謎を解く。
仲間たちの連携が試され、絆が試される。
このダンジョンは、“ただの拠点”ではない。
彼らを試し、育て、導く“神の器”そのものだった。
そして、最下層の扉の前。
ピンクの髪の少女が、ようやく姿を現す、、。
「ようこそ、“楽園の入り口”へ。さて……次の問いに、答えられるかしら?」
続