第27話 【記録の果てで、君と出会う】
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レオルたちはダンジョンにまた潜り、、
迷宮深層《創界の間》にたどり着いた。
黒曜石のような床に、神殿の柱が立ち並び、空間はゆっくりと歪みながら“崩壊と再構築”を繰り返していた。
「ふふっ、来るよ、、レオル」
ファルが囁いたその瞬間、虚空が裂けた。
現れたのは、半透明の鎧を纏った巨大な影。
その姿はどこか、“かつてのレオル”を模したような、、、
「んっ?……俺、か?」
「違うね。これは《記録》が歪められた存在……
レオルの“否定された可能性”だね」
ファルが目を細める。
それは、もしレオルが“モンスターのまま誰も救えなかった”未来。
痛み、怒り、孤独だけを抱えて崩壊した、、
《別のレオル》
「ん〜なんか違うな〜!俺は……お前になんか、ならねぇよ!!」
レオルがそれを指差し叫んだ瞬間、戦端が開かれた。
◇ ◇ ◇
激戦が始まる。
黒の幻影は、咆哮と共に周囲を砕き、空間そのものを攻撃する。
時空が歪み、複数の異形が召喚され、戦場は混沌に包まれた。
「俺にぃぃぃっ任せろっ!!村長さんっ!!」
バンザイが飛び込む。二刀と鍋を構え、召喚された獣影と激突。
「癒しと凍結は、私の役目よ」
セラが氷のフィールドを展開し、敵の動きを鈍らせる。
ノアは記録媒体を開き、未来からの情報を解析。
「次の攻撃、8秒後。座標この位置!」
リリムは影から影へ跳び回り、敵の急所を一撃で貫いた。
「レオ兄を、誰にも渡さない……っ!」
ファルは空中に浮かび、魔術回路の書式を展開する。
「[拒絶式]•《創界因子》、解除。レオル、今の君なら、、、」
「さぁて!!いくぞ!!!」
レオルが叫び、[創造]の力を全開放した。
そのとき、、
空が裂け、赤と黒の閃光が戦場に舞い降りた。
「遊びはここまでだ。ここからは、我々の領域だ!」
ゼクス・ヴェルアインが義手を回し、銃剣を展開する。
「この戦場……記録しておくわ、《記録者•ヴェロニカ》」
仮面の女が、流れ落ちる“未来の残滓”で空間を封じた。
「ゼクス、ヴェロニカ、援護する!」
「「了解だ、ノア!」」
二人はノアと連携し、“崩壊の座標”を正確にロックオン。
その隙を、ディアボラが突いた。
「んっもぉ〜♡レオルの未来は……私たちが守るの♡」
放たれた獄炎の拳が、黒き幻影の心核を穿つ。
「……!」
瞬間、崩壊の幻影が呻き、動きを止めた。
「今だよ、レオル!!」
「[創造]終焉の向こう側に、“未来”を描く!」
レオルの拳が世界を貫ぬき、幻影が空間に飲まれていった。
◇ ◇ ◇
空間が弾け、影が消えた。
音が止み、すべてが光に包まれていく。
ファルがそっと降り立ち、迷宮の中央に手をかざす。
「記録、再構築完了……っと」
迷宮は穏やかに脈動し、創界因子は安定状態へ。
「レオル……ありがとう」
ファルが微笑みながら振り返った。
その後ろには、仲間たちの姿、、、
バンザイが変なウィンクをして、セラが疲れた笑顔で手を振る。
リリムとディアボラが肩を組み、ノアがその様子を静かに記録していた。
ゼクスとヴェロニカは「これで一区切りだな…あとはどう未来が変わるかだ…」とうなずき、、
そして、ミルがそっとレオルに近づく。
「……私たち、ちゃんと“未来”を創れたのね」
レオルはうなずいた。
「あははっ!俺たちの“スローライフ”に、もう迷いはないよ!邪魔するなら蹴散らすまでだ」
◇ ◇ ◇
アルシェリアの村に戻った一行は、ささやかな宴を開いた。
迷宮の修復祝いと、未来の記録の安定を祝して、、
ファルは、レオルの横に座りながらそっと言った。
「この世界には、もう一つの“選択肢”があったことを……僕たちは、ずっと記録し続ける。
でも、今のレオルたちが選んだ未来こそが、きっと最も美しい記録だよ☆」
レオルは少し照れながらも、笑ってこう答えた。
「あははっ!それじゃあ……これは、俺たちだけの“物語”だな」
夜空には無数の星が輝いて、、
笑顔のみんなを照らしていた。
続