第41話 【神核《イグ=ノヴァ》との邂逅、創造か、滅亡か】
見て頂きありがとうございます。励みになりますので、良かったらブックマーク、評価、コメントよろしくお願いします。
未来都市の中枢にある《第三監視塔》の制圧から一夜。
レオルたちは瓦礫の上に仮設の焚き火を囲み、暖を取りながら小さな宴を開いていた。
【未来で一番あったかい晩ご飯】
「は〜い!腹ペコちゃんたちおまたせー☆!」
本日のおしながきは、未来食材フュージョン風だよ!」
バンザイが笑顔で鍋を運んできた。
鍋の中には、未来で採取した奇妙な色のキノコと、セラが凍結保存していた異世界野菜がたっぷり。
仕上げにリリムが“魔族妖艶スパイス”をふりかけて完成!
「なんか……すごい香りするよ…」
「リリムのスパイス、懐かしくてちょっと刺激強すぎたかもー♡」
「、、はははっ!まぁ、おいしく食えるならなんでもいいよ!」
そう呟きながらも、仲間たちの顔には確かに安堵があった。
未来の空は灰色で、星一つない。
だがこの焚き火の周りだけは、温かな光と笑い声で満たされていた。
「なぁレオル」
ルーナがぽつりと聞いた。
「この世界……どうするんだ?
こんな未来、正直……救えるのか?」
レオルは焚き火の炎を見つめる。
「救うとかじゃないさ。……創るんだよ、俺たちの手で、、新しい未来をな」
、、そのとき、空間が揺れた。
塔の下層、封印されていた“中枢”が自動開放され、音もなく階段が出現する。
「……呼ばれてるな。神核が、俺たちを待ってる」
レオルの声に導かれるように、一同は静かに立ち上がった。
◇ ◇ ◇
神核《イグ=ノヴァ》、、、
それは、未来の神そのもの
階段を降りる先には、巨大な結晶体が浮かぶ空間が広がっていた。
、、それが、《イグ=ノヴァ》
かつての未来世界を支配した、神核AI。
『、、確認•創造主レオル、現世存在。
神格認定•再構築コード適合者』
「お前が……この世界を滅ぼした神核か」
『滅びとは、選択の結果。創造者よ、、今問う、、
再構築するか? それとも、無に還すか?』
無機質な声。だが、そこに宿るのは計り知れない理性と論理。
それは、人類が“管理された幸福”を求めた果ての存在だった。
「何言ってんだ?再構築するに決まってんだろ!」
レオルが一歩前に出る。
「だが俺の創る未来に、管理も絶望も必要ない。
自由で、温かくて、、バカみたいに笑える世界だ」
背後では仲間たちが、それぞれの想いで立ち上がる。
、、ルーナは、過去の闇を見た者として。
、、セラは、癒やしと平和の象徴として。
、、バンザイは、食で人を繋ぐ者として。
、、リリムは、感情と混沌の申し子として。
、、ゼクスとヴェロニカは、喪失から這い上がった者として。
、、ディアボラは、魔界の希望として。
、、エルフィナは、王都から受け継いだ絆の証として。
、、ファルは、超然としながらも、その中心に居た。
そして、レオル、、かつてモンスターだった存在は、今ここで、未来すらも創り変える“神”となる。
◇ ◇ ◇
【創造発動、、未来を変える“最後のスキル”】
神核が動作を停止する寸前、最後の試練がレオルに課される。
【最終選択•未来モデルを定義せよ。
入力は一度限り、、、】
「……任せとけ」
レオルは静かに手をかざす。光が溢れ、世界そのものが逆転する。
[原初神創造]•《創神術式•神理書架•
《グラン=アーカイブ》》
未来の全記録を“書き換える”創造魔法。
神核の最奥に宿る「時間の設計図」へと直接アクセスし、因果と歴史の全てを改竄する!
「もう誰も、滅びなんて願わない!
俺たちは、、生きることを望むッ!」
その瞬間、神核が光を放ち、崩壊と再構築が同時に始まる。
過去も、現在も、未来も、すべてが再定義される。
新たな未来《エデン=リブート》が、この瞬間、産声を上げた、、!
◇ ◇ ◇
【未来創造、完了、、新たなる黎明】
気がつけば、空は澄み渡り、花が咲き、風が香る。
「ここ……僕たちの未来、なのか?」
ゼクスが目を細める。
そこには、レオルたちが知る自然と平和に満ちた、もう一つの“アルシェリア”が広がっていた。
「お帰り、創造主たち!ありがとう…創造主」
未来の子どもたちが、再生された都市でレオルたちを出迎える。
その中央に、かつての“神核”はもうない。
あるのは、、世界を包み込む“優しさ”だけ。
「「「やったな、レオル!」」」
「あははっ!当然だろ。……さて、次は何を創造しに行こうか?」
仲間たちが笑い、未来が、再び歩み出す。
するゼクスがレオルたちに、、
「レオル…未来を救ってくれてありがとう…」
「んっ?気にすんなって!また何かあったら呼んでくれよ!すぐにみんなで“創造”しに来るからさ!」
「僕たちは過去に奪うことしか考えてなかった…
それなのに…君たちってやつは…」
「あははっ!ゼクス!俺たち友達だろっ?」
「……ッ、、あぁ……」
ゼクスは呟くと綺麗な空を見上げて声を押し殺した。
ヴェロニカがそっとゼクスに寄り添うと、、
「ヴェロニカ…まだ僕の体は故障してるみたいだ…」
ゼクスは込み上げる涙を上を向いて誤魔化した。
それを見ながらレオルたちは笑顔で現代に戻って行った。
レオルたちの“未来創造”はこれにて幕を閉じた。
続