第18話 【未来の文化祭!ようこそ“時の交差点”へ】
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アルシェリアの空に、再び“未来の裂け目”が開いた。
、、、だが、今回は敵意ではなかった。
「時空安定領域、確保完了、、、
“未来連絡観測部”より物資搬入を開始します」
仮面を外したヴェロニカが、静かに報告する。
「……んで、お前さんたち、、つまりどういうことなんだ?」
首を傾げたバンザイに、ゼクスが答えた。
「君たちのアルシェリア村、未来において“文化遺産”として登録されていてね」
「登録された!?」
「そう!それで、“未来側の教育機関”と“アルシェリア住民”による交流イベントが立ち上がった、、
名付けて、《未来文化交差祭》》!」
「またすごい名前だな……」
レオルが思わず苦笑する。
◇ ◇ ◇
当日、、
アルシェリアの中心広場は、普段とは違う喧騒に包まれていた。
「お、おいあれ見ろよ……」
「浮いてる……屋台が浮いてる!?」
「なんだあの透明なドーム!? 中に銀色の魚が泳いでるぞ!」
未来からやってきた参加者たちは、皆一様に未来技術を駆使したブースを展開していた。
•時空射的屋台•銃を撃つと、未来と過去の“幻影の的”が現れる。
•重力反転カフェ•天井で紅茶が飲める(逆さまのまま)
•記憶のVR劇場•自分の記憶を演じる演者がAIで登場。感情フィードバックつき。
「な、なんか……未来ってスゴい……」
セラが呆然と空を見上げる。
「あっはっはっ♡こっちも負けてられないよっ!」
ディアボラが爆乳を揺らし、ばっと立ち上がると、アルシェリア組の屋台を手配する。
「こっちは“焼き栗屋”と“手作りマフィン”! あとバンザイ特製《創造鍋バー》!」
「おっしゃぁぁぁっ!!
やってやろうじゃねぇかァァ!」
バンザイが燃えた。
その横では、リリムと未来の子供たちが交流していた。
「これはね、草の笛っていってね、、ふぅっ……」
リリムが草笛を吹くと、未来の子供たちが目を輝かせる。
「えー、なにそれ! 機械じゃなくても音鳴るの?」
「うん。誰でも作れるよ。一緒にやる?」
「やるやるー!」
リリムの周りに集まる子供たちの声に、ディアボラが微笑む。
「すっかり“お姉さん”になっちゃって♡」
「ルーナの“影絵シアター”も人気みたいだよ☆」
ミルが小声で伝えると、レオルはふと目を向けた。
闇の幕に影を落としながら、ルーナが静かに物語を語っていた。
、、かつてモンスターだったレオルの旅の記憶。
子供たちも大人たちも、食い入るように聞き入っている。
「ねぇ……本当にあったの、こんな話?」
「うん。あったよ。私たちの、宝物みたいな日々の話、、信じるも信じないも、、君たち次第だけどね」
ルーナが静かに答える。
「こちらは……ノア博士の《観測ワークショップ》ですね」
ファルが本を片手に呟く。
ノアは未来の学生たちを相手に、観測と記録の仕組みについて講義していた。
「“意味”とは、誰かが認めて初めて成立するの。
だから私たちは、世界を“見届ける責任”があるのよ」
◇ ◇ ◇
そして、、日が暮れると、中央広場にステージが現れた。
「さて、さて、最後は……
未来×過去 合同演奏&創造ショー!」
レオルが手を掲げると、アルシェリアの魔力が光となって舞い上がる。
ゼクスが重力弦のギターを奏で、ヴェロニカが時空のピアノを響かせた。
ディアボラとセラがデュエットし、ルーナとリリムが影と光の演出を添える。
ファルは拒絶と受容の詩を紡ぎ、ミルは知識の歌を重ねた。
バンザイは創造鍋を振るいながら、爆発的にポップコーンを空へと打ち上げ、、
「さぁ行こう! この時代も未来も、どっちも俺たちの世界だ!」
レオルの叫びとともに、“創造花火”が夜空に炸裂した。
ぱん、ぱぱん!ドーン!
音が時空を超えて、未来と現在をつないでいく。
世界が違っても、時間が違っても。
“想い”が通じれば、そこに平和は訪れる。
今と未来の文化祭は笑顔のうちに幕を閉じ、、
夜のアルシェリアには、未来と今の絆だけが静かに残った。
続