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第38話 【未来からの悲鳴】

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 アルシェリアに春の陽気が訪れ、村の広場には穏やかな空気が流れていた。


 ミルは読書台に広げた魔導書とにらめっこしながら、畑に実る“春実草”の成長速度について分析している。

 

 セラは近くの泉で水遊びをする子供たちを優しく見守っており、バンザイは屋外キッチンで新作の“ふわとろたまご焼き”を量産していた。


 一方、レオルは木陰のハンモックでぐでーんと寝そべっている。


「……戦いも終わって、、

 ふわぁ〜、、スローライフ最高だなぁ……。

 ずっとこうしていたい……」


 と、レオルが目を細めたその瞬間、、、


 突如として空に“音のない亀裂”が走った。


 青空に黒い線が走り、やがてその裂け目は、不気味に口を開いた。


 空間の綻びから漏れ出るのは、かすれた《声》だった。


「……未来が……また崩れた……。レオル……助けて…くれ……」


 その声に反応したのは、ノアだった。

 読書していた本を閉じ、蒼白な表情で空を見上げる。


「……この波動、間違いない。あれは、未来のゼクス……観測座標の先から、私に送られた“救難通信”……!」


 セラは手を口元に当て、リリムは無言で体から紫炎を湧き上がらせた。


「、、未来が崩れてるって……本当、僕たちは戦争に巻き込まれるね〜……嫌だなぁ…☆」

 ファルが不敵な笑みを浮かべて顔を背ける。


「ふふっ!行くんでしょ、みんな、、」と文句を言いつつも、荷物をまとめ始める。


 ディアボラは腕を組み、レオルに視線を送った。

「どうするの、レオル? 助けに行くんでしょ?」


 レオルは、ため息をひとつついてから、にっこりと笑った。

「あぁ!未来が泣いてるなら、俺たちが創り直すまでだよ!」


 空間の裂け目がじわじわと閉じようとする。


「“誰か”のせいで未来が壊れたなら、今度こそ俺たちの手でしっかりと未来を創る……!!」


 拳をぎゅっと握りしめ、レオルは立ち上がる。


「みんな、準備してくれ! “未来創造”に行くぞ!!」


◇ ◇ ◇


 【選ばれし10名】


 今回、未来へ向かうのは、精鋭10名の仲間たち。


•レオル•創造の半神。スローライフ信者にして絶対無双の主人公。

•ミル•賢族の才媛。解析と作戦立案が得意。

•セラ•癒しと氷の魔法を操る雪精族。冷静かつ優しさの権化。巨乳。

•ノア•観測者として時空座標を読み解く者。未来の声を受信した張本人。

•ディアボラ•爆乳魔王様。ムードメーカー&物理破壊担当。

•バンザイ•料理人であり、二刀流の剣士。地味に強いし頼れる兄貴。

•エルフィナ•王都の王女、王都の玉座に座り内政に励む。現在アルシェリアとのパイプ役。

•ルーナ•影を操る元暗殺者。偵察、先行調査、暗殺に長ける。

•ファル•拒絶と魔術の天才。飄々としているが、だが絶対来てくれる。

•リリム•魔族の少女。イシュ=ヴァルトの娘。未来に向けて、自ら志願。


◇ ◇ ◇


 未来への旅立ちの時、、、


 中央広場に描かれた転移魔法陣。空中に広がる魔導方陣の幾何学が光を放ち、時空を突き抜けるエネルギーが集束していく。


「時空因果線、座標固定。過去から未来へ、時の環を開く」

 ノアが魔導核に手を添えると、魔法陣が輝きを増し、アルシェリアの大地がかすかに揺れた。


「未来は、必ず私たちで取り戻すよ!」

 ミルの声に、全員が頷く。


 レオルが一歩前に出て、光の中心に向かって叫ぶ。


「、、さぁ!行こうか! “未来創造”の旅へ!」


 一瞬の閃光。

 彼らは時空の裂け目へと吸い込まれていった。


◇ ◇ ◇


 レオルたちが未来に行くと、そこは転移後の変わり果てた未来、、


 一行が目を開けたその場所は、、、

 彼らが夢見た“未来のアルシェリア”とは違った。


 空は鉛のように重く、空気は濁り、黒くひび割れた大地が地平線の彼方まで続いていた。


 かつて見た近未来的都市の面影はどこにもなく、崩れた塔と黒い砂漠だけが広がる。


「うわっ、なんか……想像していた未来と全然雰囲気違うじゃん。めちゃくちゃ不穏〜」

 ディアボラが眉をひそめる。


「時空の崩壊が進行している……

 このままだと、この時代のすべてが“無”に還る」

 ノアが淡々と分析するも、声は震えていた。


「……こんなこと、誰がこんなふうにしたの……?」

 リリムが震える声で呟く。


 風の中に混じって、ジャリ……ジャリ……と、乾いた足音が響いてきた。


 その姿を見た瞬間、ノアが声を失う。


「、、あれは……ゼクス……!?」


 現れたのは、かつての敵、そして“未来の仲間”、、

 ゼクス・ヴェルアイン。


 だがその姿は既に人ではなく、肉体の多くが歪な機械と融合し、片目は青白い光を放つ人工義眼となっていた。


「あはは、、久しぶりだね、レオル 

 ……君たちが来るのを、待っていた、、」


 その声には、哀しみと怒り、そして“何か”に支配された冷たさが宿っていた。


 レオルは、剣を構える。


「なぁ?ゼクス、、未来は、まだ“創り直せる”んだろ?」


 レオルの言葉を聞いたゼクスは不敵な笑みを浮かべるだけだった、、。



            続

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