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第26話 【試練の第二階層と、新たなる管理者】

見て頂きありがとうございます。励みになりますので、良かったらブックマーク、評価、コメントよろしくお願いします。


 アルシェリアの地下に眠る《創界迷宮》

 第一階層を抜けた挑戦者たちの多くが、次なる試練の扉に向かおうとしていた。


「第二階層の封印が……解かれました」


 アルシェリア本部の魔道端末が警告音を鳴らし、ノアが目を見開く。


 画面には、迷宮の奥に脈打つ“未知の意思”の波動が映し出されていた。


「この反応……迷宮が“主”を求めているのよ。

 放っておけば、別の存在が勝手に名乗りを上げて、迷宮ごと暴走するかも」


 ミルの見解に、場の空気が引き締まる。


 かつて世界を崩壊させた魔王たちの中には、、

 “ダンジョンを苗床”として蘇ろうとした者もいた。放置は許されない。


◇ ◇ ◇


 第二の階層【幻鏡の回廊】


レオルたちは、冒険者の選抜チームと共に、第二階層へと降り立った。


「視界が……揺れてる? これ、鏡か……?」

 内部は、光の反射と歪みに満ちた“幻鏡”の世界。


 一歩踏み出せば、壁が空に、天井が地に、仲間の姿さえも自分自身に見える。


「これは幻惑魔術だけじゃない。空間そのものを折りたたんで、映像を干渉して……っ!」


 セラが氷の槍を放つが、それすらも歪んで自身に向かってくる。


「みんなっ!冷静に、、、これは“誰が本物か”を問う試練だぞ!」


 バンザイが鋭く分析し、自らを囮に、敵と錯覚像の違いを見極めていく。


 冒険者たちは戸惑いながらも、連携と工夫で幻鏡の迷宮を次々と突破していった。


◇ ◇ ◇


 そして、第二階層の奥。

 そこに現れたのは、、、


『……ようこそ、“創造主たち”よ』

 柔らかく響いたのは、迷宮そのものの“声”だった。


 浮かび上がる光の球体。そこから現れたのは、小柄な少女の姿を模したホログラムのような存在。


『私は“アルファ”。この迷宮に宿る、始まりの観測意志。かつてこの世界が造られた時、共に記録され、封じられていた存在です』


『あなたたちは、この世界の創造に関与する資格を持っている。よって、私は次なる“管理者候補”を選定しようとしています』


 全員が息を呑む中、、、

 彼女の視線は、ある一人に向けられた。


『、、ファル。あなたに問います。

 あなたは、記録者としてこの迷宮と共に在る覚悟がありますか?』


 

 静かな空気の中で、ファルが一歩前に出た。


「僕の記録は、過去を残すもの。でも、それだけじゃ足りないよね。これから先の未来を“正しく紡ぐ”ことが、僕の使命なのかもしれないね…」


『ならば……』


 光がファルの胸元に宿り、淡く輝く紋章が浮かび上がった。


《迷宮副管理者•記録の座》が、正式にファルへと継承されたのだった。



  その瞬間。


 迷宮が微かに震え、地上ではヴェロニカが顔を上げる。


「来るわ。やっぱり……時間の歪みの向こうに、“もう一つの選択肢”が存在する」


「俺たちの知ってる未来とは、違うルートが……?

 未来が変わるかもしれないのか…?」


 ゼクスの義眼が光を放つ。


 ダンジョンは、ただの試練ではない、、

 それは、“未来を創り直すための装置”でもあった。


◇ ◇ ◇


 迷宮から戻った夜、レオルとミルは静かに語り合っていた。


「ファルが迷宮に選ばれたの、なんか……納得だな。あいつ、なんだかんだいつも俺たちのこと、ちゃんと見てくれてるしな」


「うん。観測者としてだけじゃなく、一人の仲間として。そして、創造された存在であっても……自分の意思で生きると決めた人」


「おーい!お前らっ!難しい話しはあとにしろーい!

 鍋できたから早くこいっ!!」

 

 バンザイがふたりを呼びに来た。


「「はははっ!は〜い」」


 星空の下で、未来への鍵は少しずつ、仲間たちの手に渡り始めていた。




            続

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