第15話 【半神と仲間たちの力。村を支えるスキルたち】
見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。
焚き火の火がパチパチと音を立てて爆ぜ、暖かな光を夜の闇の中に広げていた。
レオルは腰を下ろし、仲間たちとともに、静かな夜を楽しんでいた。
村ができてから、もうどれほどの日が経っただろう。
最初は自分ひとりだったこの場所に、ミル、ポポ、セラ、エルフィナ、バンザイ、ルーナ、が加わり、今では確かな“拠点”として息づいている。
そしてその成長を支えているのが、それぞれが持つ スキルという力だ。
「ねぇねぇレオル~、今の[創造]ってどこまでできるようになってるの?」
獣耳を揺らしながら、ミルが丸太の椅子の上でこちらを覗き込んでくる。
彼女のモフモフの尻尾がふさふさと揺れている。
レオルは少し考えてから、手をかざし、地面の上に光の模様を走らせた。
瞬間、そこに見慣れた木造のベンチが現れる。
「素材があれば、ほとんど何でも作れるよ。
村の施設だけじゃなくて、最近は、、、」
「ダンジョンの通路やセーフゾーンもね。まさに万能のクラフターってとこかしら」
エルフィナが薄く笑いながら頷いた。
彼女の[精霊術]もまた、村の安全に一役買っている。
「[創造]は基本的に、イメージと素材とルールの理解が必要。でも、“信頼されている場所”では制限が緩んで、魔力消費も減るんだ。村もダンジョンも、もう俺にとっての“居場所”だからな」
「ふふっ、レオル……かっこいい〜☆」
セラが小さく笑って、銀色の髪と大きな胸を揺らしながら微笑む。
彼女もまた、欠かせぬ力を持つ一人だ。
「私の[氷翼術]は、本来、飛行や射撃がメインだけど……最近は治癒の氷を作る応用にも成功してるの。氷でできた診療所なんて、幻想的でしょ?」
セラの言葉に皆がうなずく。
実際、彼女の氷による空間は、見た目も機能も非常に優れていた。
その隣では、ミルが誇らしげに胸を張る。
「私は[知識眼]っていうスキルがあるの! 植物の名前とか、魔物の弱点とか、見ただけでわかっちゃう! 便利でしょ!」
「あと地味に“記録係”もやってるよな、ミルは」
レオルが笑うと、ミルはむすっとした顔になって、「“地味”じゃないもん!」と頬を膨らませた。
その場に、分厚いまな板を抱えたパンダ、、
バンザイが現れる。
「おいおい、俺のこと忘れてないか?」
丸太の鍋の前に立つバンザイは、コック帽をかぶり、二刀の包丁を腰に差している。
「[二刀流・裂風剣]と[料理神の加護]……。
戦いも飯も、どっちも任せとけ!」
その腕前は本物で、村の食料事情は彼のおかげで一気に豊かになった。
戦闘では太い腕で大剣すら振り回し、肉体派タンクとしても頼りになる存在だ。
エルフィナが首を傾げながら、さらりと言う。
「私は[精霊通話]と[風の加護]。主に索敵と移動支援が得意ね。レオルの創造が“形”なら、私は“流れ”を読むタイプね」
精霊と話す力で、風の動きや魔力の流れを探知できるエルフィナの存在も、ダンジョン探索では大きな武器だ。
「わ……私、は……」
ぽつりと、小さな声が聞こえた。ルーナだ。
彼女は火の影の中で腕を組み、少し顔をそらしている。
「[気配遮断][毒刃][影歩き]……。
暗殺者としてのスキルよ。でも、もう“誰かを殺す”ために使う気はないわ。今は……村を守るために使ってる」
そのツンと澄ました声に、仲間たちはあたたかい視線を向ける。
レオルは、静かにうなずいた。
「ルーナの気配遮断は、スカウトとしても優秀だ。敵が来たら先に気づいてくれるし、探索班にも必要不可欠だよ」
ルーナが「ふ、ふんっ!別にあんたのためじゃないんだから!」と顔をそむけながらも、尻尾のようにわずかに揺れる髪が、彼女の嬉しさを物語っていた。
レオルの持つスキルは、[創造]そして[加護付与の鍵]さらに、未だ眠る[神性]。
仲間たちもまた、それぞれの個性に合ったスキルを持ち、それが“村”という場所に集まり、今の拠点を形作っている。
誰かが欠けても、成立しない。
だが、だからこそ、、、
全員がいるから、強くなれる。
「さて、明日はどうする? ダンジョンの下層、また見に行ってみる?」
「レオルが作ったあの“拠点階層”を拡張してもいいかも。住めるレベルにしちゃおうよ!」
「じゃあ私は、氷で冷蔵保存庫作るー!」
夜は、そんな未来の話でふけていく。
スキルとは力であり、絆であり、願いを形にする道具でもある。
今日もまた、彼らは前に進む。
“最強の村”を、“誰でも住める村”を、、
夢ではなく、現実のものにするために。
続