第17話 【村に湧いた!奇跡の温泉と癒しの時間】
見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。
指輪騒動から次の日…。
「……ここ掘れ、レオル?
大判小判がザックザク??」
ミルが不思議そうに俺の行動を見つめている。
「そう。なんか……ここ、ちょっとだけ地熱を感じるんだよな〜」
スキル[創造]を使って、地下の構造を精密に“感覚”することで、微かな熱源や水脈の流れが伝わってくる。
この場所、、、村の外れの岩場の下には、どうやら“温泉”になりそうな構造があるっぽい。
「温泉……ですか?」
エルフィナが興味津々に覗き込む。
セラも羽をたたんで、ポポを抱き、隣に座っている。
「人族の文化にある“癒しの泉”ですね。あれはとても体に良いと聞いたことがあります」と、セラが微笑む。
「へぇ、いいねぇ温泉!ぽかぽかして、ごはんのあととか入ったら最高だね〜!」と、ミルもワクワクして喜ぶ。
仲間たちみんなが頷いた。
神話のような試練を越え、彼らの絆はさらに強くなっていた。
「よーしっ!!俺たちの村に温泉を作るかー!!」
かくして、村の“癒し施設”プロジェクトが始動した。
「湯脈、開通――!」
地熱の流れを見極め、岩盤の強度を調整し、スキル【創造】で安全な水路を通す。
微細な調整を繰り返し、ようやく湯が自然に湧き出す構造を作ることに成功した。
地面がぶくぶくと泡立ち、白い湯気がふわりと立ち上がる。
「できた……!おいっ!ほんとに湯が出たぞ!」
「わぁあ……!あったかそう〜!!」
ミルが興奮気味に湯気に顔を突っ込む。
「しゅごい……湯気が、気持ちい……!」
「こ、これは……かなり良質の湯ですね。美肌成分の温泉鉱物も検出されました」
エルフィナが顔を赤らめながら湯気に包まれている。
「ふふ、これはレオル様に感謝ですね♪」と、セラもにっこり。
「ふ、風呂……か。たまに入ってやってもいいけどな…」
ぼそっと呟いたのはルーナだ。戦闘狂のくせに、意外とこういうのに弱い。
夕食後、、、
レオルが男女でしっかり分けた湯船を準備し、全員交代制で温泉タイムを楽しむことに。
「いっただきま〜す!湯、最高〜〜!」
「ぬくぬく……。こんな贅沢が村でできるなんて、夢みたい……」
「わたし、ここの村に来てよかったです……」
湯気の中でとろけた顔を見せるセラ、エルフィナ、ミル、ルーナ、ポポたち。
それぞれの肩の力が抜け、ふだんの喧騒が嘘のように癒されていく。
「バンザイ、お前もどうだ?気持ちいいだろ?!
って…水に濡れるとバンザイって…ぷっ…」
「ふっ!何だ?レオル、毛がペターっとするのがそんなに面白いか?失礼な奴め……
ふふ、だが湯加減も味も上々、まるで天国じゃのぉ……」
「んっ?味って……?」
バンザイはなぜか温泉にだし昆布を浮かべている。
それはやめろ。
「ふぃー……でも温泉ってすごいな〜。心まで軽くなる」
夜の焚き火のそばで、レオルは一人、空を見上げていた。
そこにルーナがふらりと近づいてくる。
「あの、、……ありがとな」
「ん?」
「……あたし、あんたらに負けて、仲間になったけどさ。まだ……うまく、居場所とか、よくわかんねぇ。けど、今日、ちょっとだけ……“いてもいい”って、思ったよ…」
「……そっか。だったら、温泉作った甲斐があったな」
「べ、別にっ!温泉が気持ちよかったとか、そんなんじゃねーし!」
「はいはい、ツンデレ刺客さん」
「ち、ちげぇって言ってんだろバカ!もし、温泉覗いたら暗殺するからな!」
レオルは笑って、焚き火に薪をくべた。
その夜、レオルは一つの“反応”を感じ取る。
スキル【創造】が、温泉施設と仲間たちの“感情”に反応したのだ。
【スキル:創造】が進化条件を満たしました。
【新機能解放:施設機能への属性付与】
「……施設に属性……ってことは、温泉に“効果”を追加できるってことか?」
新たな創造の形。村づくりの可能性は、ますます広がっていく、、、。
続